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ノパ⊿゚)ひぐらしのようです


77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 01:18:05.49 ID:BadQH0HfO [2/33]


カナカナカナカナカナ…………




「また明日ねー!」

                             「バイバーイ」

         「じゃーなー!」

                        「ただいまー!」

                                  「おかえり。さぁ、手を洗ってらっしゃい」





カナカナカナカナカナ…………

78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 01:19:58.35 ID:BadQH0HfO [3/33]
子供は、ひぐらしの鳴き声が嫌いだ。

ひぐらしが鳴き始めたら、遊びも終わり。
早く家に帰らないと、母親に叱られてしまう。

ある子供は虫かごの虫を放してやっている。
ある子供は釣り竿を片手に自転車に跨っている。
ある子供は泥んこになった顔を拭いもせず、帰り道を急いでいた。
ある子供は友達の家の玄関で名残惜しそうにバイバイを繰り返していた。

ちょっと寂しいけれど、今日一日め一杯遊んで満足だ、といった表情で。


(´・ω・`)「……」


そういう僕も、ひぐらしの鳴き声は嫌いだ。君の事を思い出してしまうから。

でも君は、ひぐらしの鳴き声が好きだったよね。
日が暮れるまで遊んでる君がそんなことを言うなんて、少し意外だったな。

80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 01:21:17.34 ID:BadQH0HfO [4/33]
ひまわりのような笑顔。

男の子に負けないくらい日に焼けた肌。

麦わら帽子からはみ出たポニーテール。

いつも元気な君に僕はいつも振り回されていたよね。



そんな君は僕にとって、夏の太陽よりも眩しい存在だった……。









            【ノパ⊿゚)ひぐらしのようです】






※        ※        ※        ※        ※




81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 01:23:08.31 ID:BadQH0HfO [5/33]
家が隣同士って事もあって、僕と君は仲良しだった。
学校でみんなに冷やかされることも良くあったけど、君はやけに堂々としていたね。


ノハ*゚⊿゚)ノシ「ショボーーーーン!!ラジオ体操行くぞぉぉぉぉぉ!!」


(;´・ω・`)「ひ、ヒーちゃん声が大きいよ」



小学校の頃、夏休みになると、君は毎朝6時に僕を誘いに来たよね。
麦わら帽子を被って、後ろで縛った髪を振りながら。
いつもは寝坊してばっかの君が、なんで夏休みはこんなに早く起きれるのか不思議だったよ。


ノハ*゚⊿゚)「今日は何が貰えるかな。パピコがいいな」


(´・ω・`)「僕はポッキンアイスがいいなぁ」


ラジオ体操の後のお菓子が楽しみだったのもあったろうけど、
きっと君は夏の長い長い一日を朝から堪能したかったんだろうね。

82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 01:25:07.55 ID:BadQH0HfO [6/33]
ノパ⊿゚)「……キャベツ太郎だった」


(´・ω・`)「でも、おいしいよね」


ノパ⊿゚)「……アイスがよかった」


(´・ω・`)「仕方ないよ」



ラジオ体操が終わったら他の地区の友達を誘って、みんなで遊びに行ったよね。

ブーンにドクオにツンちゃんにクーちゃん。
いつもの仲良し6人組。


(*^ω^)「カブトムシ探すお!」


ξ;゚⊿゚)ξ「やーーー!虫はいやーーー!」


川 ゚ -゚)「鬼ごっこにしよう。ドクオ鬼で」


(´・ω・`)「……それ、永遠に終わらないよね」

84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 01:27:14.88 ID:BadQH0HfO [7/33]
ブーンは虫が大好きなんだけど、ツンちゃんは虫が嫌い。
ドクオは運動が苦手で引っ込み思案。
クーちゃんはそんなドクオをからかって遊んでたな。
今ごろみんなどうなってるのかな。



