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('A`)荒地のようです



311 名前:('A`)荒地のようです投稿日:2010/11/22(月) 22:47:09.24 ID:nE9SYaqe0 [2/19]
中学生の頃からか、僕の顔は荒れていた
そう、反抗期に荒れたのは僕の心ではなく顔だった
にきびででこぼこの顔
いつも顔は赤く油ぎっていて、ただでさえ人付き合いが苦手な性格なのにこのにきびがクラスで僕を隅に追いやるのにさらなる拍車をかけた

 ξ゚⊿゚)ξ「うわーあいつの顔きもくない?」

  _
( ゚∀゚)「荒地だ荒地wwww」
  _
( ゚∀゚)「おい荒地、今日の給食のデザートよこせよ」

('A`)「え・・・いやだよ」
  _
( ゚∀゚)「荒地のくせに生意気だなwwwクリーニングしちゃうぞwww」

ξ゚⊿゚)ξ「やめなよwwwかわいそうじゃないwwww」

今思えば軽く虐められていたのだろう。鈍い僕はそういう扱いに慣れてしまっていた


312 名前:('A`)荒地のようです投稿日:2010/11/22(月) 22:49:19.83 ID:nE9SYaqe0 [3/19]
( ^ω^)「学級委員を決めます。誰か、立候補する人いますか」
  _
( ゚∀゚)「お前やれよ荒地」

('A`)「え・・・やだよ」
  _
( ゚∀゚)「ほら、お前顔赤いし目立つから適任だぞ!行け荒地!」

('A`)「や、やめてよジョルジュ君」
  _
( ゚∀゚)「ごにょごにょ言ってて聞こえねーよ」
  _
( ゚∀゚)「せんせーい、ドクオ君を推薦しまーす」

('A`)「え?え?」

クスクス クスクス

( ^ω^)「ドクオか。どうだ、やってみないか?」

('A`)「え・・・いや、僕は」

  _
( ゚∀゚)「おい・・・断ったら殴るぞ」

僕のそばでぼそりとジョルジュ君がささやく

313 名前:('A`)荒地のようです投稿日:2010/11/22(月) 22:51:44.37 ID:nE9SYaqe0 [4/19]
('A`)「や、やります・・・」

( ^ω^)「おお。他に立候補はいないな?」

( ^ω^)「男の学級委員はドクオで決まりだな」
  _
( ゚∀゚)「さすが荒地!荒野の一匹狼だなwww」

('A`)(困ったなぁ。人前に立って話せないぞ僕)

( ^ω^)「女の子は素直さんに決まりました。二人に拍手!」

パチパチと気の無い拍手。中にはクスクス笑いが混じっていた

川 ゚ -゚) 「よろしくな」

('A`)「え?あ、あぁ」

( ^ω^)「さっそくだが、今度の学年会は二人で今度やる運動会についての司会進行やってもらうからな」

川 ゚ -゚) 「はい」

('A`)(無理無理無理無理無理!!)
  _
( ゚∀゚)「ぎゃはははwwwwがんばれよ荒地www」

( ^ω^)「それじゃあ今日のホームルームは終わり、各自気をつけて帰るように」

314 名前:('A`)荒地のようです投稿日:2010/11/22(月) 22:53:16.35 ID:nE9SYaqe0 [5/19]
('A`)「はあーどうすんだよ。100人以上の前で醜態さらすのか」

帰り道一人ごちりながら黙々と歩く。僕の歩幅は小さいらしく、途中で何人かの生徒に抜かされたがそれでも急いで帰る気にはなれなかった

('A`)「あー学校滅びないかな」

('A`)「くっそジョルジュが余計なこと言わなければ」

('A`)「せめてにきびなくならないかな」

( ・∀・)「そいつぁ困るな」

('A`)「誰が困るんだよ・・・は?」

( ・∀・)「だから、俺が困るんだって」

('A`)「ど、どちら様で?」

( ・∀・)「にきび」

316 名前:('A`)荒地のようです投稿日:2010/11/22(月) 22:55:01.26 ID:nE9SYaqe0 [6/19]
確かに声が聞こえるのは顔の付近だが、にきび?

