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/ ,' 3 ある一室でのある作家とある編集の会話のようです (*゚ー゚)

878 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/30(月) 23:02:20.47 ID:Ql4UBn8SP
(*゚ー゚)「もう、鍵ちゃんと閉めておいてくださいよ」

/ ,' 3「いつものことだろう、そろそろ慣れてくれ、編集君」

(*゚ー゚)「知りませんよ、何が起きたって」

/ ,' 3「私の毎日は、編集君が来て始まり、編集君が帰って終わるのだよ。
    昨日と同じ今日が始まり、今日と同じ明日がくるんだ。 人間ある程度歳をとると、環状線だ」

(*゚ー゚)「そうですかそうですか。 そんなことはない、と僕は思いますけどね。
     と、いうか、先生は僕と大して年齢変わりませんからね? そこのところ、お願いしますね」

/ ,' 3「精神的な年齢と、生まれ持った性格と、顔の造形によっては、十以下のサバならわかりやしないよ」

(*゚ー゚)「いや、僕は国が認めている、先生の正確な年齢を知ってますからね?」

/ ,' 3「もしかすると国すら私の本当の年齢を把握していないのかも知れない」

(*゚ー゚)「国が公認しているんでしたら、それはもう僕ら一般人にとっては本当になりますから、それはきっと本当なんです」

/ ,' 3「私だけが知っている、というわけだ」

(*゚ー゚)「その場合、先生だけが異常者扱いされますから」

/ ,' 3「とんだ民主主義だ。 多数決国万歳万歳」


881 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/30(月) 23:04:22.46 ID:Ql4UBn8SP
(*゚ー゚)「そんなことより、そろそろ新作いいんじゃないんですかねえ。 先生。
     編集部のみなさんが言ってますよ、多数決をとったところ、十数対一という結果が出ました」

/ ,' 3「待ってくれたまえ編集君。 努力はしているのだよ。
    私が悪いのではない、寒さで悴むこの指先が悪いのだ。 脳からの電気信号に背くのだ。
    すなわち、キーボードが叩けぬ故、冬を早々に終わらせるべきだ」

(*゚ー゚)「夏は『太陽が地球に近づきすぎて汗ばむ故、太陽を割ってくるべきだ』でしたっけ?」
     いつまでも子供みたいなこと言わないでくださいよー、もう。 こたつ片付けちゃいますからねー」

/ ,' 3「ああ、やめてくれえ編集君」

(*゚ー゚)「ダメですよー」

/ ,' 3「みかん二つ、みかん二つで手を打とう!!」

(*゚ー゚)「ダメなものはダメです、ほら、そっち持ってくださいよ。 僕一人に片付けさせるんですか」

/ ,' 3「今片付けたら間違いなく私は書けなくなるだろう、冬が終わるまで、ずっとずっと。
    ああ、もしかしたら、冬眠してしまい、春眠が暁を覚えず、
    起きても夏の暑さにうだり、快適な秋を遊び、冬になって再び冬眠してしまうかもしれない」

(*゚ー゚)「むむう、そう来ましたか、いくら僕と言えど、一年中先生に付きまとうのは中々骨が折れます」

883 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/30(月) 23:06:22.40 ID:Ql4UBn8SP
/ ,' 3「そうだろうそうだろう、編集君だって色々な作家さんの原稿を取りに回らなければならない。
    私一人にそんなに時間を割いてはいられまい、
    つまり私をなんとかしなければ、編集君はあの鬼のような編集長に雷を落とされるわけだ」

(*゚ー゚)「そんなことになったら、僕はきっと泣いちゃいます。
     この仕事も辞めちゃうかもしれません」

/ ,' 3「編集長の命を受けて、先生方の場所を回って、原稿を貰い、編集長の言葉を貰う。
    その過程にある何かを私は詳しくわからないが、きっと、
    怒られるのも仕事の内で、怒号の大きさが給料に関係しているのではないだろうか、私には到底無理な仕事だ」

(*゚ー゚)「怒られて給料が変動するのは、どこの職場でも同じだと思いますよ」

/ ,' 3「私は編集君に辞められたくはない。
    と、いうわけでこたつを持ち上げようとしている手を放したまえ」

(*゚ー゚)「仕方ないですねえ。 とりあえず僕も入ります」

/ ,' 3「そうしたまえ」

(*゚ー゚)「ぬくぬくです」

/ ,' 3「ぬくぬくだ」

884 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/30(月) 23:08:23.88 ID:Ql4UBn8SP
(*゚ー゚)「ちょっと先生、足邪魔ですよ。 伸ばさないでください」