ノハ*゚⊿゚)「サッカーやろう!」


('A`)「……ボールないよ」


(*^ω^)「セミ捕まえに行くお!」


ξ#;⊿;)ξ「やーーーー!!」


川 ゚ -゚)「これでは埒があかないな」


(´・ω・`)「じゃあ山に行く?」

85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 01:29:26.62 ID:BadQH0HfO [8/33]
何して遊ぶか悩んだら、小学校の裏にある山に行ったよね。
山にはいろんな物があったから、子供が遊ぶのには困らなかったもの。

まだ小さかった僕らでも足が届く小さな小川。
いろんな虫が集まるクヌギの木。
6人で遊ぶにはあまりにも広すぎる原っぱ。
名前も知らない不思議な木の実。


あの頃の僕らにとって、あの山は新しい事の宝箱だった。
……そして僕らはいい意味でも悪い意味でも怖いもの知らずだったよね。


( ^ω^)「ドクオ!カブトムシ探すお!」


('A`)「う、うん」


ξ゚⊿゚)ξ「クーちゃん、木の実さがそ?」


川 ゚ -゚)「そうだな。たまにはそういうのもいいだろう」


ノパ⊿゚)「ショボン!探検行くぞ!!」


(´・ω・`)「あんまり遠くに行くのはダメだからね」

87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 01:31:18.82 ID:BadQH0HfO [9/33]
「子供だけで山に行くなんて」

今時の大人はこんな事を言うんだよ。
僕らにとっては、自分の庭みたいなものだったのに。


……でも、僕も自分に子供が出来たら、子供だけで山に行くのは許さないかな。




ノハ*゚⊿゚)ノシ「ショボーーーン!!早く来ないと置いてくぞ!!」


(;´・ω・`)「ヒーちゃんが早すぎるんだよ」



君はいつもいつも僕の前を歩いていたよね。
僕はいつもいつも君の背中を追いかけていたんだ。

黄色い麦わら帽子を被って、そこからポニーテールをのぞかせた君の後ろ姿は、
いつまでたっても僕の脳裏に焼き付いてるよ。

時々振り返り、僕の名を呼ぶ君の笑顔も……ね。

88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 01:34:09.08 ID:BadQH0HfO [10/33]
ノハ*゚⊿゚)「ショボン!ほら!蛇捕まえたぞ!蛇!」


(;´・ω・`)「こ、こっちに近づけないで……ってそれマムシじゃないの!?噛まれたら大変だよ!」


ノパ⊿゚)「噛まれない噛まれない。ショボンは怖がりだなぁ」


(;´・ω・`)「そういう問題じゃないから!!は、早くそれをどっかやって!!」


ノパ3゚)「ぶー……。仕方ないなー……」


(;´-ω-`)「ほっ……」




お腹が空いたら一旦家に帰って、お昼ご飯。
昼ご飯を食べたらまた山に集合して、ひぐらしが鳴き出すまで遊んでいたね。


そういえば、僕らが集合場所にしていた小さな洞穴、まだあそこにあるのかな。


89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 01:36:05.27 ID:BadQH0HfO [11/33]
カナカナカナカナカナ…………


( ´ω`)「おー……。もうひぐらしが鳴き出したお」


('A`)「ブーンはひぐらし嫌いなの……?」


( ^ω^)「セミは好きだお。……でも、ひぐらしが鳴いたら帰らなきゃ行けないから嫌いだお」


(´・ω・`)「僕は……好きだけどな。他のセミと違ってうるさくないし……」


川 ゚ -゚)「そうだな。喧しいだけの他のセミとは違って、哀愁漂う鳴き声がいいんだ」


ξ゚⊿゚)ξ「鳴き声は好きだけどセミは嫌いだな……」


ノハ*゚⊿゚)「私も好きだぞ!ひぐらし!!」


川 ゚ -゚)「ほぉ。意外だな。いつもアブラゼミのように喧しいヒートがそんなこと言うなんて」


ノハ*゚⊿゚)「ひぐらしの鳴き声を聞くと、今日も一日いっぱい遊んだなって気分になるからな!!」

90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 01:38:15.24 ID:BadQH0HfO [12/33]
(´・ω・`)「ふふ……。ヒーちゃんらしいや。じゃ、そろそろ帰ろう?」