('A`)「冗談きついよ」

( ・∀・)「いや、手鏡出してみ?百聞は一見にしかずってね」
なんとこのにきび、四字熟語まで喋るらしい

('A`)「手鏡なんて持ってないよ」

( ・∀・)「じゃあちんたら歩いてないでさっさと帰ろうぜ」

('A`)「・・・」

僕は予定を変えて走って帰ることにした

('A`)「ほんとだ」

家の鏡に映る僕。まさに都会っ子といわれるような華奢な体にけして見目麗しくない顔
その顔に群生するにきびの中でもひときわ大きなにきび
そこにやつがいた

('A`)「いつからいたんですか?」

( ・∀・)「いや、さっき気づいたら生まれてた」

319 名前:('A`)荒地のようです投稿日:2010/11/22(月) 22:56:18.02 ID:nE9SYaqe0 [7/19]
( ・∀・)「良かったな。お前俺のお母さんだぞ、光栄に思え」

('A`)「光栄に思うの逆じゃない?」

( ・∀・)「ママー」

('A`)「僕まだ中学生なのに」

( ・∀・)「まぁ冗談は置いといてだ、なんに悩んでるんだよ?」

('A`)「今はこの謎の寄生虫に悩んでるよ」

( ・∀・)「俺のことはいいんだよ。お前さっき言ってたじゃん。困ったって」

('A`)「あぁ・・・いいよ別に。大したことじゃない」

( ・∀・)「しゃべらないと体中に俺分裂するぞこのやろう」

('A`)「今すげー相談したくなった。いや、ていうか聞いてくれない?お願いします」

( ・∀・)「苦しゅうない」

どうやらにきびは分裂して増えれるらしい

322 名前:('A`)荒地のようです投稿日:2010/11/22(月) 22:57:44.26 ID:nE9SYaqe0 [8/19]
('A`)「学校で学級委員やらされてさ、僕こんな顔だし人前で喋るのも苦手なんだ」

そもそも人とコミュニケーション取るのもあまり好きではなかった

( ・∀・)「ほほう。で?」

('A`)「で?って・・・終わりだけど」

( ・∀・)「んーようは顔キモイし喋れないから恥をさらしたくないと」

('A`)「もうちょっとやわらかく言ってくれればいいのに」

( ・∀・)「事実だろ。まずは認めるところから弱点克服への道は始まるんだぜ?」

('A`)「え?手伝ってくれるの?」

( ・∀・)「俺のできる範囲でな。一応お前には世話かけてるみたいだし」

('A`)「別にニキビのことを責めてるわけじゃないよ」

( ・∀・)「あはは。ありがと。でもぶっちゃけあまり気にしてないよ兄弟」

('A`)「親子じゃなかったのか」

( ・∀・)「うるせぇお前はママのおっぱいでも吸ってやがれ」

どうやらニキビは口が悪いらしい

325 名前:('A`)荒地のようです投稿日:2010/11/22(月) 22:58:51.90 ID:nE9SYaqe0 [9/19]
( ・∀・)「でもお前俺となら普通に喋れてるじゃん。けっこう返しもキレあるよ」

('A`)「凄い上から目線のニキビだなぁ」

( ・∀・)「手伝わないぞこの顔面凶器」

('A`)「ダメなんだ」

( ・∀・)「はへ?」

('A`)「いざ人と対面すると、萎縮しちゃうんだよ。女の子ならなおさらぶっきらぼうになってしまう」

( ・∀・)「ふむ」

( ・∀・)「じゃぁ逃げるか?その説明会の日に休めば良い」

('A`)「ダメだよ。同じ学級委員の素直さんに迷惑をかけてしまう」

( ・∀・)「人間ってめんどくさいよな。協力だの責任だのって」

( ・∀・)「わかった。こうしよう」

( ・∀・)「その素直さん?ってのに協力を頼め。女の子なんだろ?」

('A`)「え、無理だよ」

( ・∀・)「なんで?一番難解な女の子と喋れるようになれば解決だろ?」

('A`)「いや、無理だって!素直さんだって嫌がるに決まってるよ!」

327 名前:('A`)荒地のようです投稿日:2010/11/22(月) 23:01:53.58 ID:nE9SYaqe0 [10/19]
( ・∀・)「じゃあどうすんだよ。逃げるのか?」