/ ,' 3「これは私のこたつだ、どうしようと私の勝手だろう」

(*゚ー゚)「なんで二人しかいないのに、こたつ内で自分の領域を確保する対戦を始めなきゃいけないんですか」

/ ,' 3「自らがより快適な体勢を保とうとするのは普通じゃないか」

(*゚ー゚)「わかりましたから、先生、足を僕の足の上に据え置かないでください」

/ ,' 3「仕方ない、編集君がそんなに嫌がるのなら止めておこう」

(;*゚ー゚)「そうしてくだ……わっ!?」

/ ,' 3「……」

(;*゚ー゚)「やっ、ちょ、ちょっと!」

/ ,' 3「……」

(;*゚ー゚)「せ、セクハラですよう!」

887 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/30(月) 23:10:16.44 ID:Ql4UBn8SP
/ ,' 3「えー、私は足を伸ばしてるだけだよ」

(*゚ー゚)「僕が訴えたら、先生、負けちゃいますよ」

/ ,' 3「編集君との関係は大事なので、私は足を引くことにしよう」

(*゚ー゚)「よしよし、わかればいいんです、わかれば」

/ ,' 3「こたつは気持ち良いものだなあ、日本の宝だ。 英明な発明者がいるものだねえ」

(*゚ー゚)「先生の部屋は、こたつと布団とパソコンぐらいしかない部屋ですからねえ。
     あ、そろばんがありました。
     氷上で踊るフィギュアスケートの選手みたいに、畳の上を滑ってます」

/ ,' 3「日本尽くしだなあ、我が城は。
    氷の上にこたつがあるだなんて、素敵だとは思わないかい」

(*゚ー゚)「僕としては、紙の上に文字が躍ってるほうが好きですねえ」

/ ,' 3「そうかい」

888 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/30(月) 23:12:14.19 ID:Ql4UBn8SP
(*゚ー゚)「宇宙に散らばる星の数では足りないほどの文字が、本屋には並んでいるんですよ」

/ ,' 3「ロマンチックエンジン全開だねえ」

(*゚ー゚)「でしょう?」

/ ,' 3「とはいえ、その中での何割が、本当に星の如く光り輝く文章なんだろうね?」

(*゚ー゚)「……その、書くことから避けようと避けようとする堅持な方針をなんとかできませんか。
     読者も待ってるんですよ」

/ ,' 3「私は読者の奴隷ではないのだよ。 好きなときに書くのだ」

(*゚ー゚)「欲望の奴隷ですけどね、先生は。 特に三大欲求が物凄いです。 特に睡眠欲が」

/ ,' 3「人生の三分の一は睡眠時間なんだよ、当然だろう」

(*゚ー゚)「先生はさらに普通の人の一.五倍ですけどね。
     つまり、そこを削ればもっと書けると思いませんか?」

/ ,' 3「そこを削ると、満足に人間としての活動ができないのだよ」

(*゚ー゚)「満足に書けなくてもいいんじゃないですか? 先生の得意な、誤魔化し誤魔化しですよ」

/ ,' 3「それは駄目だ。 絶対にやっちゃいけない行為だとは思わないかい。
    読者にも出版社にも失礼だよ。 最低の行為だと思うね」

(*゚ー゚)「ははあ」

889 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/30(月) 23:14:18.32 ID:Ql4UBn8SP
/ ,' 3「よく自分の作品に向かって『この作品は駄目だ』と言う作家がいるけれど、好ましくないなあ」

(*゚ー゚)「でもやっぱり、過去作だったりしますと、仕方がないんじゃないですか?」

/ ,' 3「そうなんだけど、でも、そのときの自分の全力を出した、その時点での努力の結晶なのだから、
    その時の作品を駄目だと言ってしまうと、今の自分をも否定することになってるようで、なんだか嫌だな」

