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ダンス・ウィズ・道祖神のようです


655 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします[] 投稿日:2010/08/07(土) 03:30:22 ID:/2J7h46.O [1/14]
真夜中ですね~
投下します


  .,、
 (i,)
  |_|

656 名前:ダンス・ウィズ・道祖神のようです[] 投稿日:2010/08/07(土) 03:33:47 ID:/2J7h46.O [2/14]

部屋中に置かれた道祖神と行方不明のその部屋の主。

そのニュースを覚えていたのは、単に奇妙な一件だったからだ。

けれど僕の部屋に道祖神が突然現れなければ、二度と思い出すことはなかっただろう。


(;'A`)「なにこれ……」

暑さで目が覚めた僕は、目の前の我が家の状況に困惑した。

部屋中に無造作に大小の石碑が置かれている。

('A`)「まさかここ、呪いの部屋なのか」

最近この町に越してきたばかりなのだ。早速超常現象の歓迎会なんて運が悪すぎる。


657 名前:ダンス・ウィズ・道祖神のようです[] 投稿日:2010/08/07(土) 03:35:36 ID:/2J7h46.O [3/14]

改めて石碑を見る。
人物が彫られたものや綱を巻かれたもの。
膝下ぐらいの高さのものから両手に収まる大きさのものまで様々だ。

文字が刻まれたものには、道祖神と彫ってある。

('A`)「道祖神って確か、交通安全とか町を守ってる神さまだよな」

('A`)「ん?」

('A`)「ってことはむしろラッキーなんじゃ……」

町の守り神がこの部屋に集結したのだ、これからは強運に恵まれるのかもしれない。

そうハッピーな気分に成りかけていた瞬間だった。

押し入れからごとん、と嫌な音が聞こえた。

658 名前:ダンス・ウィズ・道祖神のようです[] 投稿日:2010/08/07(土) 03:38:10 ID:/2J7h46.O [4/14]

(;'A`)「なんなんだよ……」

布団を這い出て、部屋に散らばる道祖神を避けながら押し入れの前まで歩く。

もう音は聞こえない。
戸のふちを掴み、恐る恐る押し入れを開ける。

('A`)「……」

押し入れの中には、やはり道祖神があった。

適当に積み重ねたように置かれた数十の道祖神。
先程の音は軽く崩れた音だったのだろう。

なんだか急に薄気味悪くなってきた。

百体近くの道祖神が何故、朝起きたら部屋に置かれているのだろう。

659 名前:ダンス・ウィズ・道祖神のようです[] 投稿日:2010/08/07(土) 03:40:02 ID:/2J7h46.O [5/14]

('A`)「これどうしよう……」

苔の付いた石碑を部屋の隅に移動させている時だった。

ベルが引っ越して以来初の来客を告げる。

('A`)「また道祖神が置かれてたりして……」

悪い想像を打ち払い玄関に向かう。

('A`)「今開けます」

玄関を開けた先には、やたら目の細い女が立っていた。

lw´‐ _‐ノv「……」

宗教の勧誘でも何でも、とにかく道祖神じゃなくて僕はホッとしていた。

660 名前:ダンス・ウィズ・道祖神のようです[] 投稿日:2010/08/07(土) 03:43:20 ID:/2J7h46.O [6/14]

('A`)「どちらさま?」

lw´‐ _‐ノv「あ、舞踏研究家の者です」

('A`)「はぁ……」

lw´‐ _‐ノv「上がってもいいですか?」

舞踏研究家なんて僕と何の関係があるのだ。親戚にもそんな者はいない。

相手は胡散臭い上に、実際部屋は大変な事になっている。
僕は帰ってもらう旨を伝えようとした。

('A`)「いや、今ちょっと散らかってて……」

lw´‐ _‐ノv「道祖神が、ですか」

('A`)「……」

661 名前:ダンス・ウィズ・道祖神のようです[] 投稿日:2010/08/07(土) 03:45:42 ID:/2J7h46.O [7/14]

白の古風な浴衣に、真っ直ぐな黒髪。やはり目は開いているのか閉じているのか分からない。

何故この人が僕の部屋に溢れかえる道祖神を知っているのだろうか。
一瞬ぞおおおっと冷や汗が流れる。

しかしまさか笑い物にしようと悪戯を仕掛けたのではと思うと、逆に怒りがこみ上げてきた。

('A`)「部屋に石碑なんか置いたのあんた?」

lw´‐ _‐ノv「いえ、違います」

lw´‐ _‐ノv「事情を説明したいので上がらせて下さい」

('A`)「……」

有無を言わせぬ態度に負け、僕は部屋に彼女を案内した。

662 名前:ダンス・ウィズ・道祖神のようです[] 投稿日:2010/08/07(土) 03:48:47 ID:/2J7h46.O [8/14]

