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('A`)シベリアキョセイクラブのようです

161 名前:('A`)シベリアキョセイクラブのようです ◆Ai.p5y3NWQ [] 投稿日:2010/03/14(日) 00:29:05 発信元:123.221.192.183
3ー5回に分けて投下。

166 名前:('A`)シベリアキョセイクラブのようです[] 投稿日:2010/03/14(日) 00:34:05 発信元:123.221.192.183
世の中にフェミニストと呼ばれる人々がいる。

女性の地位向上を目指し、男性優位の社会に物申す人々だ。
しかしフェミニストの団体は数あれど、こんな激しい団体名をもったフェミニスト集団はいないだろう。

「シベリアキョセイクラブ」

この過激団体の目的はこうだ。

「我々は、人の姿をした猛獣に他ならない男性の誇りを奪い去り、女性の手下とすることを目的とする。

これはシベリアの制圧からはじまり、ソヴィエト連邦全土、また世界同時革命とともに完遂される。

我々の闘争は新世代の仮借なき階級闘争である」 宣誓ー19XX年、X月


こんなことを宣言したら、いくら辺境であるシベリアといえどもクレムリンの目を免れ得まい。
だが実際にはクレムリンどころか、村役場でさえ関知しなかった。

男性の誇りを奪う儀式を彼女らは「キョセイ」と読んでいた。
陽気の良い午後の昼下がり、このシベリアの片隅で今日も陰惨なキョセイが行われようとしていた。

168 名前:('A`)シベリアキョセイクラブのようです[] 投稿日:2010/03/14(日) 00:36:47 発信元:123.221.192.183
彼女達のアジトから、ものすごい勢いで出て行く何者かがいた。

ξ゚⊿゚)ξ あいつが逃げたわ!追うのよ!

o川*゚ー゚)o おいこら、まてー

('A`)    畜生、捕まってたまるか、毎回毎回....

獲物は少年である。
少年は村から続く一本道を必死に逃げていたが、追いつかれると知ると横の草原に飛び込んだ。
そして、必死で草原の中を駆けていった。

が、背の高い草の群落に遭遇すると、根元にけっつまづいてこけてしまった。


('A`)うわあああああああ、やめろ、やめてくれ!

まるでライオンの爪にかかったインパラのように、恐怖と諦めの混じった表情を浮かべている。容赦はない。
少年はずるずるとアジトへと引きずられていく。最初、悲惨な叫び声が聞こえるが、じきに声は弱々しくなり、やがて途絶える。


172 名前:('A`)シベリアキョセイクラブのようです[] 投稿日:2010/03/14(日) 00:42:11 発信元:123.221.192.183
こんなことを書くと、凶悪な逆レイプ集団のように思うかもしれない。
だが、何のことはない。彼らは子供で、兄弟姉妹なのである。

そして、キョセイと言う言葉は単に男性の誇りを奪う、という意味でしかない。

というよりも、彼女らは(及びドクオも)キョセイの意味をよく知らない。

もともと近所の牛飼いの親父が冗談めかして使っていたのを勘違いして、「男性の誇りを奪う、服従させる」の
意味で使っていた。無知とは恐ろしいものである。


一番上がツニャーナ(書記長)、二番目がスナオリャ(副書記長)、そして獲物が末っ子のドクオ。

本当は書記長代理兼特命秘書がいる。しかし彼女はこうした茶番には付き合わず、どこかの木陰でいつも読書に
いそしんでいた。

175 名前:('A`)シベリアキョセイクラブのようです[] 投稿日:2010/03/14(日) 00:51:27 発信元:123.221.192.183
さて木陰で読書をしていた書記長代理兼特命秘書に近づく一人の得体の知れない人物がいた。


ζ(゚ー゚*ζまたお姉さんたちにいじめられたの?


彼女の名前はデレーニャといい、ドクオと双子の姉妹であった。


('A`)いじめられたんじゃない、き ょ せ い されたんだよ


キョセイとは詰まるところ、強制的に化粧を施され、女装をさせられることであった。


ζ(゚ー゚*ζふふふ、やだ....


さすがに本をよく読んでいるだけあって、キョセイの意味を知っていた。
のみならず例の宣言文は彼女の手になるものだった。読書家の彼女は単調な児童文学に飽き足らず、
初期共産主義者やアナーキストの文章を好んで読んでいる変わり者だった。

もっとも姉たちの暴挙には一線を引いていて、特別に要請されると渋々任務を果たしていた。



177 名前:('A`)シベリアキョセイクラブのようです[] 投稿日:2010/03/14(日) 00:59:00 発信元:123.221.192.183

得体が知れない、と書いたのは、普通の人であればドクオであると見分けられないほど悲惨な化粧が
施されていたからであった。おしろいはまるでピエロの化粧のように分厚く、口紅は真っ赤なゴムパッキンを
おもわせるように太く引かれていた。

彼女はドクオの頭に手をやり、一つ一つヘアピンを抜いてやった。
そして持っていたハンカチでドクオの悲惨な化粧を拭ってやった。


だが拭っている最中にドクオはくしゃみをした。

その結果、口紅が鼻の下まで塗り伸ばされた。


ζ(゚ー゚*ζアハハ...もうやだ.....フフフフ お化けみたい

('A`)ちくしょう、何の因果でこんな目に会うんだ



こんな感じで彼の週末はいつも過ぎていった。


422 名前:('A`)シベリアキョセイクラブのようです[] 投稿日:2010/03/19(金) 18:01:39 発信元:123.221.208.163
さて、この恐るべきシベリアキョセイクラブの本拠地はと言うと、シベリアのどこにでもある
和やかな家庭だった。


J( 'ー`)し「ただいま。さあ、子供たち、今日はお父さんが帰ってくる日だわ」

('A`)   「おかえり」

J( 'ー`)し「あら、まだあんたしか帰ってないのね」

('A`)  「シラネ」

 J( 'ー`)し「また姉さんたちにつかまったのね。口紅がまだ残ってるわよ、フフフ」


どぎつい化粧があらかた拭われた後には、まだうっすらと化粧が残っていた。
皮肉な事に今の方がはるかに女っぽく、そしてその道らしく見えるのであった。



423 名前:('A`)シベリアキョセイクラブのようです[] 投稿日:2010/03/19(金) 18:05:35 発信元:123.221.208.163
('A`)   「元はと言えば母さんのせいなんだからな、うらむぞ一生」

J( 'ー`)し 「でも化粧すると...あんたもなかなかなのにねえ

       男の子にしちゃ冴えないのに、皮肉なものね」


もともと母親は子供は全員女の子がいい、と思っていた。だが、残念な事に最後の双子は
片方が男だった。諦めきれない母親は、幼いころのドクオをしばしば女の子に仕立て上げた。
もちろんドクオは激しくそれを嫌がった。

そして、それを見て姉たち(主にツニャーナ)はドクオに女装を強要することを思いついたのである。





そうこうしているうちに、大きな音を立てて玄関が開いた。


424 名前:('A`)シベリアキョセイクラブのようです[] 投稿日:2010/03/19(金) 18:08:48 発信元:123.221.208.163
( ´W`)   「ただいま」

J( 'ー`)し「お帰りなさい。お疲れさまです」

('A`)   「お帰り父ちゃん」

( ´W`)  「おお、ドクオ、元気にしてたか?何だお前... 色っぽいな」

('A`)   「くそう」

( ´W`)  「お前にお土産だ....ほれ」


父親の手に光ったのはベッコウのカチューシャだった。

('A`)   「父ちゃんなんか....嫌いだ」


そう言ってダッシュで2回へドクオは駆け上がった。


( ´W`) 「ああ、間違えた。悪い悪い。お前には本当は鉄道模型を...

