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( ^ω^)は理解に苦しむようです

888 名前:( ^ω^)は理解に苦しむようです[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 04:01:07 発信元:61.12.169.119
得意なこと、と言われれば何があるだろうか。
僕が自分を客観視して適当に引っ張り上げるなら、少し目が良いってくらいかな。
あとはそうだな……普通の人よりは運動は得意かな?

ξ゚⊿゚)ξ「内藤!」

(;^ω^)「はっ!」

またぼうっとしてしまった。何をやっているんだ僕め。
以前のように、のらりくらりとやっていていいような仕事ではなくなったのに。

ξ゚⊿゚)ξっ「こっちも」

隣の彼女から渡されたA4の紙束には、一枚一枚クリップで写真が留められている。
僕はそれを受け取り、それぞれをぱらぱらと眺めていった。
しかし見る項目は一か所なので、最後まで見るのに大して時間はかからない。

ξ゚⊿゚)ξ「何考えてたの?」

( ^ω^)「自分の得意なことはなにかなあ、と」

現在僕達はある人間を追っている。
この大きな都市で起きた小さくは無い事件の犯人だ。
その人間は男か女かもわからない、未だ全体像の見えてこない相手。

ξ゚⊿゚)ξ「ああ……」

わかっている部分はと言えば、犯行現場にいつも残されている意味不明のメッセージ。
『私のとくいなものはなんでしょう。』殺人犯の特技なんて、僕は知りたくもないよ。

889 名前:( ^ω^)は理解に苦しむようです[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 04:01:51 発信元:61.12.169.119



( ^ω^)は理解に苦しむようです





890 名前:( ^ω^)は理解に苦しむようです[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 04:02:46 発信元:61.12.169.119
体に悪そうな煙の充満する小さなオフィスで、僕とツンはまたうんうんと唸る。
紙とにらめっこしてもいい方向には動かないのはわかってるさ。

( ^ω^)「うーん、考えがまとまらないお。ツン、ちょっと喫茶店でもいくお」

ξ-⊿-)ξ「あたし先輩なんですけど?」

せっかくの誘いをしかめっ面で返す年下の彼女。確かに立場としては後輩だ、仕方ないな。

(;^ω^)「ぬう……ツン刑士、喫茶店にでも行きましょうか」

ξ゚⊿゚)ξ「うむ、そそうのないようにな」

やたら尊大な態度で髪をかきあげるツンを無視して僕は先程の資料を茶の鞄に詰め込んだ。
適当に書くものも二、三本手に取り、スーツのポケットに刺し込む。

ξ;゚⊿゚)ξ「あ、ちょっと早いって!」

( ^ω^)「室長、ちょっと整理に出てきますお」
 _、_
( ,_ノ` )「おう、一時間半までなら許す」

毎度のように、頭を悩ませると僕は外へ出たくなる。
少しでも体を動かさないとどうにも思考停止のような感覚に陥るのだ。
そういう性質から、僕はなかなかまともな職に就けなかったんだよなあ……。

ξ゚⊿゚)ξ「一日最低一回はサボるよね」

僕的にはサボりではないんだけど傍からはどう見てもサボりなのは理解している。
それを受け入れてもらえるからこそ、僕は今の仕事に前向きに取り組めているんだ。

891 名前:( ^ω^)は理解に苦しむようです[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 04:03:32 発信元:61.12.169.119
からん、と大きな鈴を鳴らす音は、もう何度開いたかもわからない戸から発生する。
僕とツンは疲れた頭を癒すため、常連となった喫茶店へとやってきた。

(´・ω・`)「いらっしゃいませ、と思ったら刑士さんかい?」

主に茶色と深緑で作り上げられた空間は今や僕の心の安息の場となっている。
壁や柱に掛けられている、植物をテーマに造られた小物やインテリアが安らぎを与えてくれるのだ。

( ^ω^)「閉店時間には間に合ったみたいだお、いつもの頼むお」

(´・ω・`)「別に君たちなら時間外でも頼まれればコーヒーくらい出すよ」

ξ゚⊿゚)ξ「こんにちは、マスター」

(´・ω・`)「うん、こんにちは。仕事はまた煮詰まっているようだね」

( ^ω^)「刑士はなかなか大変なんだお」

『刑士』。それは僕の仕事の俗称だ。
この街は諸外国のような『警察』という組織が治安の維持に務めるのではないのだ。
『刑士』は一般的な警察組織を細分化した中の、ある一つ、殺人やら強盗やらの処理を担当する。
要するに街の危ないことを受け持つ人たちのことを『刑士』と呼ぶ。

実際は『○省○部○担当室所属、○執刑士』って言うけど、誰も使わない。
ちなみに僕らはいついかなる場合でも、街の中ならば『危険と判断した人間を無条件で排除する権利』を持っているのだ。
完全に独立国家のようにして動いているこの街では、そういった特別な権利を持つ人間がちらほらと居るわけで。

(´・ω・`)「まあせっかく来たんだ。ゆっくりしていきなよ」

例えば彼、店のマスター・ショボンも『どこでも自由に店舗を構える権利』を持っている。

892 名前:( ^ω^)は理解に苦しむようです[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 04:04:23 発信元:61.12.169.119
ξ゚⊿゚)ξ「それにしても相変わらず人が居ないわね……」

カウンターについたツンは周りを見渡しながら失礼なことをのたまった。
そういうことはせめて店を出てから言えばいいのに、彼女はたまにデリカシーというものを投げ捨てる。

(´・ω・`)「ははっ、これは趣味でやっているからいいんだよ」

湯気の上がる白のカップに手際よくコーヒーを淹れながら彼は笑って応えた。
この穏やかな人柄も店の雰囲気に合致しており、なかなか味のある空気感を作り出している。

( ^ω^)「どうせ裏でがっぽり稼いでんだお」

(´・ω・`)っ「一応はノーコメント、ってことで頼むよ」

ξ゚з゚)ξ「あづい……」

ずずず、と今渡されたカプチーノを両手で摘まむように持ちすする。
さっきまで僕に先輩面をしていたのになかなか子供っぽい姿を見せつけてくれるなあ。
こういうしぐさがかわいらしいというか、彼女の魅力であると言えるだろう。

( ^ω^)「さてもう一回、目を通すかおー」

一息ついたところで肩にかけていた鞄から紙の束を取り出し、先の考えを練り直すことにする。

(´・ω・`)「おっと、じゃあ僕は少し離れていようか」

コーヒーカップを僕の邪魔にならないような位置に置くと、ショボンはそんなことを言って店の奥に歩いていった。
こっちが勝手にやってきて勝手にやっていることだし、そもそもあまり褒められたことをしていないんだから、

( ^ω^)「別に気ぃ遣わなくていいのに……」

893 名前:( ^ω^)は理解に苦しむようです[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 04:05:17 発信元:61.12.169.119
なんて、呟いても彼には聞こえていないだろう。
まずは被害者の名簿から覗いていこうかな。

(-_-)

えーっと、三十四歳男性会社員、南部の倉庫街にて発見。
現場は被害者の勤めていた会社からは真逆に位置している。
死因は窒息死で、ビニールのようなもので顔を覆って殺害されたとのこと。

死亡推定時刻は発見の五時間前。
発見者は配送業者の男性で、早朝倉庫を開けた段階ですぐに気付き、
刑犯省南部、つまり僕らが所属しているとこに通報したという。

ξ゚⊿゚)ξ「第一発見者にアリバイはあるし……さっさと次――」

――からん。

川 ゚ -゚)「あ」

( ^ω^)「お」

ξ゚⊿゚)ξ「ん?」

いきなり、いやそりゃいきなりだろうが、店の戸を開けてやってきたのは僕のよく知る人物であった。
腰に届かない程度の長く艶のある黒髪と、意図的に作りこまれたかのような細やかな白い肌は未だご健在のようだ。