謎の舞踏家は座布団に座って周りの道祖神を眺めだす。

lw´‐ _‐ノv「いやー落ち着きますね」

僕としては、この状況のどこに落ち着きポイントを見いだせばいいのか分からない。

彼女の言動がおかしいのは承知の上で改めて質問する。

('A`)「それより、これはどういうこと?」

lw´‐ _‐ノv「実は私、舞踏研究家は舞踏研究家でも……」

lw´‐ _‐ノv「道祖神ダンス研究家なのです」

('A`)「……は?」

全然要領を得ない回答に思わず肩の力が抜けた。
思ったより事態は緩いのかも知れない。

663 名前:ダンス・ウィズ・道祖神のようです[] 投稿日:2010/08/07(土) 03:50:22 ID:/2J7h46.O [9/14]

lw´‐ _‐ノv「現代、道祖神ダンスを知る者は多くありません」

lw´‐ _‐ノv「道祖神ダンスを後世に伝えていってほしいのです」

('A`)「いや、部屋に現れたこの道祖神は?」

lw´‐ _‐ノv「選ばれました」

('A`)「道祖神に?」

lw´‐ _‐ノv「道祖神に」

道祖神ダンスを伝えるために、道祖神に選ばれ部屋中に道祖神が現れる。

なんて間抜けな状況なんだろうか。事の次第に一喜一憂していた自分が馬鹿みたいだ。

lw´‐ _‐ノv「踊ってくれますか?」

もう、さっさと済ませて帰ってもらおう。

664 名前:ダンス・ウィズ・道祖神のようです[] 投稿日:2010/08/07(土) 03:52:18 ID:/2J7h46.O [10/14]

('A`)「わかった、どうすりゃいいの?」

lw´‐ _‐ノv「まずは、この道祖神の粉を飲んで下さい」

lw´‐ _‐ノv「緊張がほぐされます」

紙に包まれた灰色の粉末を渡される。じつに体に悪そうな色合いだ。

('A`)「……腹壊したりしない?」

lw´‐ _‐ノv「さあ……」

分からないのかよ、と思いつつコップに水を汲んで粉末を一緒に飲み込む。
味もなく体調にも変化はない。

lw´‐ _‐ノv「じゃあ、私の真似をして踊って下さい」

('A`)「はぁ……」

立ち上がった彼女が踊り出す。
それは何とも形容し難いが、盆踊りに似た型の見たことの無いダンスだった。

665 名前:ダンス・ウィズ・道祖神のようです[] 投稿日:2010/08/07(土) 03:56:07 ID:/2J7h46.O [11/14]

lw´‐ _‐ノv「いちにーそれそれ」

lw´‐ _‐ノv「さんしの、はい」

妙な掛け声に合わせて彼女と同じように動く。次第に気持ちがよくなってきた。

('A`)「ああ、凄く」

('A`)「ハッピーだ」

先ほど飲んだ薬のせいなのだろうか。

このまま一生踊っていたいと思うような多幸感が体を突き抜ける。

lw´‐ _‐ノv「いちにーそれそれ」

lw´‐ _‐ノv「さんしの、はい」

666 名前:ダンス・ウィズ・道祖神のようです[] 投稿日:2010/08/07(土) 03:58:21 ID:/2J7h46.O [12/14]

どれだけの間踊っていたのか時間が分からない。脚の感覚も無くなってきたような気がする。

('A`)「いちにーそれそれ」

('A`)「さんしの、はい」

しばらくして僕は脚が動いていないことに気付いた。

('A`)「ああ、」

それでも、踊りは止めたくはない。上半身を一層激しく揺らす。

あの女の人はいつの間にか床に座ってこちらを見ている。

lw´‐ _‐ノv「もう少しですね、頑張って下さい」

667 名前:ダンス・ウィズ・道祖神のようです[] 投稿日:2010/08/07(土) 04:03:22 ID:/2J7h46.O [13/14]

何がもう少しなのだろう。少しずつ体が重くなってきてるような気がする。

('A`)「いちにーそれそれ」

('A`)「さんしの、はい」

lw´‐ _‐ノv「道祖神は町の守り神なんです」

唇を開くのも面倒になってきた。溶ける意識の中で僕は飛ぶように踊っている。

('A`)「いちにーそれそれ」

('A`)「さんしの……」

lw´‐ _‐ノv「けれど、道祖神もタダで町を守っていると思いますか?」

('A`)「……」

もはや口を開くことすら出来ないが、踊りながら死ねるのは本望にすら思えていた。

そして僕は、あの奇妙なニュースの結末を知った。


おわり


668 名前: ◆O0krtulOz.[] 投稿日:2010/08/07(土) 04:09:21 ID:/2J7h46.O [14/14]
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眠いとダメですね、ありがとうございました。
お話し楽しみにしています。



  (
   )
  i  フッ
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