     おーいドクオ、戻ってこんか」




425 名前:('A`)シベリアキョセイクラブのようです[] 投稿日:2010/03/19(金) 18:15:47 発信元:123.221.208.163
やがて娘たちも帰ってきた。

o川*゚ー゚)o 「おかえりなさーい」
ζ(゚ー゚*ζ「おかえり、パパ」

下の娘たち二人は父親によく懐いていた。
過激派の姉の手下ではあったが、スナオリャは別にそれほど男性を敵視しているわけではない。
彼女は姉に追従しているだけなのである。

やがてツニャーナも入ってきた。久々に見る父親に、ツニャーナは距離を空けて対峙した。
父親は一歩歩み寄る。

( ´W`) 「おお、ツニャーナ。帰ってくる度に女らしくなってくるなあ」

ξ゚⊿゚)ξ 「...............」

睨んでいるとも眺めているともつかない少女独特の目つきで父親を見ている。

( ´W`)「お前にお土産だ、ほら、カチューシャ...」

ξ゚⊿゚)ξ「いらない」

 J( 'ー`)し「なんてこというの。お父さんからのおみやげよ」

ξ゚⊿゚)ξ「いい」

と言い残し、ぷいっと行ってしまった。

( ´W`)「はっはっは、参ったな、こりゃ」


427 名前:('A`)シベリアキョセイクラブのようです[] 投稿日:2010/03/19(金) 18:25:48 発信元:123.221.208.163
やがて夕食となった。サケのクリームパイにイクラがどっさりと添えられたものが主食だ。父親の好物である。

サケのクリーム煮がパイの中に入っているが、ここの家庭ではピクルスのみじん切りがクリームに入っている。
それが、単調になりがちなクリーム味のアクセントになっている。

もちろんイクラは地場ものの粒の大きい新鮮なやつである。

父親は、食い、飲み、久々の、そしてつかの間の家族団欒を楽しんだ。

父親は川を航行する貨物船の船長をしていた。それで、途中で経由した街の土産話をたくさん家族に話した。
何度も聞いた話もあるが、いちいち指摘しないのが家族の掟となっていた。

やがて話題は学校や日頃の生活の事になり、父親は子供たちに水を向けた。
ドクオは、話す機会が訪れると、日頃の不満をぶちまけた。


430 名前:('A`)シベリアキョセイクラブのようです[] 投稿日:2010/03/19(金) 18:29:52 発信元:123.221.208.163
'A`)  「もうやんなっちゃうよ。俺、学校でも家でも落ち着かないんだ」

( ´W`) 「なんだ、いじめられてでもいるのか?」

('A`)  「毎日、キョセイされてるんだよ、姉ちゃんたちに」


茶の間の空気が淀んだ。


('A`)  「このまえさ、キョセイされたあとに、偶然友達に見かけられたんだ。
     そしたらそいつ、『ギャーッ オバケ』って逃げ出したんだよ。
     気づかれなかったからよかったものの、もう止めてほしいんだよ、キョセイなんか。

     姉ちゃんの同級生にはさ、『お前、あの女の下僕なんだろ』ってからかわれるし、もうやだよ」


さらに続ける。


('A`)  「姉ちゃんは、全ての男をキョセイするなんてのたまってんだぜ」


432 名前:('A`)シベリアキョセイクラブのようです[] 投稿日:2010/03/19(金) 18:34:33 発信元:123.221.208.163
完全に凍てついた空気を破るように憤然とツニャーナが発言する。


ξ゚⊿゚)ξ「だから何?男なんて、この世界からいなくなりゃいいのよ
      手始めにあんたってこと」


デレーニャは笑いをかみ殺していたが、やがて声に出してクスクスと笑い始めた。


ξ゚⊿゚)ξ「何がおかしいの?あんたは私たちのグループ、シベリアキョセイクラブの書記長代理でしょうが」

ζ(゚ー゚*ζ「あのね、今だからいうけど、実はキョセイっていうのは....」

ξ゚⊿゚)ξ「女らしくさせるってことでしょ?近所の牛飼いのオヤジも言ってたわ、キョセイしたウシは大人しくなるって」


父親と母親は顔を見合わせた。そして、彼らも大声で笑い出した。
スナオリャはなんだかよく分からないけど回りにつられてニタニタしていた。

ドクオもよく分からなかった。
が、姉がなにやら物笑いの種になっているのをみて、なんとなく「ざまあみろ」と感じていた。

435 名前:('A`)シベリアキョセイクラブのようです[] 投稿日:2010/03/19(金) 18:37:37 発信元:123.221.208.163
ひとしきり笑ったのちに、息も絶え絶えに母親は言った。


J( 'ー`)し「フフフフ..もうやだ、あのね、キョセイっていうのはね.....ねえあなた」

( ´W`)「ちんちんをとっちまうことだ」





オオーーーーーン




どこかで犬が遠吠えをした。

439 名前:('A`)シベリアキョセイクラブのようです[] 投稿日:2010/03/19(金) 18:41:58 発信元:123.221.208.163
これはツニャーニャにとって痛恨のミスであったが、団体は解散したわけではない。
シベリアキョセイクラブはシベリア少女連盟と名前を変えて存続した。

そして決死の告発者であるドクオにはさらに激しさをますリンチ(かつてのキョセイが)行われた。
化粧とヘアメイクだけではなく、スカートを履かせるという最高の屈辱を与えられることとなった。


女はバカだ、とドクオは思った。
こんな事をされているのだから女性に幻想を抱かないのは当たり前である。

だがその思いをさらに深くした理由があった。
書記長であるツニャーニャは、別の団体のリーダーでもあったからだ。



444 名前:('A`)シベリアキョセイクラブのようです[sarusarusaru] 投稿日:2010/03/19(金) 18:59:03 発信元:222.149.133.16
彼らが通う学校には、デミターチョフという若い先生がいた。
授業を終えて廊下を歩く先生に、ツニャーナが背後から近づく。