(*゚ー゚)「しかし『反省点』という風に着目して、そこを改善していけば、更なる高みに上れますよね」

/ ,' 3「昔の自分を否定することによって今の自分を昇華させる、というのは、なんだかおかしいと思わないかい?
    いやまあ、そういう風に私自身も上達してきたんだろうけどね。 上達といっても、本当に小さな上達だけど。
    そんな一歩が、私は大好きだよ、過去作を振り返って『ああここはこうしたほうがいいなあ』とか感じる瞬間が大好きだ」

(*゚ー゚)「成長した、と感じれる瞬間ですものね」

/ ,' 3「うん」

(*゚ー゚)「そこでですね、いい案があるんですが」

/ ,' 3「なんだい?」

(*゚ー゚)「十年後に成長した、と思うために現時点での努力の結晶を物語にしてみませんか」

/ ,' 3「えー」

(*゚ー゚)「えー、じゃないですよ」

891 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/30(月) 23:16:26.05 ID:Ql4UBn8SP
/ ,' 3「読者は慧眼な方ばかりだからなあ、
    いつ自分の矮小な才能が露見するかと思うと、満足に筆を執れないよ」

(*゚ー゚)「山月記の李徴ですか? 虎になっちゃうんですか、先生は。
     あ、それとも森見登美彦の新訳の方ですか? 天狗になるんですか?」

/ ,' 3「今でも既に人外みたいなものだよ、こんな生活、人間と呼べるものか」

(*゚ー゚)「そうですか? 僕は嫌いじゃないですけど」

/ ,' 3「私も気に入っている、だから、このスタンスを崩すことはない。 だから、私は書かない」

(*゚ー゚)「はあ」

/ ,' 3「ため息をつくと幸せが逃げるらしいよ」

(*゚ー゚)「はあ」

/ ,' 3「この部屋内に幸せの塊が浮遊していると考えると、そう悪くはないね」

(*゚ー゚)「僕が回収しますから、そうっとしておいてくださいよ」

/ ,' 3「部屋の中央にでも飾って、眺めておくよ。 いつ回収に来るんだい?」

(*゚ー゚)「先生が新作を書き上げたらです」

893 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/30(月) 23:18:20.59 ID:Ql4UBn8SP
/ ,' 3「とりあえず、今日はもう遅いから寝てしまおう。
    わはは、いくら編集君といえど、さすがに私の夢の中までは追って来れないだろう」

(*゚ー゚)「そうですね、また今日も逃げられました。
     そろそろ……本当にお願いしますよ?」

/ ,' 3「なんとかしたいと思ってはいるが、残念ながら、この結果だよ」

(*゚ー゚)「急がず休まず、先生のペースでいいですから、ね?」

/ ,' 3「頑張れ、私」

(*゚ー゚)「じゃあ、おやすみなさい。 あ、布団はしっかりかぶって寝てくださいね。
     いつも朝、蹴飛ばしているんですから。 寒いのに、風邪引きますよ。
     いつまでも子供みたいなことしないでくださいねー」

/ ,' 3「わかった、わかったよ、編集君はまるで母親だ。
    私が眠りに落ちるまで、添い寝してくれてもいいんじゃあないか?」

895 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/30(月) 23:21:25.48 ID:Ql4UBn8SP
(*゚ー゚)「僕ですか? うーん、まだ仕事があるので。
     あ、でももうちょっとしたら、休みます」

/ ,' 3「そうかい、なら、もう私は先に布団に入って休むよ。
    あんまり根を詰めないで遅くまで起きてちゃ駄目だよ、体壊さないようにね」

(*゚ー゚)「えー、先生がそれを言いますか。 ふふっ」

/ ,' 3「む、笑ったね。 私が心配したら可笑しいとでも言うのかい」

(*゚ー゚)「あはは、ごめんなさいごめんなさい」

/ ,' 3「むう」

(*゚ー゚)「それじゃあ先生、改めて、おやすみなさい」

/ ,' 3「うん、おやすみ――また、明日」

(*゚ー゚)「……仕方がないですねえ、本当に、もう」


/ ,' 3 ある一室でのある作家とある編集の会話のようです 了 (*゚ー゚)

901 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/30(月) 23:57:00.70 ID:Ql4UBn8SP
以上で投下終了です。
支援ありがとうございました。

・ある編集とある作家のようです、からタイトルをインスパイア。

・トイレット・ピープルのようです、から一文を引用させていただきました。

意見、感想、批評、何かあればお願いします。

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