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(,,゚Д゚)は息子にとってヒーローのようです


470 名前:(,,゚Д゚)は息子にとってヒーローのようです[] 投稿日:2010/05/10(月) 20:41:09.17 ID:AIoV7QLH0


(,,゚Д゚)「今日もいっちょやってやるぞ。ゴラァ!」

ボクの父さんはいつだって勇敢だった。
どんなレーサーもブレーキを踏むカーブにだって立ち向かう。

ボクは、そんな父さんを、本当に尊敬してたんだ。

(,,゚Д゚)「また失敗しちまったぜー」

どれほど、弱くても。



473 名前:(,,゚Д゚)は息子にとってヒーローのようです[] 投稿日:2010/05/10(月) 20:44:39.71 ID:AIoV7QLH0

父さんは格好いい。
母さんは愛想をつかせて出て行っちゃったけど。

(,,゚Д゚)「いつもすまんな……」

謝る必要なんてないのに。
賞金がもらえなくて、怪我ばっかりして、ろくにご飯が食べれなくなって、
ボクは平気なんだ。父さんがまっすぐ走ってくれるから。

(,,゚Д゚)「オレが嫌になったら、母さんのところに――」

そんなこと言わないで。
それ以上の言葉を言わせないように抱きつくと、父さんはボクを抱きしめてくれる。

暖かい体温が心地いい。
やっぱりボクは父さんが大好きだ。

きっと母さんはボク知らない男の人と仲良くやってるよ。
だからボクは父さんの傍にいる。


これでおあいこだね。



475 名前:(,,゚Д゚)は息子にとってヒーローのようです[] 投稿日:2010/05/10(月) 20:47:22.27 ID:AIoV7QLH0

ボクは学校へ行かずに働く。
それを悪いことだと言う人はいない。

可哀想だね。同情するよ。
こんな言葉ばかり投げられる。

可哀想なのはあなた達なのに。
あんな素敵な父さんがいないなんて、なんて不幸なんだろうか。


( ^Д^)「ほら。今月は給金を弾んでおいたぞ」


親方はいい人だ。
いつも笑顔だし、優しい。

ボクが本当に幸せだって知ってくれてる。

( ^Д^)「金がないと、父さんの怪我も治らねーぞ?」

いつもありがとう。



476 名前:(,,゚Д゚)は息子にとってヒーローのようです[] 投稿日:2010/05/10(月) 20:50:09.71 ID:AIoV7QLH0

ボクの稼いだお金で父さんは怪我を治す。

(,,゚Д゚)「今度こそ、賞金をとってくるからな」

賞金なんてなくてもいいんだよ。
今だって、十分に生きていけてるじゃない。

幸せだよ。


(,,゚Д゚)「いーや。お前はもっと、もっと幸せになる」


父さんがボクを抱き上げる。
こんなに力のある父さんはそうそういない。
やっぱりボクは父さんを尊敬してる。

(,, Д )「ああ、でも……もしも、もしも――」

何を言いたかったの?
どうして言ってくれなかったの?


