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無題


766 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします[] 投稿日:2010/09/02(木) 23:07:11 ID:85JUm5i.0 [2/6]
今日はもきんイヴだってのに規制とは
以下
4レス



768 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします[] 投稿日:2010/09/02(木) 23:07:53 ID:85JUm5i.0 [3/6]
 終わらぬ夜などないのだ。
 というのは、俺の好きな漫画の主人公が言う、決め台詞の一つだ。
 背中に背負う大剣を振りかざし、理不尽を振りまく悪を絶つ。
 極寒の時代を、途切れぬ曇り空を、永久の夜を終わらせてきた彼が言うからこそ説得力がある、と俺は思っている。

('A`)(終わらないものなんてない、か)

 八月三十一日。夏休み最後の日。
 そう、終わらぬ休暇などないのだ。

('A`)(いや、例外なんて何にでもあるよ、うん)

 山積みになっている白いレポート用紙。
 全く手がつけられていない夏休みの課題は、終わりそうもなかった。

('A`)「いや、終わらぬ夜などない! 気合入れれば一晩で終わる量だって先生も言ってたしな」

 テーブルの上に散らばるプラモやPCパーツを隅の方に集め、立ち上げていたPCの電源を落として横にどけ、埃を手で払って無理矢理スペースを作る。
 課題一覧と表記された一枚の用紙をぱんと張り、目を通す。
 こういうものはまず簡単なものから終わらせていき、形だけでも良いから数を減らして士気を上げる事が重要なのだ。
 例え最後に面倒なものが残ろうとも、「これを終わらせれば課題すべて完了」ともなればやる気が出る。

('A`)「よし、まずは数学、てめえからだ。教科書の公式集を見れば全部解ける問題ばかりだしな」

lw´‐ _‐ノv「何かをする際に独り言が多くなる奴は、大抵途中で何かしらの理由をつけて投げ出す」

 机に向かい教科書を開くと、同時に背後からつぶやきが飛んでくる。
 振り向くと、英語の教科書を頭に乗せながら正座する隣人の姿があった。

769 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします[] 投稿日:2010/09/02(木) 23:08:47 ID:85JUm5i.0 [4/6]
('A`)「今日はどこから入ってきたんだ」

lw´‐ _‐ノv「昨晩はお楽しみだった」

 昨日遊びにきた時点から彼女が帰宅していない事と、自分の寝顔が犯されたであろう事を知り、持ったばかりのペンを置く。
 どうやっているのか、彼女の頭上でくるくると回転する教科書はまるで俺を嘲笑っているかのようだ。

('A`)「悪いけど、今日は夏休みの課題を終わらせる事に決めたんだ」

lw´‐ _‐ノv「奇遇だな。私も挫折した」

 未来の俺に話しかけるシュー。
 彼女の目には、常人には見えていないものが見えているに違いない。
 その代わり、彼女の目は常人には見えて当然のものが映らないのかもしれない。

('A`)「いや、いけるって。だって数学の課題がこんだけだろ? あと英語の長文和訳がこれだけ。あと読書感想文」

 読書感想文は昔読んだ小説を題材にすれば、新たに本を読む手間が省ける。
 量だけを見れば、本当に一晩どころか数時間で終わりそうな量だった。
 むしろ、量が少ないからこそ、今の今まで先延ばしにしてきたというもの勿論ある。

('A`)「数学の問題はこれらだろ。まじで教科書あればすぐ終わる。英語の和訳だって電子辞書使ってちょちょいって。読書感想文だって」

lw´‐ _‐ノv「つまり、二人で分担すれば瞬殺という訳だな」

 言いながら頭上の教科書を高速回転させる。

('A`)「じゃ、じゃあそれで。テーブルそっち半分使ってくれ」

 やや嵌められた感じはあったが、お互いにメリットが多いのも事実だった。

770 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします[] 投稿日:2010/09/02(木) 23:09:42 ID:85JUm5i.0 [5/6]
 シューが「数学は得意」と胸を張った事もあり、数学は彼女の担当、俺は英語の担当となった。
 ただし、英語は俺も大の苦手だ。

('A`)「あれ、意味が繋がらねえ。あー、ここって確か直訳すると駄目なんだっけ。あー、やばい、教科書教科書。何ページだったっけ」

 俺が教科書をぱらぱらと捲っているうちに、シューはとんでもない速度で問題を解いていく。
 無表情で呼吸音さえ立てずにノートを染めていく様子は気味が悪い。

('A`)「わっかんねー、Fack!」

lw´‐ _‐ノv「Oh,miss spell」

('A`)「え? なんて?」

lw´‐ _‐ノv「I love you」

('A`)「あらびゅー?」

 言うと頬を夕焼け色に染めながら頭上の教科書をぱたんぱたんと開閉させる。

('A`)「なにそれ。英語?」

lw´‐ _‐ノv「数学、終わったぞ」

 ノートを見ると、何の過程もなく答えしか書いていない。
 果たしてこれを写したとして、担当の教師が俺の答えとして受け取ってくれるかどうかあやしい。
 ただでさえ赤点常連組なのだ。

('A`)「悪いけど、過程も書いてくんない……?」

771 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします[] 投稿日:2010/09/02(木) 23:10:44 ID:85JUm5i.0 [6/6]
lw´‐ _‐ノv「家庭?」

('A`)「順序があるだろ。いきなりぱっと出てくるのもおかしいじゃん」

lw´‐ _‐ノv「まあ、確かにそうだな。段階を踏む事は必要だ」

('A`)「それを書いて欲しい」

lw´‐ _‐ノv「……ドクオ。お前も真剣に考えていてくれたんだな。嬉しい」

('A`)「? いや、だって二人のだし」

 シューは両手で顔を挟み、顔を真っ赤にしながら嬉しそうにその場で浮かび上がって回転する。
 回転しながら徐々に高度を上げていき、1mほど浮かび上がったところで止まった。

lw´‐ _‐ノv「今日は記念するべき日だな、ドクオ」

('A`)「? なんかさっきから話が噛み合ってない気がするぞ」

lw´‐ _‐ノv「家庭の話だろう。優先順位くらい私にも分かる。まずはお前のご両親に挨拶だ。子供はそれからでも遅くない」

 顔を覆いながら回転速度を上げるシューを遠い目で見ながら、収拾のつかなくなった空間と、終わりそうもない宿題に俺は絶望した。
 無言でPCを押入れにしまい、部屋を見回して大切なものを鞄の中に放り込んでいく。
 正座状態で回転する起爆装置の誤解(リミッター)を解除(と)く前に、被害を最小限にすべく尽力しなければならない。
 目の前のものを鞄に入れようかどうしようか、スペースと入手難度を天秤にかけながら、吟味しながら、俺は苦笑いを浮かべた。

 

 END

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