( ^ω^)「クーじゃないかお」

川 ゚ -゚)「まさかお前に出くわすなんて……!」


894 名前:( ^ω^)は理解に苦しむようです[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 04:06:33 発信元:61.12.169.119
からん。

(;^ω^)「いやちょっと! 出ていくなお!」

なんてこった。僕のせいでショボンの店への客が一人減ってしまう。
大声で引きとめてみるがきっともうどこかへ行ってしまうに違いない。
彼女はあんなふうにして、いつも僕を困らせていたのだから。
しかし、

川 ゚ -゚)「なんてな!」

(;^ω^)「うおおおっ!」

一瞬完全に出て行ったと思ったのだがすごい勢いでクーは僕に飛び膝蹴りをぶちかましてきた。
ちょっとは場所を考えてほしい。

(; ω )「どぅっ!」

ヤツが跳んできた段階で僕は店のカウンターを守るために覚悟を決めたのだが、これがあまりにも痛い。
全力で踏ん張ったこの腹筋でも、我慢するにはちょっと厳しいんじゃないかってくらい。

(´・ω・`)「いらっしゃいま……せ?」

後ろからショボンの声がするが、釈然としないような色が入っていた。
そりゃあそうだろう。現在僕とクーは絡みつくようにして店の真ん中に突っ立っていたのだから。

ξ゚⊿゚)ξ「どちらさま?」

ツンはといえば、クーが飛び込んでくる瞬間も僕が膝蹴りを喰らった後も至って冷静にその場を眺めていた。
まあ、ツンはそういう人なのだ、興味はあっても初対面の相手には過剰な干渉はしない。私事では。

895 名前:( ^ω^)は理解に苦しむようです[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 04:07:29 発信元:61.12.169.119
川 ゚ -゚)「昔の仕事仲間さ」

僕にかかったほのかに柑橘系の香りがする髪をばっと払い、手櫛ですぐに元通りにする。

( ^ω^)「いいからまず僕から降りるお」

そんなことをしつつもクーは両足で完全に僕をホールドしていた。
凄まじい脚力で僕を締めつけながら、彼女は僕とほぼ零距離に居て普通に話し続ける。

川 ゚ -゚)「こんな奴が刑士に引き抜かれるなんて、まったく世も末だよ」

ξ゚⊿゚)ξ「そう? けっこう仕事は真面目よ」

(´・ω・`)「クーさん、注文はあります?」

川 ゚ -゚)「オムライスを頼む。……仕事は真面目ねえ、っと」

僕から跳び離れ、スーツの皺を確認しながらツンの横の席に着く。
彼女は相変わらずの破天荒ぶりで、それは二年経っても変わっていないようだ。

川 ゚ -゚)「君は内藤の恋人かい?」

ξ゚⊿゚)ξ「パートナーよ。あくまで仕事上の、ね」

そういえばショボンがクーの名前を知っているということは彼女もここの常連だったのか。
通い始めて一年は経つが、意外にも知らなかったことだ。

川 ゚ ー゚)「……それはよかった。なかなかにあなたは美人だ、内藤には勿体ないよ」

ξ゚ー゚)ξ「どうもありがとう。まあ、あたしもまだ若いし、アレで妥協する気は無いわ」

896 名前:( ^ω^)は理解に苦しむようです[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 04:08:22 発信元:61.12.169.119
それから横で僕の悪口をこぼすのが聞こえるような気がしたが、理解しないように努めた。

( ^ω^)「マスター、クーは結構前から来てたのかお?」

手持無沙汰になると会話が耳に入りこんでしまう。
マスターに話しかけて気を逸らさなければやっていけないのだ。
彼がオムライスを作っていようが関係ない。仮に失敗しても食べるのはクーだし。

(´・ω・`)「うーん……半年前くらいからかな?」

( ^ω^)「へえ……」

(´・ω・`)「でも君達が知り合いだったとは驚きだね」

( ^ω^)「僕もここで再会するとは思わなかったお」

手元の資料にも適当に目を通しながら会話を流し合う。

ζ(゚ー゚*ζ

次、二十二歳女性、職業はイラストレーター。
死因は頸動脈の損傷による失血死。ガイシャは南部路面電車駅の駅員室で発見された、と。
ん? 身長152センチ、体重は42キロ、スリーサイズは……。

(;^ω^)「すばらしいロリ巨乳ときたもんだ……」

なんでこんなこと書いてるんだ、正気かうちの解剖医達は。
確かに写真も可愛いけども。

(*´・ω・)「ロリきょぬー? 萌えるねえ」

897 名前:( ^ω^)は理解に苦しむようです[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 04:09:24 発信元:61.12.169.119
ショボンが巨乳好きだったのは至極どうでもいいのでスルーしよう。

( ^ω^)「さて次次」

( ・∀・)

三十歳男性。青年実業家。
発見現場は南部高級住宅街の自宅の書斎で、死後一週間が経過したのちに恋人がようやく通報。
普段から仕事人間で連絡がとれないことはしょっちゅうらしく、これだけ時間がかかったとな。

( ^ω^)「ん……?」

イケメンでスポーツは陸上三種目が世界レベル、外国語も八カ国はマスター?
両親の遺産で株をやっていたことがあり、それを元手にして資金を増やし、現在に至る。

( ^ω^)「適当なこと書いてるしこんなことどうでもいいお……ていうか現在って、もうあの世じゃないかお」

ξ゚⊿゚)ξ「やっぱり被害者に共通したところはないわよねえ……」

いきなり横からツンの顔が飛び出してきた。
あっちの話は終わったのかと見てみると、クーはオムライスをちびちび食べているようだ。

( ^ω^)「あと十人分あるお。しっかり見ていけばわかるかもしれないお」

ξ゚⊿゚)ξ「現時点で年齢、性別、職業、住んでいる場所とか、
      もう明らかに被害者に共通点はないから、犯行時刻と発見現場、あと殺害方法を整理しましょ」

( ^ω^)「被害者に共通性が無いなら、やっぱり犯人自身が何か言いたいのかお? 『得意なこと』ってやつ」

ξ゚⊿゚)ξ「一月に十三人も殺した人間の得意なことなんて、殺人以外無いと思うんだけどね」

905 名前:( ^ω^)は理解に苦しむようです[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 05:00:57 発信元:61.12.169.119
( ´ω`)「はぁ……」

結局仕事場に帰ってきた。
頭を休めただけで、もちろん成果は得られていない。
 _、_
( ,_ノ` )「進んだか?」

声がした方に顔を向けると、丁度室長が三本に束ねたタバコをもみ消しているところだった。

( ^ω^)「いえ……」
 _、_
( ,_ノ` )「焦らんでもいいが、考えを放棄するなよ」

( ^ω^)「はい……」

室長にまたなんか変なこと言われると思っていたのに、今回は何も言われない。
なんだろう、室長も僕に慣れたのかな。

ξ゚⊿゚)ξ「内藤早くー」

( ^ω^)「はいさ」

喫茶店で適当に纏めた殺害状況のメモをツンに渡した。
彼女がそれを表にして見やすくする合間に、僕は街の地図を開いて被害者の発見現場の印を眺める。
どれも街の南部での犯行ということはわかっていた。そのため他の区画支部の手が借りられないことも。

これは僕らに喧嘩を売っているということなのだろうか。
あくまで僕らの管轄内で全ての犯行が行われていることを考えればそうかもしれない。
恨む人間か、南部でもあまりに広すぎると言える街だ、そこそこ居ないこともない、かな?