478 名前:(,,゚Д゚)は息子にとってヒーローのようです[] 投稿日:2010/05/10(月) 20:53:00.23 ID:AIoV7QLH0


(,,゚Д゚)「オレはどんな道だって、アクセルを踏み続ける!」


最近の父さんはお酒くさい。
近くの酒場では評判だ。

ξ゚⊿゚)ξ「ギコさん! 一気、一気!」

('A`)「命知らずな飲み方を見せてくれ!」


(,,*゚Д゚)「任せとけぇぇ!」


ねえ、父さん。
それは違うよ。

お酒じゃボクは父さんを尊敬できないよ。

アクセルを踏んでよ。
まっすぐ走ってよ。



480 名前:(,,゚Д゚)は息子にとってヒーローのようです[] 投稿日:2010/05/10(月) 20:56:08.24 ID:AIoV7QLH0

ボクは働く。
父さんは飲む。

ボクが働く。
父さんが酒を買う。


(,,゚Д゚)「優勝だぁぁ!」


ありもしない幻想を父さんは見る。

今、ボクは幸せじゃない。


(,,゚Д゚)「何だ? そんなしけた面してー」


父さん。
もうお酒につかうお金なんてないんだよ。

だから、ほら。
今すぐレースに行こうよ。


(,,゚Д゚)「金ならあるじゃねーか」



481 名前:(,,゚Д゚)は息子にとってヒーローのようです[] 投稿日:2010/05/10(月) 20:59:05.80 ID:AIoV7QLH0

違う。違うよ。
これはレースに出るための、
車を整備するための、お金だよ。


(,,゚Д゚)「どうせオレじゃ優勝なんて無理なんだ。
     なあ、それなら治療費がいらないぶん、
     こうしてる方がマシってもんだろ?」


そんなことないよ。
ボクは走ってる父さんが好きなんだ。


(,,゚Д゚)「周りの奴らも言ってる。もうやめちまえってな」


周りなんて気にしなければいい。
お願い。わかってよ。


(,,゚Д゚)「まっ、とにかく飲もうや」


わかったよ。


483 名前:(,,゚Д゚)は息子にとってヒーローのようです[] 投稿日:2010/05/10(月) 21:01:26.45 ID:AIoV7QLH0

アルコールがあればいいんだ。
でも、お金はないんだ。

ボクの持ってるお金は、父さんの、
レーサーの父さんのためのお金だ。


川 ゚ -゚)「また親父さんが怪我をしたのか?」


お姉さんは父さんが今、どんな風になっているか知らないのだろうか。


川 ゚ -゚)「ああ、わかった。少しだけおまけしてあげよう」


お姉さんから品物をもらって、家に帰る。
この町にはいい人が多い。


486 名前:(,,゚Д゚)は息子にとってヒーローのようです[] 投稿日:2010/05/10(月) 21:04:38.83 ID:AIoV7QLH0


(,,゚Д゚)「おお、すまないな」

いいんだよ。
ボクのためなんだから。

差し出した瓶を受け取り、一気に飲む。
ここにはボクしかいないんだから、ゆっくり飲めばいいのに。

それにしても、よくあんな物が飲めるなぁ。
きっと、舌が馬鹿になってしまったんだ。


(,,゚Д゚)「お前は幸せになれよ」


ボクが幸せになるために必要なものが、消えてしまったんだよ。



ああ、母さん。
あなたは今ごろどうしていますか?



491 名前:(,,゚Д゚)は息子にとってヒーローのようです[] 投稿日:2010/05/10(月) 21:07:18.45 ID:AIoV7QLH0





(,, Д )



さようなら父さん。






493 名前:(,,゚Д゚)は息子にとってヒーローのようです[] 投稿日:2010/05/10(月) 21:10:11.03 ID:AIoV7QLH0


ボクはいつもと同じように働く。
時々、酒場にきてねという伝言を預かった。

みんなは知らないんだ。父さんがいないことを。

家に帰ると、相変わらず父さんは眠っている。
隣に置いてあった、コップが倒れて中身がこぼれていた。


掃除するのはボクなのに。


見れば、こぼれた中身を飲んだシマリスが倒れている。
こんな物を飲んではいけないとわからなかったのかな。


シマリスを掴み、外へ行く。
獣医さんに見せるお金はないから、玄関にそっと置いておく。

この町の人は優しいから、きっと手当をしてもらえるだろう。


家に帰るとお姉さんがいた。


川 ゚ -゚)「一人になってしまったね」



494 名前:(,,゚Д゚)は息子にとってヒーローのようです[] 投稿日:2010/05/10(月) 21:13:18.19 ID:AIoV7QLH0

何気ない言葉がボクに突き刺さる。


ボクは一人だ。


当然だ。だってボクがさようならを言ったんだから。

川 ゚ -゚)「君は以前、父さんがいるから幸せだと言っていた」


そう。ボクは父さんがいればよかった。
弱いけど、命知らずなレーサーがいればよかったんだ。


川 ゚ -゚)「ならば、もう二度と君は幸せになれないな」


ボクはどんな顔をしていたのかな。
気がつけばお姉さんに優しく抱きしめられていた。



497 名前:(,,゚Д゚)は息子にとってヒーローのようです[] 投稿日:2010/05/10(月) 21:16:19.30 ID:AIoV7QLH0



川 ゚ -゚)「可哀想に」



( ;∀;)