(´・_ゝ・`)「やあなんだい?」

ξ゚⊿゚)ξ「あの、先生の好みの女性のタイプについてちょっとインタビューさせてください」

(´・_ゝ・`)「この前は好きな食べ物についてだったね。またインタビューかい」

ξ゚⊿゚)ξ「月一で会誌を発行してるので。私たち、先生の全てを知りたいんです」

(´・_ゝ・`)「そんなことに精を出していると、またテストで赤点とっちゃうよ」

ξ゚⊿゚*)ξ「てへっ」


と舌をだしてかわいらしく笑った。そう、彼女は過激なフェミニスト団体の書記長である一方で、
学校のアイドル、デミターチョフ先生のファンクラブの会長を兼任していた。


445 名前:('A`)シベリアキョセイクラブのようです[] 投稿日:2010/03/19(金) 19:01:03 発信元:222.149.133.16
先生が去ったあとも、ツニャーニャはときめきの余韻に浸っていた。もし漫画家であれば、彼女の
周りにキラキラの星を描いたであろう。

が、それを覚ます不快な一撃があった。


( ^ω^)敵機発見!敵機発見!各機遊撃態勢に移れ!

<ヽ`∀´> ( ・∀・)「アイアイサー!」


クラスメートのブーンとその取り巻きたちだ。
彼らはブーン三連星と称してスカートめくりの徒党を組んでいた。

両手を広げて彼らは近づいてくる。


( ^ω^)<ヽ`∀´> ( ・∀・)「ブーーーーーーーーン!!!!」


ダッシュしながらツニャーナのスカートをめくった。


447 名前:('A`)シベリアキョセイクラブのようです[] 投稿日:2010/03/19(金) 19:04:30 発信元:222.149.133.16
ツニャーナは廊下じゅうに大きく響き渡る声で言い放った。


ξ゚⊿゚)ξ「死ね!クラスの男子全員死ね!」


ツニャーナの顔は、恋する乙女から冷酷な粛清者の顔に戻っていた。
その鬱憤は弟のドクオが処理することになろう。

シベリアキョセイクラブは彼らに対する猛烈な敵愾心から生まれたのだった。

(父親に対する猜疑心を植え込んだのも彼らだ。
 船乗りなんかみんなホモかスケベだ、とはやし立てられたのに端を発している)



448 名前:('A`)シベリアキョセイクラブのようです[] 投稿日:2010/03/19(金) 19:08:22 発信元:222.149.133.16
まだ怒り冷めやらぬうちに、クラスの学級委員が近づいてきた。
ガリ勉タイプ(秀才ではない)のアサピーだ。
なぜかブーン三連星のスカートめくりとセットになってやってくる。


(-@∀@)「またあいつらかい?ほんと、野蛮な奴らだね」

ξ゚⊿゚)ξ「あんたも死ね」


目も合わせずに言い捨てた。そして、教室に向かって歩き出した。
なんで男ってこうバカでスケベか、キモいのしかいないんだろう。クラスの全員逝ってよし。
いや、世界中の男は逝ってよし。キョセイ、いや粛清せねば。

もちろん彼女がこう考えるとき、デミターチョフ先生は含めないのであった。


451 名前:('A`)シベリアキョセイクラブのようです[] 投稿日:2010/03/19(金) 19:12:16 発信元:222.149.133.16
そんなダブルスタンダードな姉を見て、ドクオは女はバカだ、と思った。

だが男が賢いとも思えなかった。あれだけ口で罵っている女にスカートめくりやらの
ちょっかいを出し続けるのはバカだと思った。

そしてそのバカ達の板ばさみになっているとも思った。
下校中の事である。


( ^ω^)<ヽ`∀´> ( ・∀・) 「おい、下僕」

('A`)   「な、なんだよう.....」

( ^ω^)「あの女、生意気なんだお!
      この前なんか、俺たちを女子トイレにおびき寄せて、外側から鍵をかけやがったんだお!
      学校中の晒し者だお!」

<ヽ`∀´>「お前も相当ひどい目にあわされているニダか?」

('A`)   「そ、そんなことは....」

女装させられているなんて死んでも言えない。


453 名前:('A`)シベリアキョセイクラブのようです[] 投稿日:2010/03/19(金) 19:14:57 発信元:222.149.133.16
( ・∀・) 「あいつは、『男の誇りを奪ってやる』なんて事を言うんだぜ?」

( ^ω^)「お前も男だお?一つ反撃するお!」




( ^ω^)<ヽ`∀´> ( ・∀・)「あいつのパンツをとってこい」


嫌だ嫌だ嫌だ。


どいつもこいつもバカばっかり。家に変えると、ドクオは腹立ちまぎれに母親の衣装ケースを開けた。
そこからパンツを一枚取り出して袋に入れた。

そして翌日それを渡した。さすがにこれはバレて、後日ボコボコにされるハメになった。


455 名前:('A`)シベリアキョセイクラブのようです[] 投稿日:2010/03/19(金) 19:17:27 発信元:222.149.133.16
こんな感じで彼らの日常は概ね平和に、ときにやや波乱含みで過ぎていった。

そしてわれらがツニャーナは一方でフェミニスト団体の書記長、一方でデミターチョフ先生のファンクラブ会長
という充実した日々を営々と送っていた。




だがそんな日常にくさびを打ち込むようなニュースが流れた。

デミターチョフ先生が異例の人事移動、となったのである。
そして囁かれた理由は、穏やかならぬものだった。


504 名前:('A`)シベリアキョセイクラブのようです[] 投稿日:2010/03/20(土) 12:20:18 発信元:222.149.133.16
なぜデミターチョフ先生がこの中途半端な時期に移動となったのか、理由は詳らかにされなかった。
が、その発表と前後して、次のような作者不明の壁新聞が学校のいろいろなところに貼られた。


こんなセンセーショナルな見出しが付けられていた。

「ハレンチなる若教師の実態ー未成年と同棲して妊娠?」


名前は伏せられていたが、それがかえってスキャンダラスな感じを煽っていた。

写真にははっきりとデミターチョフ先生と思しき男性が写っていたからだ。
そして腹の突き出した16歳くらいの娘とアパートの入り口に写っていた。

学校中の先生は火消に奔走した。無論それは火に油を注ぐようなものであった。
生徒達は何かあるとその噂で持ちきりになった。



505 名前:('A`)シベリアキョセイクラブのようです[] 投稿日:2010/03/20(土) 12:23:09 発信元:222.149.133.16
ツニャーナはファンクラブ会長としての責務を果たそうとした。
20人ほどの会員を勇気づけ、先生を信じよう、と呼びかけた。
そして、先生に本当のことを問いただそうとした。