906 名前:( ^ω^)は理解に苦しむようです[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 05:04:38 発信元:61.12.169.119
( ^ω^)「最近うちのほうでしょっ引かれて釈放された人は、っと」

('A`)「あー、それはもうこっちでまとめてる」

向かいの机に座って作業をしていた彼が資料を寄こしてきた。
僕の考えることなんて誰か彼かは絶対に気付くはずだし、そこは頼もしいというか。
やはり人が多いとかゆいところに手が届くみたいな印象だ。

( ^ω^)「サンキュードクオ」

('A`)「おう。でも目ぼしいヤツは居ないぜ?」

ドクオの言う通り、ぱらぱらめくってみても殺人事件に引っ掛かりそうな人間は居ないようだ。
そもそもこっちは暴力的な凶悪事件なんて滅多に発生しない。主に商売グループ関係でのいざこざが多いのだ。
ショボンと初めて出会ったのも、そのちょっとした事件がきっかけだった。あの時確か人一人死んでたけど。

( ^ω^)「ふーむ……ドクオはこの事件どう考えるお?」

('A`)「俺は作業担当だから知らんわ。頭脳労働はお前らの仕事だろ」

(;^ω^)「んなこと言ってたら室長にぶっとばされるお……」

('A`)「室長も分担はしっかりしてっからいいんだよ」

ξ゚⊿゚)ξ「内藤、できた」

( ^ω^)「お、助かるお」

袖をぴんぴんと引っ張られ、ツンの方を向かされる。
しかし彼女の目は未だ画面に向けられており、すばやくキーボードを叩いていた。

908 名前:( ^ω^)は理解に苦しむようです[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 05:07:54 発信元:61.12.169.119
( ^ω^)「どれどれ」

ξ゚⊿゚)ξ「犯行は全部深夜。それから殺害方法は全部ばらばら。絶対変態よ、コイツ」

もうさんざん聞いた話だ。溺死焼死に毒殺と、拷問でもしたのか体を過剰に損壊させた殺し方まで。
随分バリエーション豊かだが、どういう意図があるのだろう。
せめてもの共通点を挙げるならば、どれも犯行現場が密室?

( ^ω^)「見事な無差別連続密室殺人劇だおー」

ξ゚⊿゚)ξ「このご時世なら疑似的な密室くらい、作り上げること自体は不可能じゃないわよ」

確かにその通り。基本は全て電子ロックで制御されているこの街、予備知識さえあれば。
僕も昔はそういうことはできないわけではなかった。全くしなかったけどね、あまり意味がないから。

( ^ω^)「うーん、このままじゃ手詰まりだお……」

ξ゚⊿゚)ξ「聞き込み組が帰ってくるまで掃除でもする?」

( ^ω^)「どうせ今日も成果はないお」

と、丁度いいタイミングで部屋の戸がゆっくり開いた。

(,,゚Д゚)「成果無しだぞゴラァ!」

(*゚ー゚)「うっさい」

ほら、やっぱり何もなかったじゃないか。

ξ゚⊿゚)ξ「二人ともおつかれさま」

909 名前:( ^ω^)は理解に苦しむようです[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 05:11:41 発信元:61.12.169.119
 _、_
( ,_ノ` )「よしお前ら、今日から毎日朝まで待機だ。こっちのメンツもある、力業で叩き潰すぞ」

この部屋のメンツが全員揃ったところで、室長が立ち上がった。
両手に構えた合計六本のタバコからもくもくと天井に上がっていく。
ああ、事件のイライラのせいでどんどん壁が黄色くなりますね。

('A`)「もしかして次の犯行まで待つってことですか?」
 _、_
( ,_ノ` )「そうだ。二日~四日以内には必ず事件が起きているんだからな」

(;^ω^)「えっ」
 _、_
( ,_ノ` )「あ?」

( -ω-)「いえ……」

確かに僕らは実働の方が向いている、というか専門はそっちの方なのだ。
ここ最近色んなとこが忙しいからデスクワークなんてやっているわけで、
ドクオを除けば僕らは脳筋肉と言っても過言ではないくらい学が無い。
 _、_
( ,_ノ` )「本部がもう厳戒態勢なんだ、連絡が来ればすぐに動けるよう準備しておけ」

(,,゚Д゚)「了解だぞゴラァ!」

(*゚ー゚)「うっさい」

ξ゚⊿゚)ξ「ちょっと内藤、いきなり寝るな」

だって、めんどくさいんだからしょうがないじゃないか……。

911 名前:( ^ω^)は理解に苦しむようです[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 05:15:03 発信元:61.12.169.119
翌日。

(´・ω・`)「随分お疲れのようだね」

( ゚ω゚)「一日くらいならまだ大したことないお」

川 ゚ -゚)「過労死するのか? 死んでしまうのか?」

( ^ω^)「おま、いつの間に……」

朝っぱらからショボンのお世話になってしまっていた。
この店、朝五時から開店して夕方に店じまいをするという妙な時間で動いてるためなんだけど。
まあ、その妙な時間の理由はショボンの本業に関わることだから、直接首を突っ込もうとは思わない。
以前ちょっと調べたところだと、僕には理解し難いなにやらすごく複雑なことになっているようなのだ。

川 ゚ -゚)「私はこれから仕事があるんだ」

(´・ω・`)「はい、ワッフルだよクーさん」

ことり、と小皿。

川 ゚ -゚)「わっふるわっふる!」

貪る女。

( ´ω`)「はぁ……これから寝れないと思うと大変だお……」

(´・ω・`)「一日二時間分寝れば十分だろう、空き時間は一分でもあれば癒しに変わる」

あなたとは違うんです。

912 名前:( ^ω^)は理解に苦しむようです[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 05:19:16 発信元:61.12.169.119
からん。

ξ゚⊿゚)ξ「あ、やっぱりここにいたわね内藤」

クーが去った後すぐに、ツンが僕を向かえに来た。
彼女はいきなり腕時計を僕の顔に押し付けてくるが、だいたい理由はわかる。
顔を離してその文字盤を見るとやはり、もうすぐ戻らなければならない時刻になっていた。

( ^ω^)ノシ「多分明日の朝もくるおー」

(´・ω・`)「ああ、そうならないことを祈ってるよ」

ツンに引っ張られながらショボンに適当に手を振り、僕はあの煙たい部屋に戻されるのだった。

( ^ω^)「戻ってきてしまった……」
 _、_
( ,_ノ` )「……」

そして、煙の濃さは増していた。室長がふっとい葉巻に火を着けていたのだ。
彼があの葉巻を、しかも二本咥えている時はかなり危険な状態だ。
室長の体も危険だし、周囲に居る人間も危険。プレッシャーやばい。

( ^ω^)「――ツン、今日は聞き込みに行くお」

ξ゚⊿゚)ξ「え」

……いやあ、比較的自由に捜査ができるこの体制はなかなか僕の性分に合っているなあ。
ほんとに拾ってもらえてラッキーというか、うん。

( ^ω^)「では! さっそく行ってきますお!」

914 名前:( ^ω^)は理解に苦しむようです[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 05:23:20 発信元:61.12.169.119
さっそく、なんて言ってみても現場周辺の聞き込みなんて終えているだろう。
なら、誰も手をつけていないところに行くのが得策だ。
おおーん、寝ていないと少し積極的なれるような気がするな。