( ・∀・)「俺知ってるんだからな。俺はお前でもあるんだから」

( ・∀・)「今までそうやって責任から逃げ、人とのコミュニケーションから逃げ、日陰にいることを好んでさ」

( ・∀・)「与えられることだけを求め続けその結果なにがあった?」

( ・∀・)「お前は 今から 変わる」

( ・∀・)「な?」

('A`)「僕はずっとひとりぼっちなんだ・・・無理だよ」

( ・∀・)「大丈夫。俺も一人ぼっちだったから」

( ・∀・)「一人ぼっちが二人いたら、それはもう一人ぼっちじゃないだろ?」

('A`)「・・・」

( ・∀・)「お前は一人じゃない」

('A`)「考えさせてくれ」

( ・∀・)「わかったよ。俺しばらく寝るから良く考えろよ」

どうやらニキビも睡眠を取るらしい

329 名前:('A`)荒地のようです投稿日:2010/11/22(月) 23:03:55.53 ID:nE9SYaqe0 [11/19]

( ・∀・)「あのさ、さんざんぼろくそ言ったけど」

( ・∀・)「お前は最後にはやる男だよ」

なんたって俺の親だからな

なんていったきりニキビは喋らなくなった

('A`)「ふぅ・・・なにがなにやら」

僕は再び洗面台の前に立ち、自分の顔を見つめる
どうやら眠るとニキビの顔もいなくなるらしい
鏡には卑屈そうな顔をしたニキビだらけの頼りない自分が写っていた

330 名前:('A`)荒地のようです投稿日:2010/11/22(月) 23:06:43.49 ID:nE9SYaqe0 [12/19]
―翌朝―

( ・∀・)「よう、決まったか兄弟」

('A`)「やるよ俺。素直さんに協力してもらう」

( ・∀・)「本当か!俺も、協力するからな!」

('A`)「どう協力するんだよ」

その質問の答えを知ることはなかった
なぜならば前方の曲がり角から黒く長い髪をした、見慣れた制服を着ている女の子が目に入ったからであり

('A`)「あ、素直さんだ」

僕がそう呟くと間髪入れずにニキビも指示を出したからだ

( ・∀・)「行け、有言実行、疾風迅雷、電光石火だ」

('A`)「なんか使い方おかし・・・いだだだ!」

ほっぺが重力を完全に無視して素直さんの方へと向かう。なんてニキビなんだ。力ありすぎだろ

('A`)(わかった!わかったから離してくれ!怪しまれるよ!!)

332 名前:('A`)荒地のようです投稿日:2010/11/22(月) 23:08:49.65 ID:nE9SYaqe0 [13/19]
( ・∀・)(しょうがないな。言って来い!!!)

力強い言葉が頭に響き、ほっぺから力が抜ける

しかし、僕は足が回る速度を緩めずにしっかりと地を踏みしめながら素直さんへと近づいた。高鳴る心臓、顔に血が上り、手が震える
でも、やらねば。いつまでも逃げることは許されず、僕は自分を変えたかった
そしてニキビがきっかけをくれた。誰かの後押しがなければ走りだせないなんて情けないけれど、僕は今すがりつかねばならなかった
だって

( ・∀・)「お前は最後にはやる男だよ」

信頼されたことなんか なかったから

('A`)「すす、素直さん!!」

川 ゚ -゚) 「欝田君か。おはよう」

ふわりと彼女が振り返った

('A`)「あにょ!」

川 ゚ -゚) 「にょ?」
頭が真っ白になる。ダメだダメだダメだ。僕なにをしてるんだ?周りからクスクス笑いが聞こえる気がする。頭が沸騰しそうだ
ダメだ、僕は――

334 名前:('A`)荒地のようです投稿日:2010/11/22(月) 23:10:14.65 ID:nE9SYaqe0 [14/19]

( ・∀・)(落ち着け。お前はなにもおかしくないぞ。冷たい空気でも大きく吸ってみろ)

響く声。大きく息を吸い込み、周りを見渡す。大丈夫、誰も笑ってない。クリアになる頭。色を取り戻す世界。
僕はもう一度深く息を吸い込んだ

('A`)「すいません、噛みました!お願いがあるんです!!」

川 ゚ -゚) 「うん?」

('A`)( ・∀・)「僕人前で話すことが苦手で今度の学年会もみんなに、素直さんに迷惑をかけてしまうと思うんです」

('A`)( ・∀・)「だから、人前でうまく話す練習に付き合ってくれませんか?」

シン――と静まりかえる世界。音をなくしたかのような場は、彼女の声で一瞬にして命を吹き返す

川 ゚ ー゚)「喜んで」

335 名前:('A`)荒地のようです投稿日:2010/11/22(月) 23:12:15.42 ID:nE9SYaqe0 [15/19]