ごめんなさい。ごめんなさい。
お父さんを殺したのはボクなんです。

レーサーじゃないお父さんにさようならを言いたかったんです。
だから、可哀想な子になってもしかたないんです。

同情しないでください。
ボクにそんな価値はないんです。

ボクは、自分の手で、ヒーローを殺してしまったんです。



499 名前:(,,゚Д゚)は息子にとってヒーローのようです[] 投稿日:2010/05/10(月) 21:19:21.21 ID:AIoV7QLH0

川 ゚ -゚)「私のところにこないか?」

( ・∀・)「え?」


お姉さんはボクの目を見て言う。

川 ゚ -゚)「幸い、私は一人暮らしだ。
     君のお父さんは蒸発したとでも言えばいい」

( ・∀・)「でも……」

川 ゚ -゚)「私は君に幸せになってほしい」

( ・∀・)「お姉さんの迷惑になるよ」

川 ゚ -゚)「一人は誰だって嫌なものさ」

( ・∀・)「二人で幸せになるの?」

川 ゚ -゚)「ああ」

( ・∀・)「…………」


502 名前:(,,゚Д゚)は息子にとってヒーローのようです[] 投稿日:2010/05/10(月) 21:22:16.39 ID:AIoV7QLH0





なんて素敵な話なんだろう。



ボクは消毒液の匂いが充満する部屋の中で、
小さくうなずいた。





503 名前:(,,゚Д゚)は息子にとってヒーローのようです[] 投稿日:2010/05/10(月) 21:25:10.55 ID:AIoV7QLH0


( -∀-)

川*゚ -゚)「可愛い寝顔だ」


川 ゚ -゚)「……それにしても、馬鹿な子だ」


川 - )「消毒液を飲んだところで死にはしないさ」


( -∀・)

川 ゚ -゚)「おや。獣医さんの張り紙だ」


【毒を誤って口にしたシマリスが当病院の前に放置されていました。
 ペットを放し飼いにしている方はお気をつけください。】


川 ゚ー゚)「怖い怖い。一体どこで毒なんて口にしたんだろうなぁ」


( ・∀・)



508 名前:(,,゚Д゚)は息子にとってヒーローのようです[] 投稿日:2010/05/10(月) 21:28:36.43 ID:AIoV7QLH0


(,, Д )「ああ、でも……もしも、もしも――」

 ――オレが死んでお前を一人にしてしまったら――

   ――そうなるくらいなら、オレはレーサーじゃなくなっていい――



ξ゚⊿゚)ξ「最近、ギコさんこないわね」

('A`)「せっかく、いい仕事見つかったのにな」

ξ゚⊿゚)ξ「まっ、酒に溺れ気味だったし、丁度いいかもね」

('A`)「そう言うなって。
  あれだろ? 仕事の付き合いができるように、
    特訓するんだー。ってやつだろ?」

ξ゚⊿゚)ξ「それにしたって飲みすぎなのよ。あのままだと本当にダメになっちゃうわ」




川 ー )(;∀; )




509 名前:(,,゚Д゚)は息子にとってヒーローのようです[] 投稿日:2010/05/10(月) 21:30:22.58 ID:AIoV7QLH0

以上で終了です。
夜に暗いものをお見せしてすみませんでした。

何かありましたらどうぞ。


お題

死にかけのシマリス
命知らずの雑魚レーサー
消毒液飲み過ぎて死んだ親父

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