歩きながら先生に近づく。

ξ゚⊿゚)ξ「先生、あの.....先生が遠くに赴任されるって聞いたんですけど...」

(´・_ゝ・`)「まだ発表してないはずだけど、まあそうだよ」

ξ゚⊿゚)ξ「なんで、この時期に...」

(´・_ゝ・`)「いろいろと事情があるんだよ」

ツニャーナの足はそこで止まった。
先生は構わずどんどん進んでいく。彼女は、振り絞るように声をかけた。


ξ゚⊿゚)ξ「あの

      噂って、本当ですか」

振り向かないまま、先生は言った。

(´・_ゝ・`)「...........答えたくない」


それ以上聞けなかった。


506 名前:('A`)シベリアキョセイクラブのようです[] 投稿日:2010/03/20(土) 12:27:50 発信元:222.149.133.16
教室に戻ると、皆の視線をかき分けるようにツニャーナは席に座った。

そして机に顔を伏せて座り、微動だにしなかった。

そんな空気を打破しようと、ブーン三連星は彼らなりに気を遣った。
不器用な彼らは、あえて無神経を装った。つまり普段どおりの彼らである。


( ^ω^)<ヽ`∀´> ( ・∀・)「ヤーイ、ざまあ、男なんてみんなそんなもん」


顔を上げずにそれに答える。

ξ゚⊿゚)ξ「うっさいわね....」



言葉にいつもの覇気がない。ブーン達は拍子抜けした。

( ^ω^)「なんだおあいつ...」



やがてデミターチョフ先生の離任式の日となった。先生は、いままでありがとうございました、と簡単に挨拶を述べた。

すでにファンクラブは壊滅状態にあった。それでツニャーナはその日、そのまま下校した。


510 名前:('A`)シベリアキョセイクラブのようです[] 投稿日:2010/03/20(土) 12:33:35 発信元:222.149.133.16
ライ麦畑が途切れたあたりである。
何者かが突然横からタックルしてきた。ツニャーナは道の横に停めてあったトラクターのほろの中に押し込まれた。

そしてタックルしてきた奴が入り口を塞ぐように乗り込んだ。

<ヽ`∀´>「いままでのお返しニダ GO!」

すぐさまエンジンが過回転を起こして発進した。
前を見ると運転席にブーンが、横にマタンキが座っていた。


離れたところで、弟のドクオが一部始終を見ていた。

('A`)「姉ちゃんが....姉ちゃんが....さらわれた











    いよっしゃああああああ!!!」


512 名前:('A`)シベリアキョセイクラブのようです[] 投稿日:2010/03/20(土) 12:37:40 発信元:222.149.133.16
普段のツニャーナだったら騒ぎ立っただろう。
でも、ここのところ落ち込んでいた彼女にはそんな気力は無かった。

低い声で、

ξ゚⊿゚)ξ「どこにいくつもりよ」

としか聞かなかった。三連星はそれに答えなかった。

( ^ω^)<ヽ`∀´> ( ・∀・)「ロリ誘拐~ロリ誘拐~♪」




着いたのは駅である。プラットホームには、スーツケースを片手にしたデミターチョフ先生がいた。まさに列車に乗り込もうというところであった。

ブーンが背中をどつく。

( ^ω^)「最後の挨拶ぐらいきちんとしろお」

そして三連星はブーンといいながら車に戻った。


514 名前:('A`)シベリアキョセイクラブのようです[] 投稿日:2010/03/20(土) 12:41:50 発信元:222.149.133.16
ξ゚⊿゚)ξ「先生....」

(´・_ゝ・`)「ああ、ツニャーナ君か。驚いたな.....
      いままでありがとう。楽しかったよ」

ξ゚⊿゚)ξ「本当の事を言ってください」

(´・_ゝ・`)「あの壁新聞にかかれてるとおりだよ。僕は、年下の娘と一緒に暮らして、彼女は妊娠してる

      でも君には伝えておきたいな、あれは、僕の妹なんだよ」

ξ゚⊿゚)ξ「えっ」

(´・_ゝ・`)「僕の妹が、誰とも知れない奴の子供を孕んだ。うちの親が勘当してさ、僕んとこに身を寄せてたんだよ」

ξ゚⊿゚)ξ「なぜそのことを皆に言わないんですか」

(´・_ゝ・`)「僕が泥をかぶるくらいだったら、いい。
      でも君に話せてよかったよ。お願い、このことは誰にも言わないでおいて」

列車の奥から、妹らしき人物がペコリと頭を下げた。
先生は列車に乗り込み、扉がしまった。


ツニャーナは風に吹かれながら列車が遠ざかるのを見ていた。


516 名前:('A`)シベリアキョセイクラブのようです[] 投稿日:2010/03/20(土) 12:45:53 発信元:222.149.133.16
トラクターのほろの中で、ツニャーナはぼんやりと物思いに耽っていた。

そして、前の方を向いて何か言おうとした。

ξ゚⊿゚)ξ「ねえ、あんたたちは先生を信じる?」

( ^ω^)「何も言わなくていいお」

( ・∀・)「お前が信じてられりゃそれでいいんだよ」

<ヽ`∀´> 「ウリはいかなる時でも祖国マンセーニダ。お前も見習えニダ」

ξ゚⊿゚)ξ「あんたたち....あ、あり...」

感謝の言葉なんて、彼らに言ったことはない。それゆえ、なかなか出てこない。


518 名前:('A`)シベリアキョセイクラブのようです[] 投稿日:2010/03/20(土) 12:49:45 発信元:222.149.133.16
もっとも、彼らもそんなシュチュエーションはこそばゆかった。

( ^ω^)「お前のスカートめくるのも理由なんて無いお。それと同じだお」

( ・∀・)「そうそう、色っぽくもねえし」

<ヽ`∀´> 「可愛げもないお前のスカートめくる理由なんてないニダ」


ξ゚⊿゚)ξ「ねえ、お願いだから死んで」

こんなにやさしい感じの「死ね」は、いままで言ったことがなかった。



しばらくして、ツニャーナは重要な事に気づいた。

ξ゚⊿゚)ξ「そういえば、なんであんた運転なんかしてんの?
      そもそもこのトラクター誰のよ」

( ^ω^)「オヤジのだお。見よう見まねでなんとかなるお おっ」

といったまさに次の瞬間、衝撃音がして車は用水路に脱輪した。


519 名前:('A`)シベリアキョセイクラブのようです[] 投稿日:2010/03/20(土) 12:54:01 発信元:222.149.133.16
それからツニャーナの男子に対する敵愾心は収まっていった。
三連星は相変わらずだったが、もっと大きな心で対応できるようにもなった。

いままでツインテールだった髪をストレートロングにしたのもその頃であった。


ξ゚⊿゚)ξ「ねえお母さん、お父さんがいつかくれたカチューシャ、ある?」

J( 'ー`)し「どういう風の吹き回しかしら。座って。髪をとかしてあげる」


髪をとかしながら、鏡台に写ったツニャーナに言う。


J( 'ー`)し「ひょっとして、好きな男の子でもできた?」

ξ゚⊿゚)ξ「えー、そんなんじゃないよ」

そこへ父親とドクオが帰って来た。久々の休暇で、親子で釣りに出かけていたのだ。


521 名前:('A`)シベリアキョセイクラブのようです[] 投稿日:2010/03/20(土) 13:00:08 発信元:222.149.133.16
( ´W`)「ただいま。