からん。

( ^ω^)「ショボーン! いいかお!」

( ´∀`)「……お客だモナ」

(´・ω・`)「……それじゃ、今日の夜にでも」

先客が居た。
まだそれほど寒くはない時期なのに、カウンターに座っていた男は黒い布に身を包んでいた。
その男は大柄な体格には似合わない、優しそうというか間抜けそうな顔をしている。

( ´∀`)「……」

彼は檸檬のような匂いを散らしながら僕とツンの横を通り過ぎていった。
ちらりともこちらを見ず、僕らにはまるで興味がないのであろう動き。
間接視野で見られている感覚もなく、少々不思議な印象を受ける。

(´・ω・`)「どうしたんだい? もう明日になったのかと思ったよ」

( ^ω^)「この辺で闇市やってる奴らが居るのはどこだお」

ξ;゚⊿゚)ξ「え、ちょ、内藤……何言ってるの……」

(´・ω・`)「………随分いきなりな質問をするんだね、刑士さん。いや……内藤くん」

915 名前:( ^ω^)は理解に苦しむようです[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 05:27:36 発信元:61.12.169.119
僕らが言葉を交わさないと、このあたりはなにも音がしなくなる。
車はこの街では使われていないので、外の大きな雑音と言えば何本も通る元気な路面電車の滑走くらい。
時刻はまだ早く、普段外を歩くような人はほとんど仕事か家事に追われているはずなので、外にはほぼ誰もいないのだ。

( ^ω^)「会合の場所が変わったみたいだから、個人的に聞きたいんだお」

その静寂を崩すのは僕の声。我ながら頭の悪そうな響きだ。

(´・ω・`)「あくまで個人的に? それで僕が納得するとでも?」

( ^ω^)「闇市が潰れたら、困るのは君達だけじゃないお」

ξ;゚⊿゚)ξ「……」

(´・ω・`)「外の正規のルートでも効率がよくなっているかもしれない。
      そうなればお上は僕らを手早く潰すように動くと思うよ? 理由がなくなるんだから」

( ^ω^)「一刑士、それも就いてから二年のペーペーにそんな大役は与えられないお」

(´・ω・`)「単なるスケープゴートの可能性は否定できないな」

(;^ω^)「うーん……僕はクーの元パートナー、って意味を理解してもらえれば……」

この調子だとショボンは折れなさそうだし。
あまり言いたくはないけどこう言えば納得してもらえるはずだ。

(´・ω・`)「……ああ、そうだったね。忘れていたよ」

かさり、と持っていた小さな紙を握り潰し、身を翻したショボンは店の奥に消えていった。
こっち関係の事はツンの前では話さないようにしていたのだが、まあこの際、いいだろう。

917 名前:( ^ω^)は理解に苦しむようです[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 05:32:03 発信元:61.12.169.119
ξ;゚⊿゚)ξ「あんたなに考えてんのよ!」

ちょっぴり安心したところで、ツンが小声で耳打ち。
何を焦っているのか知らないけれど、息が凄い耳にかかる。

( ^ω^)「え、闇市の人に情報提供を求めるためだお」

ξ゚⊿゚)ξ「あのね……暗黙の了解ってもんを知らないの?」

( ^ω^)「基本的に不干渉?」

ξ-⊿-)ξ「絶対的に不干渉よ、バカ。
       そこで聞き込みもいいけどねえ、あっちに私達が刑士ってばれたらぶっ殺されるわよ」

(;^ω^)「なんと!」

ξ゚⊿゚)ξ「表面上はうちとあっちは冷戦状態なの。殴りこみに来たかと勘違いされるかも」

( ^ω^)「そりゃーねえ」

ξ゚⊿゚)ξ「だーかーらぁ……」

(´・ω・`)「お待たせ」

カウンターの奥からショボンが帰ってきた。両手にはやたら大きな黒い布を持っている。
そういえば、さっきすれ違った男の着ていたものと同じ色のような気もする。

(´・ω・`)「これ持って。中に入っている紙の場所に行けばそれっぽい誰かは居るはずだよ」

やけにあっさり教えてくれるのはどういう意図もないのだろうか。微妙に引っ掛かるなあ。

918 名前:( ^ω^)は理解に苦しむようです[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 05:37:17 発信元:61.12.169.119
( ^ω^)「ていうかショボンは随分クーを信頼しているみたいだお」

(´・ω・`)「普段はちょっと変わっているけど、仕事は真面目だからね」

( ^ω^)「……まあいいお、助かるお!」

カウンター越しに布を受け取り、一枚をツンに手渡した。
その場で開いてみると、これは先程の男と同じもの?
白のラインが袖を周回している以外、他は全て黒の生地で作られている。
これを着て街を歩いていたなんて、あの男はかなりの強者だろう、精神的な意味で。

(´・ω・`)「くれぐれも気をつけて。何があっても責任は取れない」

( ^ω^)「その時はその時だお」

ξ゚⊿゚)ξ「アホね。アホよあんた」

( ^ω^)「ほら、さっさと行くお」

ξ-⊿-)ξ「………」

からん。

やることが決まればさっさと動くべきだろう。
殺人犯は今日にでも動く可能性があるのだから、先手を打てるなら打っておきたい。
仮に無駄足でも、それはそれでいいじゃないか。

( ^ω^)「にしてもこの布微妙に重いお……」

多分、無駄ではない筈だしね。

922 名前:( ^ω^)は理解に苦しむようです[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 06:00:43 発信元:61.12.169.119
ξ゚⊿゚)ξ「闇市行くのはいいけど、手かがりとかあてはあるの?」

黒い布を抱え、紙に書かれていた地図通りの道、倉庫街から少し外れた路地を歩く。
高い建物と建物の間はどうしてこう嫌な風が吹くのか。この辺は常に暗いからじめじめしているし。
手に持ったこれで風を防ごうとも思ったが、ツンは頑として着なさそうだから僕も着ない。

( ^ω^)「まあ、なくはないお」

「止まれ」

と、話していたらいきなり声を掛けられた。

( ^ω^)「え?」

(`・ω・´)「誰の遣いだ?」

( ^ω^)「いやいやショボン、足早すぎじゃないかお?」

(`・ω・´)「……」

何故かその場所にいたショボン。そして僕の声に何故か怪訝な顔を見せつけた。
そのまま僕らを見定めるように全身を視線が撫でる。これは一体どういうそういうアレの何なんだろう?