ノパ⊿゚)ノシ「みんなまた明日なー!!」


( ^ω^)ノシ「おー」




……帰り道でも、君は僕の前を歩いていたよね。
君が一歩歩たびにポニーテールが左右に揺れて、
僕は揺れる君の髪を自然と目で追ってたんだ。


いつもと同じ帰り道の景色。
次の日も、そのまた次の日も同じ景色を見てるんだろうなと、僕はそう信じていたんだよ?


小学校を卒業して、中学校に入っても。
中学校を卒業して、高校に入っても。
高校を卒業して、大人になっても、ずっと。

ずっと…………。

91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 01:40:26.36 ID:BadQH0HfO [13/33]
今でも後悔してるんだよ?
あの日の事。


いつもと同じ、何の変哲もない夏の日の事を……。





ノハ*゚⊿゚)ノシ「ショボーーーーン!!」



君はいつも通り朝の6時に僕を誘いに来て、一緒にラジオ体操に行ったよね。
その日は雲一つ無い晴天で、朝から随分暑かったなぁ。

ラジオ体操が終わった後に貰ったお菓子は今でも覚えてるよ。

チョコレート味のパピコだったよね。
あの時の君の喜びようといったら。




ノハ*゚⊿゚)「今日もいい天気だパピコがうまい!」


(´・ω・`)「ふふっ。そうだね」

94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 01:42:26.88 ID:BadQH0HfO [14/33]
公園に行くまでの道のりでも、君は僕の前を歩いていたよね。

いつかは君の隣を歩きたい。
まだまだ幼かった僕は、そんなマセた事を考えていたんだよ?
君はそんな僕の気持ちなんてこれっぽっち気づいてくれなかったけどね。


ラジオ体操が終わったら確かギコ達のサッカーに混ぜてもらったよね。
ドクオの迷プレーが続出してみんなで笑ったっけ。



(;^ω^)「ふぃー……。あっちぃお。ドクオ、麦茶ちょうだい」


(;'A`)「ブーンが1人で全部飲んじゃったからもう無いよ!」


(;^ω^)「そ、そんな……」


(´・ω・`)「もうお昼だし、一回家に帰ろう?」


ξ゚⊿゚)ξ「さんせー!」

96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 01:44:23.99 ID:BadQH0HfO [15/33]
( ^ω^)「午後はどこで遊ぶお?」


ノパ⊿゚)「山行こう!山!!」


川 ゚ -゚)「そうだな。あそこなら少しは涼しいし」


(´・ω・`)「じゃあ、お昼ご飯食べたらいつもの場所で」


( ^ω^)「了解お!」


ξ゚⊿゚)ξノシ「またあとでねー!」


ノハ*゚⊿゚)ノシ「おーーー!」




その日は僕の両親が出かけてて、お昼ご飯は君の家でご馳走になったよね。
そうめんにネギを入れるかどうかで君とちょっと言い争ったっけ。

結局いつも通り僕が折れて、そうめんにネギを入れることは叶わなかったけど。

97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 01:46:44.88 ID:BadQH0HfO [16/33]
そして午後、いつも通りいつもの場所にいつものメンバーで集まって。

そのままいつものように遊んでいつもみたいにひぐらしが鳴いたら帰るのだろうと、
みんな疑いもなくそう思っていたろうね。

僕も、君自身も。



( ^ω^)「虫取り競争するお!」


ξ#゚⊿゚)ξ「やーーー!」


川 ゚ -゚)「ツンは私とドクオと一緒に木の実集めでもしないか?」


ξ*゚⊿゚)ξ「うん!」


( ^ω^)「じゃあヒートとショボンとブーンでやるお!」


(´・ω・`)「いいけど……競争って何を競うの?」

98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 01:48:31.01 ID:BadQH0HfO [17/33]
( ^ω^)「一番でっかい虫を捕まえた人が一番だお!」