     おお、ツニャーナ、よく似合ってるよ、そのカチューシャ」

ξ゚⊿゚)ξ「ありがとう

ドクオ、魚は釣れた?」


('A`)「......」

ドクオは魚の入ったバケツを持ちながら、ぽかんと口を開けて見ていた。
ブーン達にさらわれた日以来、姉の様子がおかしい。
得体の知れない気持ち悪さを感じていた。こんなの姉貴じゃない。

特に気持ち悪かったのは、つい1ヶ月前まで自分に乱暴(キョセイ)していた姉が、もう何年も前から
落ち着いているような素振りを見せていることだった。40パーセントの気持ち悪さと50パーセントの
腹立たしさ、そして残り10パーセントの寂しさのようなものが彼の胸に去来した。女はバカの上に
不気味だ、というのが彼の新たなテーゼになった。

確かに、シベリアキョセイクラブは過去のものになった。
が、再びその名を、しかもシベリア中に轟かせることになろうとは、この時思わなかった。

622 名前:('A`)シベリアキョセイクラブのようです[] 投稿日:2010/03/21(日) 00:08:17 発信元:222.149.133.16
さて、そんなこんなでツニャーナたちの卒業シーズンが迫ってきた。

ツニャーナは三連星とちょっといい仲になっていた。特にブーンとは、たまに一緒に下校するぐらいの
間柄になっていた。

そんな日々に事件が起きた。
また壁新聞によって、スキャンダルが報じられたのである。
今度の標的は、ブーンだった。

「激撮!女子更衣室を覗く出歯亀野郎」

鼻の下をのばして女子更衣室を覗くブーンがしっかりと写っていた。
しかし、先の事件ほどの反響は得られなかった。

「ブーンだったら仕方ない」

という反応がほとんどであったからである。残りは(先生方がほとんどだが)

「あいつの所業はこんなもんじゃない」

というものだった。ブーン自身は、「ネタになっておいしい」とすら思っていた。

その後もネタを変えていくつも壁新聞が貼られたが、一向に効果が無かった。


625 名前:('A`)シベリアキョセイクラブのようです[] 投稿日:2010/03/21(日) 00:11:06 発信元:222.149.133.16
ついに匿名の憎悪は、単なる中傷だけでなく身体的なものに及んだ。
ブーンは自転車通学をしていたが、彼の自転車に何者かが細工をしたのだ。
ハンドルの付け根の部分のナットが一本抜かれていた。

スピードを出したときに、ハンドルが付け根から外れた。前のめりになってブーンは道路に顔を擦った。
全治2週間の怪我である。

残る二連星とツニャーナでお見舞いに行ったら、相変わらずの調子であった。

(//ω^)「顔が命がブーンなのに、なんてこったい」

( ・∀・)「いってろいってろ」

<ヽ`∀´> 「まだ今の方が見られるツラニダ」

ξ゚⊿゚)ξ「....なんか、ごめん.....」

(//ω^)「何でお前が謝るお?」

( ・∀・)「自意識過剰なんじゃねーの?」

<ヽ`∀´>「お前なんか、東海における小日本の如き存在ニダ」

(//ω^)「そんな事より、ここの看護婦さんが美人なんだお....」

下らないおしゃべりで少し気が晴れたが、自分のまわりを狙って何者かが攻撃をしている。
ツニャーナはそう感じていた。


629 名前:('A`)シベリアキョセイクラブのようです[] 投稿日:2010/03/21(日) 00:15:07 発信元:222.149.133.16
勿論この事は学校中の話題だったので、妹や弟も知っていた。

('A`)「一体誰なんだろうな、ほんとに薄気味悪い。
   何が目的なんだろう」

ζ(゚ー゚*ζ「そりゃ、勿論姉さん狙いでしょ」

('A`)「確かに、恨みは相当買ってるだろうな。
   だけどそれだったら姉貴を狙えばいいじゃん」

o川*゚ー゚)o 「馬鹿ね。姉さんに近づく奴が邪魔なのよ」

ζ(゚ー゚*ζ「姉さん、結構な美人だもんね
       最近は特に綺麗になった」

('A`)「は?意味わかんねぇ


   おいおい、ちょっと、もしかして、姉貴の事が好きな奴がやきもち焼いて
   それで先生やブーンを狙ったってこと?」

o川*゚ー゚)o「そうよ」

ζ(゚ー゚*ζ「それ以外、何があるっていうの?」

630 名前:('A`)シベリアキョセイクラブのようです[] 投稿日:2010/03/21(日) 00:17:21 発信元:222.149.133.16
ドクオの頭は完全に混乱していた。
その姿は、地球が球体であるとか太陽のまわりを回っているということを
受け入れにくかった古代人にも似ていた。

o川*゚ー゚)o「私たちで犯人を捕まえましょう」

ζ(゚ー゚*ζ「そう、姉さんに内緒でね」

('A`)「変に心配したりギャーギャー騒がれてもうざいからな」

o川*゚ー゚)o「女の敵に鉄槌をくだすのよ!」

ζ(゚ー゚*ζ「シベリアキョセイクラブ、復活ってこと!」

('A`)「やめ、やめてくれ!!!」

だがなぜか、ドクオの顔はにやけていた。

633 名前:('A`)シベリアキョセイクラブのようです[] 投稿日:2010/03/21(日) 00:20:28 発信元:222.149.133.16
翌日から早速シベリアキョセイクラブ探偵団は活動を開始した。
まずは犯人のプロファイリング、絞り込みである。
その結果、

           1.クラスメートによる犯行(ブーンとの仲を察知できるほどの距離にある)
           2.中程度以上の知的能力(壁新聞による中傷、自転車のボルト外し)
           3.写真愛好家(同上)
           4.逆上癖、エスカレート行動(中傷→身体的攻撃)


などの人格的特徴が認められた。あてはまる人物は1人しかいなかった。
その人物のアリバイを探った。

o川*゚ー゚)o「職員室から出欠簿をコピーしてきたわ」

ζ(゚ー゚*ζ「...............やっぱり。この日は半日授業。登校から下校まで、自転車置き場に行き、
       人目に付かずボルトを外すタイミングがあるのは.....」

o川*゚ー゚)oζ(゚ー゚*ζ('A`)「欠席したこいつだけ」

三人がビシッと指差したところには、あの人物の名前が表記されていた。


636 名前:('A`)シベリアキョセイクラブのようです[] 投稿日:2010/03/21(日) 00:24:38 発信元:222.149.133.16
その夜、被疑者の家へ偵察にいった。その部屋は庭に面した一階にあった。
庭の芝生の上に、部屋の光が落ちていた。