(`・ω・´)「……あいつの運び屋か。通れ」

微妙に声が低い、『闇っぽい』雰囲気でも出しているのか。

ξ゚⊿゚)ξ「この先はこれ着た方がいいんですか?」

(`・ω・´)「いや、それはこっちで預かる。貸せ」

924 名前:( ^ω^)は理解に苦しむようです[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 06:05:25 発信元:61.12.169.119
ξ゚⊿゚)ξっ「……ほら、行くわよ内藤」

( ^ω^)「マジかお」

ショボンに畳んで持っていたコートを奪われ、ツンにそのまま引っ張られた。
先は雑居ビルの変なとこについてる裏口だ。以前の入り口とは随分違うな。

ξ゚⊿゚)ξ「ねえ内藤、気付かなかったの?」

( ^ω^)「何に?」

ξ゚⊿゚)ξ「いまの人ショボンさんじゃないわよ」

( ^ω^)「あ、そうなの」

ξ゚⊿゚)ξ「リアクション薄いわね……」

戸を押しあけると中はすぐに、薄暗く幅の狭い下り階段になっていた。
おそらくここから地下に空間が広がるのだろうが、こんなつくりで耐震とかは大丈夫なのだろうか。

( ^ω^)「こっちには色んな人が居るし。ていうかツン、よく気付いたお」

ξ゚⊿゚)ξ「目元が違うわよ目元が。絶対アイツ過去に何人か殺してるわ」

( ^ω^)「じゃあボディチェックとかあったら僕ら死んでたんじゃないかお?」

ξ#-⊿-)ξ「……どこまで考え無しなのよ……………」

(;^ω^)「いや、あのね! 基本ボディチェック無いの僕知ってたからね? 頼むから怒らないで!」

926 名前:( ^ω^)は理解に苦しむようです[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 06:10:22 発信元:61.12.169.119
それからも、うーうー唸りながら僕に噛みついてきそうな圧力をかけ続けるツン。
しかもせっかくそれを無視してそこそこの距離を歩いてきたのに、なかなか人には会えなかった。

( ^ω^)「長いお……」

通路ならばどこかに行き当たるはずなのだが、どういう理屈かそこに辿りつけない。

ξ゚⊿゚)ξ「まだ?」

やがて歩を進める途中、背中の方から声がかかる。
ツンはもう怒っていないようで、いつもの調子で僕に問いをかけてくれた。
生憎答えは持ち合わせていないんだけど、それでまた機嫌損ねちゃうかな。

( ^ω^)「さぁ」

ξ#゚⊿゚)ξ「んー……ぁぁぁぁぁぁああああああああああ!!」

(;^ω^)「うるっさいお! 叫ぶなお!」

両手を伸ばしきれないほどの幅しかない、天井が微妙に高くある細長い道。
壁の手触りは金属のようなコンクリのような、それが理由かツンの声はものすごく響いた。

ξ#゚⊿゚)ξ「おかしいわ!! 遠近感が狂ってる!!」

(;^ω^)「そりゃ!! こんな暗い細道じゃ狂うに決まってるお!!」

文句交じりの叫び声の押収はおそらく十数分に渡って続いた。

その間も僕らは歩き続けていたのだが、どこにたどり着くこともなく。

927 名前:( ^ω^)は理解に苦しむようです[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 06:15:16 発信元:61.12.169.119
「おい! 誰だ!」

なんと、途中で僕らの声に挟めるようにどこかから声がかかった。僕ら以外の人の声だ。

( ^ω^)「ちょっと荒巻に用があるんだお! 昼間は居るはずだお!」

とりあえずどこかに向かって叫ぶ。
なんとかこの窮屈から抜け出したい。

「………上だ! さっさと来い!」

( ^ω^)「上田?」

薄暗い中、しゅるりと上から紐のようなものが落ちてきた音がした気がする。
適当に空中を探してみると、何かが手にぶつかった。

( ^ω^)「縄梯子かお」

後ろのツンは眉間にしわを寄せたまま耳を塞いでいた。
手招きをして僕が先に昇ることをそれとなく伝えると、彼女はすぐに頷く。

( ^ω^)「んじゃ」

安全を確認した後に彼女を呼べばいいのだ。
僕は吊るされた縄梯子をひっつかみ、光が漏れている天井に向かう。
到達点には蓋のように張られた四角の黒い板。
重さはほとんどなく、軽々とそれは動かすことができた。

( ^ω^)「って……………あら?」

928 名前:( ^ω^)は理解に苦しむようです[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 06:19:56 発信元:61.12.169.119
/ ,' 3「久しいな、内藤」

抜け出た部屋、その真正面、すぐそこに荒巻が居た。
というか、それ以外はごちゃごちゃしたものが置かれ、目を向ける必要性を感じなかった。

( ^ω^)「いやいや、ここお前の自室かお」

/ ,' 3「だってこの市場を仕切ってるのはワシだし……」

皮のソファに寝転がり、手前のテーブルに置かれている太った瓶の口をつつきながら荒巻は言った。

(;^ω^)「市場じゃなくね……? 汚い部屋じゃね……?」

見まわしてみても、黄色の壁に映える黒々とした鉄製の部品や、
ちょっと素人が手をつけたら大変なことになりそうな醤油さしなどしか置いていない。
どう見ても、僕が知っている荒巻の部屋だ。あと狭さと臭さも。

/ ,' 3「ああ……お前は知らないか……」

と言いながら、荒巻はソファの下に手を突っ込む。
パッと取り出したのが一枚の紙で、それはやたらホコリにまみれていた。

(;^ω^)「きったねえお……」

/ ,' 3「これ、商相連合の規制対策」

きったねえ紙を渡された。
同時に座ろうと思ったが、きったねえから座れなかった。

( ^ω^)っ紙「……ああ、バラで解体してやってるってことかお?」

930 名前:( ^ω^)は理解に苦しむようです[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 06:25:44 発信元:61.12.169.119
商相連合とは闇市を仕切ってる組織のことだ。
荒巻との関係を簡単に言えば、まあ、親会社と子会社みたいなもの。

( ^ω^)「っていうか、そんなことはどうでもいいんだお」

/ ,' 3「えぇ~? 久しぶりに会ったのに冷たいぞっ☆」

突然、気持ちの悪い老け顔で、気持ちの悪いギャルのような声を出す荒巻。
こいつは声帯模写が得意で、どうせさっきの上からの声もほんのお遊びでやっていたのだろう。

( ^ω^)「殺人犯を追ってるんだお、知ってることはないかお?」

/ ,' 3「………知ってるが、お前の態度が気に入らない」

( ^ω^)「ゆるしてちょ」

/ ,' 3「………」

( ^ω^)「………」

/ ,' 3「仕方ないのぉ………」

今のどこにオッケーを出せたのだろうか。

( ^ω^)「どこまで知ってるんだお」

/ ,' 3「いや、普通に誰が殺ったか」

( ^ω^)「な……マジかお」


931 名前:( ^ω^)は理解に苦しむようです[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 06:30:23 発信元:61.12.169.119
「ウォォォォォラアアアアァアァァァァァアァァァァァァ!!!!!」

と、丁度いいところでツンの叫び声が聞こえた。
多分ものすごい暴れている、暴れ猿のようなキーキー声が背後の床から響いてくるのだ。

(^ω^ )「………」

/ ,' 3「………」

( ^ω^)「で、誰だお」

/ ,' 3「モナーという男じゃ。なかなか狂った男でのう、うちの小売のお得意さんじゃよ」

そうか、だから荒巻は通報しないということか。
自分の命を取られる可能性は考慮していないのだろう。
彼はあくまで商売人、そこについては僕も責める気など一切ない。

( ^ω^)「そいつはなんで殺しを?」

/ ,' 3「そこまでは知らん。ちょっとキレた時に聞いただけじゃ」

少し厄介そうな気がしてきた。
さすがにまともな人間ではないようだ。

( ^ω^)「あ………お得意さんってことは……」

/ ,' 3「どうした?」

(;^ω^)「……ちょっと、ツンが心配だお」


932 名前:( ^ω^)は理解に苦しむようです[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 06:36:16 発信元:61.12.169.119
すぐさま僕は後ろの出口に飛びこみ、固い地面に降り立った。
案の定ツンの姿は無く、どちらを向いても人の姿はない。

(;^ω^)「うわ、これやばいかも知れないお……」

立ちあがる時間も惜しい、足を無理に傾けながら、一気に床を蹴った。
階段は手から付き、倒立する形に伸びた体をばねのように縮め、力を一気に外の一点へと投げる。
体の調子は悪くない、外まで跳びはねる体は羽よりも軽い。大丈夫だ。

ξ#゚⊿゚)ξ「あ゛! なにやってたのよ!」

( ´∀`)「モナ?」

カエルのようにべたりと着地した先、じめじめした地面には三人。
ナイフを構えた男と、手が血だらけのまま叫ぶツン、さらに、さっきのショボンに似た男だ。

(;^ω^)「なにやってんだお!」

( ´∀`)「市場に刑士が居たから殺すとこだモナ、内藤」

( ^ω^)「ん?」

どうしてこいつは僕の名前を?

