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(*゚∀゚)★☆从 ゚∀从 手紙のようです


116 名前:>>115 ありがとう[sage] 投稿日:2010/08/31(火) 01:01:24.02 ID:N6u8EIne0 [2/12]

☆★

私が迷うならば、君は迷う。
君が知らないことは、私も知らない。
私は君なのだから。

埃臭い納屋の中は薄暗く、闇に青が混じっているようだった。
私宛の手紙は、入ってすぐ右にある棚の一番上に五通ある。
手紙はまるで一度も触れていないかのように、真っ白だった。



117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/08/31(火) 01:05:06.01 ID:N6u8EIne0 [3/12]


(*゚∀゚)

「お元気ですか?有りがちな出だしでゴメンなさい
私はと言えば、何も変わらない日々を送っています。
朝に起きて、元気な時は川沿いの道をお散歩して…
そんな日々です。

手紙を出す急な用事があったわけではありませんよ。
ただあなたに出したかったから…そんな理由です。

そういえばね、この前、夢にあなたが出てきました。
夢の中でのあなたは、とても成長していて…
でも頭だけ昔のままなの。黒くて長い髪におさげの三つ編み…。
アンバランスではなくって、とっても可愛いのよ?

久しぶりに会いたいなあ。
そろそろ寝ますね。
またお手紙送ります」

118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/08/31(火) 01:07:02.70 ID:N6u8EIne0 [4/12]
从 ゚∀从

彼女の明るく、優しい性格は文章にまで溢れていた。
今、私の部屋には朝日が射し込んでいて、照明をつける必要がない。
柔くて、ふわふわしたような光。
彼女もそんな人だった。

私は読み終わった手紙を机の右側に置き、左側に積み重ねられた手紙を手に取る。
これも、初めて開く手紙だ。


119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/08/31(火) 01:09:52.09 ID:N6u8EIne0 [5/12]


(*゚∀゚)

「七月九日 晴れ!
暑いです。
通学する小学生は夏になるとどうしてこんなにも元気なのでしょう?
私たちにもそんな日々があったはずなのに。

あの子たちもいつかは、女の子はおめかして、男の子はやり場のない性欲に溢れて…
変化というものは不思議ですね。

そうそう、二人で少し遠出して市営プールに行った事を覚えていますか?
ほら、叔母様にお小遣い貰って…。
嬉しかったな。

帰りはへとへとだったけど、気持よかった。
夕立ちが降って、雨の中キャアキャア言いながら
家に走りこみしたわよね。

叔母様にちょっと怒られたけれど、顔は優しかった。
縁側で食べた西瓜や、蚊取り線香の煙の匂い。
あなたの青いワンピースが鮮やかに見えた。
懐かしいな。

またお手紙送ります」

120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/08/31(火) 01:13:38.95 ID:N6u8EIne0 [6/12]
从 ゚∀从

あれから何が変わったのだろう。
私はおめかしして、性欲を持つ男にうまく馴染めず、だから避けて…。

生きていくことに疲れて、でも生きるしかなくて、
そんな思いの繰り返しを。
あれから私は何を失ったのだろう。

121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/08/31(火) 01:20:28.65 ID:N6u8EIne0 [7/12]


(*゚∀゚)

「ピアノ欲しい!
買って?なんてね。

あなたはピアノが上手だったわね。今も弾いてるのかな?
かくいう私はギターが弾けます!クラシックギターです。
あれからしばらくして始めたのよ。

今はたまにしか弾けないけど、結構上手いのです。ふふん。
いつかはあなたとデュエットしたいね。うふふ。

あなたを雑誌で見かけました。(立ち読み)
とても綺麗で私までうっとりしました。

でもあんまりツンツンした顔しちゃだめよ?
あなたは本当はすごく笑う子なのだし…。
お互い色々あるけど頑張りましょうね。
ではでは!」

从 ゚∀从

コーヒーを淹れて次の手紙を開ける。

122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/08/31(火) 01:24:38.61 ID:N6u8EIne0 [8/12]


(*゚∀゚)

「もしかしたらお手紙が送れなくなるかもしれません。
大丈夫よ?私は元気!

この世界には私にとって大切な物が三つあります。
一つは私の人生。二つはあなた。

三つは…自分の胸にある温かい何か。
これはね、あなたを想ったり、記憶を振り返ったりすると
現れるのよ?

私は幸せです。だからお願い。
自分にも優しくして。
私には分かるのよ。
あなたが引き摺っている物を。

解けないんじゃない。解かないんでしょう?
愛してます」

123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/08/31(火) 01:28:42.06 ID:N6u8EIne0 [9/12]
从 ゚∀从

二つの道があった。

どこまでも姉について行くこと。
姉を…見放すこと。

私は後者を選んだ。

理由など誰にも理解されない。
ただ、朝顔が風に揺れているのを見て、私は姉を見放すことを
決意したのだ。

その日はとても晴れていた。

124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/08/31(火) 01:30:57.01 ID:N6u8EIne0 [10/12]


(*゚∀゚)

「もう私は長くはないのでしょう。
大丈夫!

でも本当は怖い。死にたくないよ。
死にたくない…。

私の大切な妹。あなただけには怖い思いはしてほしくないな。
幸せに生きて、穏やかな日々を…。

この世界にはね、色んな世界があって、人がいる。
優しい人。悪い人。口に出せないようなおぞましい人。
その一人ひとりが世界を持っていて、この巨大な丸いものの上で生きている。

私たちの世界はどうだったかな?
私は幸せ。今も。
あなたが妹で良かった。本当に良かった。

お姉ちゃんより」


125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/08/31(火) 01:33:46.47 ID:N6u8EIne0 [11/12]


从 ゚∀从

「お姉ちゃん。

お手紙の返事を書けなくてごめんね。
見れなかったよ。お姉ちゃんからのお手紙。
ずいぶん遅くなっちゃった。

私はお姉ちゃんに何か出来たかな?
私は生きていいのかな?

よく分からないよ。
でも、信じる。
胸の中にある温かさが、私の心をこんなにも優しく揺らすもの」


(*゚∀゚)★☆从 ゚∀从 手紙のようです


126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/08/31(火) 01:37:27.55 ID:N6u8EIne0 [12/12]
終わりです。
拙い文章ですが、この世界のおはなしです。
クシャクシャの頭の女の子と踊るように揺れる三つ編み。
そんな風景です。

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