三人は窓から覗いた。思ったとおりであった。

壁一面に、ツニャーナのベストショットが貼り付けられていた。
そして、床にミステイク、ブーンや他の人物がともに映ってしまったものが破かれていた。

窓際には机があり、その上に騒動のもととなった壁新聞の原紙が置かれていた。
犯人は確定した。


やがて犯人が部屋に戻ってきた。犯人は、壁のツニャーナの写真に息を荒くしだした。

ζ(゚ー゚*ζ「やだ....信じられない」

こう言ったのはショックを受けたからではない。あまりにも犯人像がありきたり過ぎて、ベタだと感じたのだ。
彼女は物事を、小説を読むような感覚で捉えていた。

もっともスナオリャは純粋に嫌悪感を抱いたらしく、

o川*゚ー゚)o「男どもは皆死ね」

というクラシカルなフレーズを口にした。

639 名前:('A`)シベリアキョセイクラブのようです[] 投稿日:2010/03/21(日) 00:29:14 発信元:222.149.133.16
家に戻り、作戦会議が行われた。

できれば大っぴらにしたくない。これ以上混乱に姉を巻き込みたくない。
そして、逆上癖のある犯人が自分たちに手向かう危険性も考慮された。

どうすればいいか。小一時間ほど頭をひねった後で、デレーニャが何か閃いた。
そして、自分の机の抽出しから一枚の紙を取り出して、

ζ(゚ー゚*ζ「これ、結構使えるかもよ」

o川*゚ー゚)o「これ?ああ、まだとっておいたの、どうすんの?」

ζ(゚ー゚*ζ「目には目、新聞には新聞を、よ」

o川*゚ー゚)o('A`)「?????」


641 名前:('A`)シベリアキョセイクラブのようです[] 投稿日:2010/03/21(日) 00:31:43 発信元:222.149.133.16
その作戦を実行に移すべく、スナオリャとデレーニャはシベリア新聞社に赴いた。

シベリア新聞社
http://anchorage.2ch.net/test/read.cgi/siberia/1233231586/


シベリア唯一の新聞社ともあって、購読数は結構あったが、日刊ではなく不定期発行であった。
それゆえ、ニュースがない時には印刷機が遊んでいた。

o川*゚ー゚)o「すいません、紙面を印刷して欲しいんですけど」

( ´_ゝ`)「ああ、ニュースの持ち込みかい?歓迎するよ」

o川*゚ー゚)o「いやそうじゃなくて、個人的に数部欲しいだけなんですけど」

( ´_ゝ`)「そういう用途では印刷しないんだよね。個人的にって、なぜうちに?」

o川*゚ー゚)o「.....え、あの.....」

ζ(゚ー゚*ζ「学校の謝恩会で、演劇するんですけど、その小道具で使います。
       リアリティを追求するために、実際の新聞社で印刷したものが欲しいんです」

( ´_ゝ`)「ずいぶんと凝ってるね。そういう事情なら分かった。紙面を見せてもらおうか」


645 名前:('A`)シベリアキョセイクラブのようです[] 投稿日:2010/03/21(日) 00:36:15 発信元:222.149.133.16
編集長(と言っても社員は一人だけだが)は紙面を見た。

( ´_ゝ`)「なかなか過激だねえ。これを学校でやるのか。どんな話なんだろうな、おもしろいな。
      じゃ、印刷しとくよ。夕方にはできるから、取りにおいで」

ζ(゚ー゚*ζ「あ、あの、新品の紙で全部印刷するんじゃなくて、いくつかは、日焼けしたような紙で
       お願いします」

( ´_ゝ`)「ほんとに凝ってるな。わかった」

その頃ドクオはというと、古着屋で長身のコートやら軍服を漁っていた。状態のよいものではなく、着古した、
ほとんどタダに近いようなものを買ってくるように命じられた。

その後、ヲッカの瓶数本とタバコの吸殻を大量に集めた。


('A`)「こんなんで、上手くいくかなあ」


決戦は近づいていた。


650 名前:('A`)シベリアキョセイクラブのようです[] 投稿日:2010/03/21(日) 00:42:04 発信元:222.149.133.16
ドクオは姉たちに命じられて、朝早く被疑者の家へ行った。ポストに手紙を投函した。

「 シベリアキョセイクラブ        宣言

我々は、人の姿をした猛獣に他ならない男性の誇りを奪い去り、女性の手下とすることを目的とする。
これはシベリアの制圧からはじまり、ソヴィエト連邦全土、また世界同時革命とともに完遂される。
我々の闘争は新世代の仮借なき階級闘争である。

我々の同士から、おまえに関する情報が上がっている。

                          次 は お ま え だ                      」


その次の日も同じように出かけていき、特製の新聞を投下した。

その見出しは衝撃的なものであった。

「国境付近で男性兵士ら7人殺害
  潰された股間、声明文には”シベリアキョセイクラブ”」

そして無関係な兵士の惨殺画像が掲載されていた。


654 名前:('A`)シベリアキョセイクラブのようです[] 投稿日:2010/03/21(日) 00:48:50 発信元:222.149.133.16
効果はてき面であった。

ζ(゚ー゚*ζ「ばっちり。あいつ、げっそりしてたわ」

('A`)「なんとなくかわいそうな気がするな」

o川*゚ー゚)o「何いってんの。2度とこんな事させないようにするんだから。
       まさしくキョセイよ」

ドクオは、女はバカで不気味で敵に回すと恐ろしい、とテーゼを変更した。


何日か日をおいて、さらに新聞を投下した。

見出しはさらに大げさになった。

「シベリアキョセイクラブ、NATOから資金援助か」

小見出しにはシベリアから程近いところで、やはり股間を潰された死体が発見されたという
ニュースが書かれていた。

あまりにも荒唐無稽だが、実際の新聞社が印刷したものなので質感は上等だった。そしてリアリティがあった。

ここまで脅しておいて、最後の一手をかける。


836 名前:('A`)シベリアキョセイクラブのようです[] 投稿日:2010/03/22(月) 20:18:15 発信元:58.88.223.62
アサピーサヨクチョフは真面目な優等生として学校でも近所でも通っていた。父親はノンキャリアの地方官僚で、猛烈な
コンプレックスを持っていた。母親も、夫の立場の低さに苛立っていた。それで、子供には6歳から1日5時間の
勉強を強要し、早いうちから競争心を植え込ませた。反面、彼の感情や欲求と言うものは抑え込んだ。

買い与えられたカメラだけが唯一の慰めであった。
最高の被写体を探し求めるうちに、一人の少女に目が留まった。それがツニャーナであった。


ξ゚⊿゚)ξ「死ね!クラスの男子全員死ね!」


 (なんて素直な、ありのままの表情なんだ....僕の被写体にぴったりだ ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
           ああ、そしてこの怒号!モーツァルトよりも癒される.....)     【◎】(@∀@*):::
                                           :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
特に素晴らしい表情を見せるのは、ブーン三連星のスカートめくりの後だった。
それで、ブーンたちの後にこっそり付いてまわり、フィルムに、心にツニャーナを焼き付けた。