ξ#゚⊿゚)ξ「さっさと加勢しろぉぉぉぉぉぉ!」

ああそうだ、それよりもさっさと捕まえなくては。バッヂ、見えるかな?

( ^ω^)「ああ、渋沢担当室内藤執刑士、そこの変態をぱっと排除させてもらうお」


933 名前:( ^ω^)は理解に苦しむようです[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 06:41:40 発信元:61.12.169.119
( ´∀`)「あれ? 内藤も刑士だったのかモナ?」

ツンに向かって小刻みにナイフを振り牽制しながら、彼は僕の方を向いた。
なにかベタベタとした印象を受ける奇妙な声だ。

( ^ω^)「語尾的に、お前がモナーかお」

( ´∀`)「どうして僕の名前を知ってるモナ?」

ξ>⊿<)ξ「うっ!」

ナイフの動きに気を取られていたツンの腹にモナーの踵がめり込んだ。

( ^ω^)「………(語尾的に……)」

( ´∀`)「まあいいモナ。刑士なら、殺すしかないモナ」

奴の胴が完全にこちらへ向いた。僕はその場でしゃがみ、靴を脱ぐ。
あそこからなら、だいたい三歩程度で奴は僕の射程範囲にかかる。
口調の粘着感とは裏腹に、力強くここへ向かう足。
予想より少しだけ早い……が、2、1――そこだ。

(`・ω・´)「早いな、なかなかやるじゃないか」

ξ;-⊿゚)ξ「いたたた」

僕が宙に浮く間に、腹を押さえて痛がるツンの様子と、口角を吊り上げる男の姿を確認した。
あと、視界の丁度真下に、ふらつくモナーの姿も。

(  ∀ )「……っぎ?」

936 名前:( ^ω^)は理解に苦しむようです[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 06:45:46 発信元:61.12.169.119
( ^ω^)「っと、この感じ、素人かお?」

我が必殺のサマーソルトキックをモナーの顎に直撃させ、難なく着地した。
すぐに靴を履きなおし、爪先を詰める。
丁度、モナーが仰向けに倒れたのもその時だ。

ξ;゚⊿゚)ξ「んなわけないでしょ……私が止められなかったんだから」

手の出血を破いたシャツで止めながら、ツンがこちらに歩いてきた。
あれは大した怪我ではないし、彼女は本当に苦戦していたのだろうか。

( ^ω^)「それより、こいつ犯人だお」

ξ゚⊿゚)ξ「何の?」

( ^ω^)「連続殺人」

ξ゚⊿゚)ξ「あら」

( ^ω^)「うん」

ξ;゚⊿゚)ξ「あららららららららら!? じゃあ早く連行しま――」

/ ,' 3「駄目じゃよ、刑士が闇市の客を取るとでも?」

いつの間にか荒巻は僕の後ろで、ガラクタを抱えて声をかけてきていた。
これが商人の権利なんて、本当にずるいシステムだなあ、この街は。

( ^ω^)「それとこれとは別だお、そもそも君と僕は取引無しで情報をやり取りしたんだし」

938 名前:( ^ω^)は理解に苦しむようです[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 07:00:35 発信元:61.12.169.119
(`・ω・´)「……それが事実なら、俺達は引きましょう、荒巻さん」

黙っていた彼が口を開いた。
公正な判断ができる人間が味方につくといいね、うん。

/ ,' 3「ワシも遊びで商売やってるわけじゃ……」

(`・ω・´)「駄々をこねると子供に見えますよ?」

/ ,' 3「実年齢はまだまだ子供じゃわい」

拗ねる彼の姿は、どう見ても老人のそれなのだが。

(`・ω・´)「いいでしょう、別に。どうせいつかは捕まるわけだ、なら今こうなったところで、ね」

( ^ω^)「……モナー次第では、君達も危険であるとは言っておくお」

(`・ω・´)「俺はいつでも医師の権利を行使することができるからな。関係が無いんだよ」

ああ、自分のことしか考えていないのか。だったら僕にも関係無いな。

ξ゚⊿゚)ξ「トラブらないなら早く連行しましょ、室長の肺が危ないわ」

裏は取れてないけれど、とりあえず傷害の現行犯であるうえに、一応執行妨害でしょっ引ける。
あの部屋がこれ以上ヤニ臭くなるのは嫌だから、さっさとモナーを連れていこう。

(^ω^ )「そうだ、荒ま」

また、あいつは居なくなっていた。
商人の指定範囲内の空間構成歪曲はどう考えてもチートだよ、やっぱり。

939 名前:( ^ω^)は理解に苦しむようです[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 07:05:47 発信元:61.12.169.119
ξ゚⊿゚)ξ「室長! マル被を捕まえてまいりました!」
 _、_
( ,_ノ` )「今時マル被なんて誰も言わんわ」


モナーを室長経由で上に引き渡した。僕らはあとは待ちの姿勢になるだろう。

そちらの聴取次第でこっちがどう動くかが決まるだろうし、とりあえずツンと二人で机の掃除を始めた。

結局、ここに詰まれた膨大な資料はほとんど意味がなかったような気がする。

そもそも、もっと早くから能動的に動いていればここまで被害が出なかったのかもしれない。

荒巻⇒モナーの直行コースなんて、単純過ぎて呆れてしまいそうだ。

確かに僕らが普段手を触れていい場所ではなかったのだが、割り切って行っていればなあ。

そうだ、ショボンにも後でお礼を言っておこう、あの場所を教えてもらったんだし。

うーん、連日徹夜になるのは避けられた、それだけは個人的に喜んでいてもいい、かな。

ξ゚⊿゚)ξ「……」

( ^ω^)「ん? どうしたんだお?」

掃除を適当に済ませると、ツンがボーっとしていたことに気付いた。
実際さっきまでは僕も似たような状態だったかもしれない。
あれは拍子抜け、というやつだろうか。

ξ゚⊿゚)ξ「……あいつの『得意なもの』って、何?」

940 名前:( ^ω^)は理解に苦しむようです[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 07:11:30 発信元:61.12.169.119
( ^ω^)「殺人じゃないかお?」

ξ゚⊿゚)ξ「なんか納得いかない……そんな安易なものかしら?」

( ^ω^)「そんなこと言われても………」

そういえば、どうしてあいつは僕の名前を知っていたのだろうか。
ショボンあたりに聞いた? それとも荒巻から?

荒巻は僕の話をするとは思えない、彼と僕は特別親しいわけではないのだ。
というか、僕の姿を知っていたとはどういうことだろうか。
写真でも見たのか? どうして? 何のために?