ノハ*゚⊿゚)「わかりやすいな!じゃあ行くぞ!ショボン!」


(;´・ω・`)「えっ!?あっ、ま、待ってよヒーちゃん!」



勝負事になると、君はすぐにまわりが見えなくなっちゃうんだ。
そういう僕も興奮していたのか、空が暗くなってきたのに気づかなかったけどね。


ノハ*゚⊿゚)「ブーンには絶対負けないぞ!」


(;´・ω・`)「ま、待って!ヒーちゃん早いよ!!」


ノハ*゚⊿゚)「おぉっ!でっけートンボ!!待てぇぇぇぇぇぇ!!」


(;´・ω・`)「ちょ、ちょっとヒーちゃん!?」

99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 01:50:18.08 ID:BadQH0HfO [18/33]
いつも見ていた君の後ろ姿がどんどん小さくなってって、
僕は君の背中を必死に追いかけて、でも追いつけなくて。

あの時、僕がどれだけ不安になったかわかるかい?

君がどこかに行ってしまいそうな気がして、
僕が1人でおいて行かれてしまうような気がして。


(;´・ω・`)「ヒーちゃーーーん!!待ってよーーー!!」


必死に叫んだけれども、僕の声は君には届かなかった。
何度も叫んだけれども、君は僕のもとへ来てくれなかった。


(;´・ω・`)「あ……雨……」


あの時君に僕の声が届いていれば。

あの時雨に構わず君の事を追いかけていれば。




いつまでたっても後悔は消えない。

101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 01:52:07.19 ID:BadQH0HfO [19/33]
ザーーーーーー……


(;^ω^)「おー……突然降りだしたお」


ξ;゚⊿゚)ξ「ビショビショ気持ち悪ーい」


川 ゚ -゚)「脱ぐか」


(*'A`)「……」


川 ゚ -゚)「嘘だ」


('A`)「……」






(´・ω・`)「…………」

102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 01:54:01.41 ID:BadQH0HfO [20/33]
いつもの洞穴に戻って雨宿りしている間も、僕はずっと君の事を考えてた。



どこで雨宿りしてるのかな

雷が怖いと泣いていないかな

この雨の中迷子になっていないかな




君の事で頭がいっぱいで、夕立が過ぎるまでの時間が嫌に長く感じられたよ。

30分……いや、もしかしたら20分程度だったかもしれない。
僕にはその時間が永遠に続くんじゃないかと思うくらい長く思えたんだ。



( ^ω^)「お、止んできたお」


(;´・ω・`)「!」


103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 01:56:03.27 ID:BadQH0HfO [21/33]
雨が止んだら、僕は真っ先に洞穴から飛び出して、君の姿を探したんだ。
ヌルヌルの地面に、何度も足を取られながら、
君の背中が見えなくなった場所まで走っていった。


(;´・ω・`)「ヒーちゃーーーーん!!」


雨のせいで、君の足跡なんて残ってなかった。
僕は君の名前を何度も呼んだけど、君からの返事は全くなかった。



(;´・ω・`)「あ……」



途中、小川のある場所に出たけど、そこはいつもの静かな川じゃなかった。
雨のせいで増水して、流れもいつもより急になっていて、
とてもじゃないけど歩いて渡れるようには見えなかったよ。


その時、すごい嫌な予感がしたんだ。
お腹の中身がひっくり返って口から出てくるような、嫌な感じ。

105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 01:57:57.61 ID:BadQH0HfO [22/33]
(;'A`)「あ……ショボン、いた……」



(;´・ω・`)「…………」



(;'A`)「そこにいると、危ないよ。ヒーちゃんだってそこから先には行ってないでしょ……」



(;´・ω・`)「…………」



(;'A`)「一回、戻ろう?もしかしたらヒーちゃんも家に帰ってるかもしれないよ?」



(;´・ω・`)「…………うん」

107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 01:59:31.64 ID:BadQH0HfO [23/33]
僕はしぶしぶ山を下りた。
田んぼの横の用水路も雨のせいで水が溢れてて、
それがまた僕を嫌な気分にさせたんだ。