838 名前:('A`)シベリアキョセイクラブのようです[] 投稿日:2010/03/22(月) 20:22:16 発信元:58.88.223.62
だが、最高の被写体にまとわりつく(実際には逆なのだが)邪魔者が現れた。それが、デミターチョフ先生だった。


ξ゚⊿゚)ξ (´・_ゝ・`)

                                           ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
 (僕の被写体を汚すやつめ!学校にいられないようにしてやる..)  ::::::::::::::::::::::: 【◎】(@∀@#)
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

皮肉な事に、これがきっかけとなって本来水と油のはずであったツニャーナとブーンを結びつけてしまった。
そしてそれとともにアサピーの愛した彼女の怒りの表情は無くなってしまった。



:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: :::: : :: :
(#@∀@)【◎】(許せん....デミターチョフの二の舞にしてやる....奴の痴態を晒してやる!)
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: :: :: ::: : :
                                                 (*^ω^)< ナマ着替エ中ダオ

841 名前:('A`)シベリアキョセイクラブのようです[] 投稿日:2010/03/22(月) 20:24:23 発信元:58.88.223.62
だがブーンには無効であった。

(#@∀@;)(くそう、おのれブーンめ!こうなったら実力行使だ)

攻撃は身体的なものへとエスカレートした。



でも彼は元々人に危害を加えて平気でいられるほどタフでも無神経でもなかった。
それに、本来危害を加えることが目的ではなかった。

だからブーンを病院送りにしてからというもの、眠りは彼から去り、神経は昂る一方であった。

そしてそこにシベリアキョセイクラブを名乗る団体からの脅迫状、(架空のだが)恐ろしい報道が来た。

アサピーはノイローゼに陥り、見るもの聞くものすべてに陰謀がかくされているとさえ感じた。
そして、全ての物陰、木の陰、草原や茂みの中から、何者かが自分を四六時中監視しているような気がした。
不眠症も手伝い、夢か現かわからぬような状態で昼も夜も過ごした。

            :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
            ::::::::::::: :::: ::::::::::::::::::::::(-@Д@)::::::::::::::::::: :: ::::::::::::::::::::::::::
            ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::


843 名前:('A`)シベリアキョセイクラブのようです[] 投稿日:2010/03/22(月) 20:26:29 発信元:58.88.223.62
そんなアサピーに引導を渡す最後の一撃が下った。


                    「ねえ、シベリアキョセイクラブって知ってる?」

という声を聞いた。

                          ミ;;:;;:゙ミ
                         rJ('A`)し  
                          彡彡'ミ          
                          彡彡'ミ
                           u u

目の前に小柄な少女がいた。
目深に帽子をかぶり、すっぽりとコートにおさまっている。

女装したドクオだ。

(-@Д@;)「な、なに?お、おま、お前は一体誰だ?なぜ知っている?」

アサピーは衝動的に、半狂乱になりながら追いかけた。


847 名前:('A`)シベリアキョセイクラブのようです[] 投稿日:2010/03/22(月) 20:29:25 発信元:58.88.223.62
しばらくすると、少女は消えた。アサピーは辺りを見回す。すると、50mも先に少女がいた。
追いかける。少女は消える。また先にいる。

                          ミ;;:;;:゙ミ
                         rJ('A`)し  
                          彡彡'ミ          
                          彡彡'ミ
                           u u

実はスナオリャがドクオと同じ服装をして、交互に先回りしていたのだ。

遂に村はずれの小屋の前まで誘導した。そこはかつての彼らのアジトであった。
扉は開いており、吸い込まれるようにアサピーはそこへ突入した。横に隠れていたドクオは外側から鍵をかけた。

(-@Д@;)「あ、おい、出せ!くそっ」


849 名前:('A`)シベリアキョセイクラブのようです[] 投稿日:2010/03/22(月) 20:31:20 発信元:58.88.223.62
真っ暗な室内は、ヲッカとタバコのすえた匂いで充満していた。
そこへ、地をはうような女の声が響いた。

「われわれは、シベリアキョセイクラブ 女の敵を殲滅する事を目的としている

 そう、貴様のような」



(-@Д@;)「ぎぇっ!」



声は続く。

「貴様の股間は、粛清に値する

 少女盗撮と、デミターチョフの妹を晒し者にした件だ」


次の瞬間、部屋の明かりがついた。


852 名前:('A`)シベリアキョセイクラブのようです[] 投稿日:2010/03/22(月) 20:35:19 発信元:58.88.223.62
壁には長身のコート、シベリア全土の地図、ハンマー、ナイフ、そして×を付けられたいくつもの男性の顔写真...
いや、×を付けられていない顔が一つだけあった。


                      「(-@∀@)【◎】」


(-@Д@;)「あわ、あわああ....」



しかしとどめを指したのは机の上に置かれたものであった。
新聞、飲み倒されたヲッカ、タバコの吸殻.......

そして瓶があった。

青緑色の水溶液の中に15センチほどのチューブ状のものが何本も入っていた。


アサピーの理性は完全に崩壊した。


855 名前:('A`)シベリアキョセイクラブのようです[] 投稿日:2010/03/22(月) 20:37:42 発信元:58.88.223.62


              (@Дo)

「キヤア{‘\ネエ$%&$#&#$#%”$”#%#&&”」

バスクラリネットが狂ったような音だった。
外にいたドクオは戦慄した。自分たちが演じている狂気よりもはるかに、アサピーの断末魔の声に戦慄した。

デレーニャはテープを再度低速で再生させた。


「だが、あのハレンチなブーンを攻撃したことは評価する。

それに免じて、キョセイはしない。だが、再度このようなことがあった場合、貴様の股間は保証しない」



スナオリャはドアを開けた。まさしく脱兎のようにアサピーは疾走していった。


857 名前:('A`)シベリアキョセイクラブのようです[] 投稿日:2010/03/22(月) 20:40:41 発信元:58.88.223.62
空にはもう月が照っていた。



o川*∀)oζ(∀*ζ「やった、やったあ!キャッキャウフフ」

キャッキャウフフとしか表現しようの無い少女特有の高周波数で喜びをわかちあっていた。


だがドクオは後味の悪さを感じていた。心理的不能にされてしまったアサピーに心底同情した。

小屋に入ると、ドクオはおやつがわりに食べていたピクルスの瓶を見つけた。


('A`)「あ、こんなところにあったんだ」


ピクルスをボリボリかじりだした。


859 名前:('A`)シベリアキョセイクラブのようです[] 投稿日:2010/03/22(月) 20:44:04 発信元:58.88.223.62
さて、このようにシベリアキョセイクラブは大勝利(と言うべきか一方的な処刑と言うべきか)をおさめ、平穏な日々が
また戻ってきた。