(;^ω^)「なんか納得いかないお………」

ξ゚⊿゚)ξ「だいたいあれだけの犯行を一人で行える? 誰にも捕まらずに」

( ^ω^)「それは聴取でわかることだお、どうせ一人じゃない、お?」

一人じゃない、協力者。
待てよ、何か引っ掛かる。

ξ;゚⊿゚)ξ「いきなりなに難しい顔してるのよ……」

ツンだって、難しい顔で僕を見ていた。
その手の先には書類に埋もれていたのか、いろいろなものが転がっている。
使いきった化粧道具が主で、中でもポップなカラーの小瓶が目立っていた。

( ^ω^)「………」

942 名前:( ^ω^)は理解に苦しむようです[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 07:16:16 発信元:61.12.169.119
('A`)「お前ら何唸ってんのよ」

( ^ω^)「あ、いたのかお」

(;'A`)「おいおいおい、俺は朝からデスクワークですよ?」

( ^ω^)「打ち込みゲロ早いからどうせ遊んでたんだお」

('A`)「あら、バレてら」

ξ゚⊿゚)ξ「いいわよねー、仕事に向いた特技ある人は」

('A`)「嫌味か? 悔しかったらアイドルにでもなればいいだろ」

ξ#゚⊿゚)ξ「うっわ、とんでもない皮肉を言うのねあんた……」

('A`)「褒めたつもりなんだが」

( ^ω^)「ツン的にはアウトらしいお」

('A`)「それよりよ、今日飲み行こうぜ?」

( ^ω^)「気が早いお……」

('A`)「大丈夫だって、明日はどうせ休日なんだ、飲みに行くこと自体は誰も責めねえよ」

ξ゚⊿゚)ξ「飲みに行くこと自体は、でしょ? 別にいいけど」

( ^ω^)「じゃあギコとしぃも誘うお」

943 名前:( ^ω^)は理解に苦しむようです[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 07:21:13 発信元:61.12.169.119
振動音が聞こえる。

僕の頭の上からだ。

そうだ、寝ていたんだ、僕は。

ああ、喉がカラカラだ。

少し頭も重い。

飲み過ぎたのか。

しかし、振動音は止まない。

もうすこしすれば、留守録機能が作動するはずだ。

それまで耐えれば。

ぴー。

『内藤! 一体何時間寝てるのよ! また殺人が起きたの! 走ってきなさい!』

( -ω-) 

( ゚ω゚)  !

すぐさま僕は跳び上がり、着ていた皺だらけのスーツのまま電話を取った。
ツンの指定の場所、殺害現場はバーボンハウスだそうだ。
急がなくてはならない。
余計な思考よりも前に、僕は身体を走らせた。

945 名前:( ^ω^)は理解に苦しむようです[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 07:26:23 発信元:61.12.169.119
ξ゚⊿゚)ξ「いつまでも寝てんじゃないわよ」

( ^ω^)「悪かったお」

現場には既に捜査の手が入っていた。
普段見ていたあの店舗の姿は見る影もない。

( ^ω^)「これは爆弾かお?」

扉は存在すらせず、中は真っ黒な煤にまみれていた。
先日見た景色を想像できないほどに滅茶苦茶で、まるで台風が通り過ぎたかのような。

ξ゚⊿゚)ξ「そうよ」

( ^ω^)「それにしても、」

それにしても、こんなに目立つやり方を取るとはどういうことだ。
今までの殺人犯ではない? そもそもモナーはどうなった?
あのメッセージは? これほどの規模なら、目撃者が居るのでは?

ξ゚⊿゚)ξ「この件にモナーは関与していないわ」

( ^ω^)「現場のメッセージはあったかお?」

ξ゚⊿゚)ξ「無いわよ。それに、あなたを叩き起こしたのは事件のためじゃない」

( ^ω^)「どういうことだお」

ξ゚⊿゚)ξ「ついさっきまで逃走していた犯人のためと、この惨状を頭に入れさせるため」


946 名前:( ^ω^)は理解に苦しむようです[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 07:30:32 発信元:61.12.169.119
僕はそのままツンに引っ張られ、普段は来ない取調室まで連れてこられた。
取り調べは本来、僕らの領分じゃないんだけど。

ξ゚⊿゚)ξ「座って」

( ^ω^)「お」

顎でパイプ椅子をしゃくるツン。
まるで僕が容疑者みたいじゃないか。

ξ゚⊿゚)ξ「これからギコが容疑者を連れてくるから、待ってて」

( ^ω^)「……わかったお」

どうも、僕はついていけていない。
一体ツンは、いや、彼女に限った話でもない。
別の部署の取り調べ室に来たのに、誰も僕を見なかった。

どういうつもりなのだろうか。

まだ重い頭には、思考の余地が無い。

(,,゚Д゚)「連れて来たぞゴラァ」

ギコがやってきた。

( ^ω^)「これは一体―――」

彼の後ろにいたのは、僕のよく知っている女。
そいつは僕の、薄汚れた探偵時代のパートナーだった。

948 名前:( ^ω^)は理解に苦しむようです[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 07:35:17 発信元:61.12.169.119
川 ゚ -゚)「やぁ、内藤」

彼女の顔は相変わらずの無表情で、真っ直ぐに僕を見つめる。
ギコはそのまま静かに部屋を出ていき、残ったのは机を挟んだ僕とクーだけだ。

( ^ω^) ・・・

何を言えばいいのだろう。

川 ゚ -゚)「驚いたか?」

( ^ω^) ・・・

やはり頭が目に追いついていない。

川 ゚ -゚)「なんとか言ったらどうだ?」

( ^ω^) ・・・

クーが居る、ということは、クーがショボンを殺したのか。
それは、

( ^ω^)「どうして?」

川 ゚ -゚)「その質問、何について聞かれているのか私は判断に迷うんだが」

( ^ω^)「どうして、」

お前が?

949 名前:( ^ω^)は理解に苦しむようです[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 07:40:16 発信元:61.12.169.119
川 ゚ -゚)「頭を働かせろ、あまりにも単純な話だ」

( ^ω^)「……仕事を変えたのかお?」

川 ゚ -゚)「それはある」

( ^ω^)「……愉快犯かお?」

川 ゚ -゚)「それもあるな、二人目からは」

クーが仕事で殺人をしていた、なんだ、そんな単純なことか。
だったら、それでいい。こうして捕まったんだ、これでこの件は終わりだろう。

川 ゚ -゚)「だが、それは本筋じゃない」

( ^ω^)「意味がわからないお」

川 ゚ -゚)「私は、お前のために人を殺してきたんだよ」

( ^ω^) ・・・

まったく意味がわからない。
僕の捉え方に問題があるのか。
生憎だが、僕は誰かが死んで得するような職には就いていない。

( ^ω^)「全く、意味がわからないお」

川 ゚ -゚)「私は、お前を愛しているんだ」

僕は、殺人犯は御免だよ。

951 名前:( ^ω^)は理解に苦しむようです[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 07:45:13 発信元:61.12.169.119
( ^ω^) ・・・

川 ゚ -゚)「なぜお前がここに呼ばれたかわかるか?」

( ^ω^)「見当も」

川 ゚ -゚)「私がそちらに条件を出したんだ。『私が君達に協力する』と」

( ^ω^)「……」

川 ゚ -゚)「『彼がこの事件の主犯である証拠をあぶり出すから、話をさせろ』と」

彼女は、何を馬鹿なことを言っているのだろうか。

( ^ω^)「僕と話す口実かお」

川 ゚ -゚)「そうだ。そう言っておけば、形だけでも彼らは私とお前を話をさせなければならなくなる」

( ^ω^)「この前ショボンの店で会ったじゃないかお、あそこに通っていればそのうち――」

川 ゚ -゚)「私はお前にメッセージを送っていたのに、お前は気付かなかった」

( ^ω^) ・・・

こいつは、何を馬鹿なことを言っているのだろうか。

川 ゚ -゚)「お前に私を止めて欲しかった。殺人衝動に駆られた私を、お前の手で。
     パートナーであるお前なら、私は殺されたって構わなかった。だから殺した。
     たくさん殺した。いつか私がお前に殺された反動が甘美なものになるように、
     いろんな死に方を試した。どんな風に殺されてもいいから、ただ、私は、」