案の定、君は家に帰ってなくて、僕はみんなの制止も聞かずに1人で山に戻った。


その頃にはもう、ひぐらしが鳴いていた。



カナカナカナカナカナ……


(;´・ω・`)「ヒーちゃーーーーん!!」



カナカナカナカナカナ……


(;´>ω<`)「ヒぃーちゃぁぁーーーーん!!!」



カナカナカナカナカナ……


(;´ ω `)「ヒぃ゙ぃーちゃぁ゙ぁ゙ーーーーーん!!!」

108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 02:01:20.89 ID:BadQH0HfO [24/33]
カナカナカナカナカナ……


               カナカナカナカナカナ……                  カナカナカナカナカナ……


                          カナカナカナカナカナ……


    カナカナカナカナカナ……                        カナカナカナカナカナ……


                            カナカナカナカナカナ……        カナカナカナカナカナ……


              (´;ω;`)「ヒぃ゙ぃ゙ーちゃぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ーーーーーーん!!!」


           カナカナカナカナカナ……                   カナカナカナカナカナ……


カナカナカナカナカナ……                カナカナカナカナカナ……


                                      カナカナカナカナカナ……


               カナカナカナカナカナ……

110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 02:03:21.29 ID:BadQH0HfO [25/33]
※        ※        ※        ※        ※


カナカナカナカナカナ……


(´・ω・`)「……ヒーちゃん」



立ち並ぶ墓石の中でも、一際小さな墓石の前に、花とジュースを供えた。
……結局あの後僕は事情を聞いた村の人に捕まって、無理矢理家に帰されたんだっけ。

次の日も、大人達は朝から山で君を探して、僕ら子供は家から出るなと釘をさされて。


(´・ω・`)「あれから、随分経ったね」


君が見つかったのは、君がいなくなってから3日後の事だったよね。
あの川の行き着く先……山の麓にある池の中で、一緒に流された土砂に埋もれて……。

君の遺体を見ることが許されなかった理由は、今ならわかる。
……でも、せめて最期に君の顔に向かってきちんとお別れしたかったのも確かだよ。

112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 02:05:22.72 ID:BadQH0HfO [26/33]
葬式の時、みんな顔をぐしゃぐしゃにして泣いてたよね。
あのクーちゃんがあんなに取り乱すなんて、信じられなかったなぁ。


(´・ω・`)「もう10年か……」


でも葬式の時、僕は涙が出なかった。

信じられなかったんだ。
ついこの前まで僕に向かって笑いかけてくれた君が
麦わら帽子を被って、ポニーテールを揺らし、僕の前を歩いていた君が

突然、いなくなってしまうなんて。



それから間もなく僕は父親の仕事の都合で、東京へ引っ越した。
君が死んでしまったことで、脱け殻になった僕にはちょうどよかったのかもしれない。


あの時、君を探して走り回ってる時に聞こえたひぐらしの鳴き声。
あれが僕を責めているように思えて、怖かったんだ。

東京へ引っ越すまで、ひぐらしの鳴き声を聞くたびに僕は胸が苦しくなって、
思わず戻してしまうくらいだったのだから。



114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 02:07:37.54 ID:BadQH0HfO [27/33]
カナカナカナカナカナ……


(´・ω・`)「聞こえる?ひぐらしが鳴いてるよ」


(´・ω・`)「僕の住んでる町にはね、ひぐらしがいないんだ」


(´・ω・`)「……」


(´・ω・`)「ねぇ、ヒーちゃん。……僕はまだ、君が死んだ事を受け入れられないみたいなんだ」


(´・ω・`)「君がもうこの世にはいないと頭ではわかってるはずなのに、気が付いたら君のことを探してるんだ」


(´・ω・`)「笑っちゃうよね。東京に君がいるはずないのに」


(´・ω・`)「ポニーテールの子を見つけたら、ついつい目で追っちゃうんだ」


(´・ω・`)「ふふっ……。おかげで高校ではポニテ好きの男だって誤解をされちゃったよ」

115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 02:10:00.69 ID:BadQH0HfO [28/33]
(´・ω・`)「……」