僕らは学校近くの商店街にきていた

時間は夕方過ぎ シャッターを閉めている店も少なくない
そんなシャッター通りを歩きながら僕はニキビに話す

('A`)「今日は助かったよ」

( ・∀・)「そうだな。我を崇め讃えよ」

('A`)「アハハ!調子に乗るなよ」

放課後素直さんと教室に残り、学年会の打ち合わせと銘打って雑談をしていたらこんな時間になっていた
最初は何度もどもった。噛んだ。それでも彼女は笑わずに僕との会話を続けてくれた
ニキビに素直さん
相談した相手も良かったのだろう


川 ゚ -゚) 「君はもっと自信を持つべきだ。堂々と話せば周りはそこまで気にしないし、逆におどおどしていたほうが目立つんだ」

いくつかのアドバイスをもらいながら僕は、すこしづつ会話に慣れていった。まだまだ人前で流暢に話すには程遠いが

336 名前:('A`)荒地のようです投稿日:2010/11/22(月) 23:13:51.51 ID:nE9SYaqe0 [16/19]
( ・∀・)「明日からまたやれるか?」

('A`)「もう逃げないよ。頑張れる」

( ・∀・)「一日で見違えたな。さすが俺」

('A`)「今日ばっかりは頭が上がらないな」

( ・∀・)「そうか・・・まぁ今日でお別れなんだけどな」

('A`)「へ?」

( ・∀・)「俺消えるからさ。俺いるとお前馬鹿にされるだろ?せっかくお前が走り出したのに足ひっぱりたくないんだよね」

俺引っ張る手ないけど、なんて軽口を叩くニキビを優しくなでる

('A`)「僕はお前がいたからあんなに頑張れたんだ。頼むよ。もう少し一緒にいてくれないか?」

( ・∀・)「馬鹿かお前。人と会話するなんて当たり前のことで、今日のことは全部自分の力でやったことだろ」

( ・∀・)「だって俺はお前の一部なんだぜ?」

337 名前:('A`)荒地のようです投稿日:2010/11/22(月) 23:14:49.34 ID:nE9SYaqe0 [17/19]

( ・∀・)「これからもお前を見続けるし、お前と話したことも忘れない」

( ・∀・)「楽しかったぞ。お前のニキビでよかった」

('A`)「そんな・・・」

( ・∀・)「後はなんとかやれよ、俺の産みの親」

あ、今のは産みと膿をかけてたんだぜ?という声もだんだん小さくなっていき、最後にはなんの音も発さなくなった

頬に手を伸ばすと、いつものぶつぶつとした感触は無くなっていた

('A`)「くっそ」

お礼、まだ言ってなかったのに

商店街のシャッター通り
一面夕焼けのオレンジの中、僕はつぶやいた

339 名前:('A`)荒地のようです投稿日:2010/11/22(月) 23:16:59.88 ID:nE9SYaqe0 [18/19]
('A`)「おはよう素直さん」

川 ゚ -゚) 「おードクオか。昨日の学年会お疲れ様」

('A`)「素直さんの冷静な進行なかったら僕なにもできなかったけどね」

川 ゚ -゚) 「持ち上げてもなんも出んぞ」

('A`)「別になにも狙ってないよ」

川 ゜ー゜)「フフ、変わったな。君は」

('A`)「そう・・・だね」

340 名前:('A`)荒地のようです投稿日:2010/11/22(月) 23:17:57.52 ID:nE9SYaqe0 [19/19]

ふと頬をなでる

あの後にきびができることはあっても彼が出てくることはなかった
またいつか会えるんだろうか。今度チョコでも大量に食べてみようか

川 ゚ -゚) 「なにニヤニヤしてるんだドクオ」

('A`)「いや、いなくなった友達のことで思い出し笑いが」

川 ゚ -゚) 「なんだ、聞かせてくれよ」

('A`)「えー、ちょっと人には言えない」

川 ゚ -゚) 「一体どんな友達なんだ・・・」

彼の言ったことを信じるならば、小さくて口が悪いけどとても強かった友達はどうやら今も僕の中で眠っているらしい


おわり

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