952 名前:( ^ω^)は理解に苦しむようです[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 08:00:16 発信元:61.12.169.119
( ^ω^)「お前はもう、僕のパートナーじゃないお」

川 ゚ -゚)「違う、私の本来のパートナーはお前だけ、お前の本来のパートナーは私だけ。
     だから私をわかってくれると思った。お前なら私の痛む心を理解してくれると思った。
     これは独りよがりではない私たちの共通認識だろう。違うか? 違わないだろう?」

( ^ω^)「違うお、そもそも僕にとってパートナーというものは、個人を指すものじゃないお」

川 ゚ -゚)「二人で決めたじゃないか、同じ香りをパートナーの証にしようと。
     それを私は他の男でも試したのに、お前とは全然違う。
     やはりお前しかいなかったんだ。一人目を殺した時、私は思ったよ」

もう完全に話が通じないじゃないか。
こいつはさしずめ、初めての殺人の依頼を受けて罪悪感に潰れてしまったのだろう。
その時にすがるもの、自分を支えるものが僕だったのは、きっとたまたまだ。

( ^ω^)「お前の言い分はわかったお。でも、どうして知り合いのショボンまで殺したんだお」

川 ゚ -゚)「わからない」

( ^ω^)「……そうかお」

このまま話しても、得られるものはおそらく何もない。

( ^ω^)「…………ギコ、もうこいつと話すことは何も無いお」

戸の裏にいるであろうギコに声をかける。
もうこいつと話す必要なんてないのだ。
ただの気狂いの犯行に意味なんてないのだ。
こいつの言葉を理解する価値なんて、存在しないのだ。

954 名前:( ^ω^)は理解に苦しむようです[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 08:03:24 発信元:61.12.169.119
ξ゚⊿゚)ξ「おかえり」

( ^ω^)「……」

取調室からギコと帰ってくると、ツン達がコーヒーを飲んでいた。

('A`)「お前、大丈夫か?」

大丈夫、二日酔いが酷いだけなんだ。

( ^ω^)「お」

('A`)「顔色滅茶苦茶悪いぞ……」

ああやって、いつも彼女は僕を困らせて、意味不明な行動をして。
全然理解できない、面白い奴だと思っていたのに。

( ^ω^)「大丈夫だお」

そう思っていたのに。

ξ゚⊿゚)ξ「内藤?」

( ^ω^)「疲れてるだけだお」

('A`)「ふぅ……あー、探偵の権利はこれから剥奪されるかもな」

( ^ω^)「いかなる場所でも捜査することのできる権利、かお。あんなの、本当なら必要が無いのに」

('A`)「そもそも、街の権利体制がまだ確立されていないしなぁ」

955 名前:( ^ω^)は理解に苦しむようです[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 08:06:12 発信元:61.12.169.119
 _、_
( ,_ノ` )「内藤」

( ^ω^)「なんですお?」
 _、_
( ,_ノ` )「今日は帰れ」

( ^ω^)「でも……」
 _、_
( ,_ノ` )「おいおい、お前は上司にまで気を遣わせるのか?」

そんなつもりは毛頭ないのだけど、
こんな言い方をされては、僕もどうすることもできないじゃないか。

ξ゚⊿゚)ξ「あとで部屋行ってあげるから、帰りなさいよ」

ツンの言葉に黙って頷くことしかできないのは、何故なんだろうか。

そのまま僕は家のアパートまで歩いて帰り、手を洗って、
ずっと着替えていないスーツでベッドに潜った。

( ^ω^) ・・・

ああ、気持ちが悪い。

本当に、気持ちが悪い。

いつの間にか僕のまぶたは開かなくなっていて、
僕が意識を飛ばす寸前なんて、もう、よくわからない。

957 名前:( ^ω^)は理解に苦しむようです[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 08:09:16 発信元:61.12.169.119
ξ゚⊿゚)ξ「ああ、起きたのね」

( -ω-)「あ……」

ツンの声だ。
ああ、なぜだか安心する。
理由なんてもう、考える必要なんてないじゃないか。

ξ;゚⊿゚)ξ「え、ちょっと、どうしたの?」

(  ω )「少しでいいから、こうさせて欲しいお」

僕は反射的に、彼女に抱きついていた。
考える頭を投げ捨てたい。もうこのまま、嫌なことは全部忘れていたい。

ξ゚⊿゚)ξ「……」

(  ω ) ・・・

ξ゚⊿゚)ξ「大変だったね、内藤」

(  ω )「ツン」

ξ゚⊿゚)ξ「なに?」

(  ω )「ありがとうだお」

ξ゚⊿゚)ξ「……気にしないでよ。私達、パートナーじゃない」

その言葉は今の僕にとって随分、重い意味を持っているような気がした。

958 名前:( ^ω^)は理解に苦しむようです[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 08:11:44 発信元:61.12.169.119

(  ω )「パートナーって、なんなんだお」

ξ゚ー゚)ξ「え? だからそりゃー私よ、私」

体を離した僕の目の前では、ツンが胸を張って笑っていた。

それがどういう意味なのか、僕にはまだ理解できそうにない。

しかし誇らしげなその表情は柔らかく、安心感を与えてくれているのは事実であるといえる。

(*^ω^)「ぷっ」

ξ゚⊿゚)ξ「えー? なに噴き出してんのよ」

(*^ω^)「なんでもないお」

ξ-⊿-)ξ「ったくもー……」

だったら今ぐらいは。

この温もりに、甘えてしまっても。



( ^ω^)は理解に苦しむようです  おわり




959 名前:( ^ω^)は理解に苦しむようです[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 08:13:25 発信元:61.12.169.119
総合お題より、

285 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2010/01/16(土) 01:26:57.83 ID:u5shXcXG0

元・探偵

286 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] 投稿日: 2010/01/16(土) 01:28:17.32 ID:AU4bbDeH0

サーマーソルトキック

こんなクソ時間に支援とかありがとうございました

あー疲れた

なんかあったらどうぞ

960 名前:いやあ名無しってほんとにいいもんですね[] 投稿日:2010/02/11(木) 08:16:23 発信元:124.146.175.77
乙でした

削ったせいもあるんだろうけど、説明と描写が不足かと思う。最後が唐突に感じた

961 名前:いやあ名無しってほんとにいいもんですね[] 投稿日:2010/02/11(木) 08:17:37 発信元:124.146.175.77
サマソで靴脱いだのはなぜ?
シャキンは医者なの?

962 名前:いやあ名無しってほんとにいいもんですね[sage] 投稿日:2010/02/11(木) 08:22:47 発信元:61.12.169.119
まとめ
>>888-897>>905-906>>908-909>>911-912
>>914-915>>917-918>>922>>924>>926>>928
>>930-933>>936>>938-940>>942-943>>945-946
>>948-949>>951-952>>954-955>>957-958


>>960
うん、もっと書こうか迷って飽きちゃったパターン
ていうか書き終えてから推敲しないで投下ってのがキチ過ぎた反省

>>961
本気でぶちかますと多分死ぬからです
シャキンは医師免許持ってる感じ 医師は患者がいれば捕まらない世の中みたいな

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