('A`)「……挨拶は終わったか?」


(´・ω・`)「……うん」



突然、背後から声を掛けられた。
振り返らなくても誰かはわかった。

声が随分低くなっているが、ドクオだろう。



( ^ω^)「おっおっ。ショボ眉が昔のまんまだから、すぐわかったお。昔とほとんど変わってないお」


ξ゚⊿゚)ξ「身長は随分伸びたみたいだけどね」


川 ゚ -゚)「いや、少しは男らしくなったんじゃないか?」


(´・ω・`)「みんな……」

116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 02:11:46.70 ID:BadQH0HfO [29/33]
( ^ω^)ノ「おいすー。久しぶりだお」


川 ゚ -゚)「まさか墓地で同窓会とはな」


ξ-⊿-)ξ「不謹慎な事を言わない。同窓会は後でやりましょう」


(´・ω・`)「ふふっ。みんなも変わってないね」


川 ゚ -゚)「そうか?ツンは変わってないが私は随分成長したと……」


ξ#゚⊿゚)ξ「どこの話かしら?」


(;'A`)「ツン、抑えて……」



……みんながここに集まったのは偶然ではない。
今日僕がここにやって来たのは、ブーンの手紙が理由だった。

118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 02:14:17.13 ID:BadQH0HfO [30/33]
この村は来月には取り壊され、ダムが作られる事が決定した。
村にいるお年寄りは必死に反対したらしいのだが、最終的には首を縦に振らざるを得なかったようだ。

だから、キチンと彼女にお別れを言いにこの村へやってきたのだ。


( ^ω^)「……もう、いいのかお?」


(´・ω・`)「うん」


('A`)「……全く。俺たちの大切なものは全部水のせいで無くなってくな」


(´・ω・`)「無くならないよ……。ずっと」


ξ゚⊿゚)ξ「……そうよ。ずっと私たちの心の中に在るんだから。……この村も、ヒートも」


川 ゚ー゚)「……ふっ。さぁ、辛気臭い話は終わりにして、どこかで食事でもしようじゃないか。
久しぶりの再会をみんなで祝おうじゃないか」


119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 02:16:37.93 ID:BadQH0HfO [31/33]
「どこ行くお?この田舎に料理屋なんてないお?」


「仕方ないな。ドクオの家でいいか」

「俺の家かよ!?」


「ほら、適当に食材買ってこい」


「了解だお!」

「ちょ、俺の意見は!?」


「いいじゃない。減るものじゃあるまいし」


「それとも、私たちに見られたら困るものでもあるのか?」


「それは……その……」




(´・ω・`)「…………」

121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 02:18:40.91 ID:BadQH0HfO [32/33]
カナカナカナカナカナ…………


(´・ω・`)「……」


ひぐらしの鳴き声は嫌いだ。
君の事を思い出してしまうから。


でも、君との思い出に浸るのは好きだ。


目を閉じれば、ほら


麦わら帽子の下からポニーテールを覗かせる君の後ろ姿

振り返った君は太陽のような笑顔で―――


ノハ*^⊿^)『ショボン!いつまでも暗い顔してるなよ!!』



~ノパ⊿゚)ひぐらしのようです おわり~

124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 02:24:18.69 ID:BadQH0HfO [33/33]
以上

安価は>>77-78>>80-82>>84-85>>87-91>>94>>96-99>>101-103>>105>>107-108>>110>>112>>114-116>>118-119>>121

お題は
・ひぐらし
・ポニーテール


辛口批評募集中です

>>122
ジャスト30レスだと思ったけど……数え間違えでしょうかね。ごめんなさい

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