しかしである。
ある朝配達されたシベリア新聞を見て、ドクオは仰天した。

小さな見出しであったが、そこにはあの団体名があった。

「小学校の謝恩会で異色の前衛劇

     "シベリアキョセイクラブ"とは何か」

シベリア新聞社の編集長がデレーニャの言葉を真に受けて記事にしたのである。


ζ(゚ー゚*ζ「どーすんのこれ....」

o川*゚ー゚)o「訂正してもらうしかないでしょ」

('A`)「アサピーが知ったら事だな」

ζ(゚ー゚*ζ「それは大丈夫。『新聞を見ただろう。我々の思想教育は、学校にも及んでいる』と書いてポストに入れておいたから」

ドクオは女は恐ろしいとの思いを強くした。

864 名前:('A`)シベリアキョセイクラブのようです[] 投稿日:2010/03/22(月) 20:49:24 発信元:58.88.223.62
o川*゚ー゚)o「学校で、シベリアキョセイクラブ楽しみにとか言ってるから、『は?何の事?』っていったら新聞見せられた。
       小道具の新聞かと一瞬思った」

ζ(゚ー゚*ζ「ツニャーナ姉さんが愕然としてたわよ.....どうしよう」
       
そのとき、ドクオの頭に何か閃いた。

('A`)「やろう。やろうぜ、シベリアキョセイクラブの劇を。みんな楽しみにしてんだからさ」

o川*゚ー゚)o「やーよ」
ζ(゚ー゚*ζ「絶対無理」

だがドクオの決意は固かった。

姉二人の賛同が得られないのを知ると、自分で劇団員を集め、謝恩会に向けて着々と準備をした。
ドクオは燃えていた。

868 名前:('A`)シベリアキョセイクラブのようです[] 投稿日:2010/03/22(月) 20:59:13 発信元:58.88.223.62
よく晴れたうららかな春の日。
謝恩会の日となった。ブーン三連星とツニャーナは並んで座っていた。

やがて下級生たちからの出し物となった。


( ^ω^)「次はシベリアキョセイクラブってやつだお」

( ・∀・)「キチガイ度100だな」

ξ゚⊿゚)ξ(...............何、ほんとにやるの?)

<ヽ`∀´>「始まったニダ!」

( ^ω^)「なんかすげえ女が出てきたお」

「我々は、人の姿をした猛獣に他ならない男性の誇りを奪い去り、女性の手下とすることを目的とする。
これはシベリアの制圧からはじまり、ソヴィエト連邦全土..............」


870 名前:('A`)シベリアキョセイクラブのようです[] 投稿日:2010/03/22(月) 21:04:14 発信元:58.88.223.62
( ・∀・)「やべーマジキチだ」

<ヽ`∀´>「なんかちょっと前のツニャーナみたいニダ」

( ^ω^)「全ての男は死ねなんていってるとこなんてまさにそうだお」

( ・∀・)「ツインテールだしな」

ξ゚⊿゚)ξ(もしかしてこれは.....ああああああああああああ)



(;^ω^)「おい、あのブーソ三連星って俺らのことかお!」

(;・∀・)「は?なんで俺らパンツ頭からかぶってんの?」

<;`∀´>「あれじゃスカートめくりじゃなくて単なる変態ニダ!」


874 名前:('A`)シベリアキョセイクラブのようです[] 投稿日:2010/03/22(月) 21:09:29 発信元:58.88.223.62
ξ゚⊿゚)ξ「実際変態じゃないの...てかあんたたち私のパンツ盗もうとしたのね」

<#`∀´>「お前の弟に母親のやつをつかまされたニダ!謝罪と賠償(ry」

ξ゚⊿゚)ξ「なんで私のじゃないってわかったのよ」

( ^ω^)「ニオイで」

ξ゚⊿゚)ξ「サイテー やっぱり変態じゃん」


( ・∀・)「しかしキョセイクラブってつくづくひでえ名前だな」

( ^ω^)「逆セクハラで訴えられるレベルだお」

<ヽ`∀´>「クラブ と付ければ可愛らしく聞こえると思ってるとこが痛いニダ」

ξ゚⊿゚)ξ(知らなかったんだから....しょうがないでしょ)


876 名前:('A`)シベリアキョセイクラブのようです[] 投稿日:2010/03/22(月) 21:14:08 発信元:58.88.223.62
( ・∀・)「でもほんととんでもねえ女だよな」



( ^ω^)「おっ、女装させられた奴が反撃をくらわせてるお」

<ヽ`∀´>「いけ!いけ!チョパーリをやっつけろニダ!」

ξ゚⊿゚)ξ「いや内容違うから」

( ^ω^)「やった!」



( ・∀・)「ツニャーナ、ざまぁ」

ξ゚⊿゚)ξ「いやあれ私じゃないし」

<ヽ`∀´>「どう見たってお前ニダ」

( ^ω^)「お前ニダ」

ξ゚⊿゚)ξ「うぜぇ」


878 名前:('A`)シベリアキョセイクラブのようです[] 投稿日:2010/03/22(月) 21:17:51 発信元:58.88.223.62
( ・∀・)「お、化粧をぬぐって、カツラをとって、なんだ、どっかでみたことあるな.....?」


( ^ω^)<ヽ`∀´> ( ・∀・)「下僕だーーー!」

ξ゚⊿゚)ξ(あああああ......やっぱり....)



(#^ω^)「ちくしょう、あいつ、後でぬっころす」

<#`∀´>「身体的制裁を加えてやるニダね!」

(#・∀・)「とんだ卒業記念になりそうだな....」

880 名前:('A`)シベリアキョセイクラブのようです[] 投稿日:2010/03/22(月) 21:20:50 発信元:58.88.223.62
万来の拍手と、喝采を受けて、ドクオは積年の恨みを晴らした満足感に浸っていた。


調子こいて、fuckyouポーズを取った。

('A`)凸

それは「俺はキョセイされなかったぞ」と勝利宣言しているかの様だった。
会場はさらに沸いた。



だが、半笑いしながら「後でコロス」オーラを放っている上級生達をみて、ぞくぞくするような別の気分になった。
それは姉の「キョセイ」がなくなってから、久しくご無沙汰していた感覚だった。

('A`)(俺はひょっとしてドMなのでは....?)

そんな事を思った。

(終)

885 名前:('A`)シベリアキョセイクラブのようです[] 投稿日:2010/03/22(月) 21:38:10 発信元:58.88.223.62
叙情的な話にしようと思ったらとんでもなくおバカな方向へ行ってしまいました
ご支援ありがとうございました。

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887 名前:('A`)シベリアキョセイクラブのようです[] 投稿日:2010/03/22(月) 21:45:05 発信元:58.88.223.62
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891 名前:('A`)シベリアキョセイクラブのようです[ここにきて猿ったとか死ね俺] 投稿日:2010/03/22(月) 21:49:10 発信元:58.88.223.62
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