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lw´‐ _‐ノv熱を欲するようです


566 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/06(水) 02:39:58.22 ID:zZyGwGVq0
 我が家には、一匹の猫がいた。
 いた。というのは、それは彼女が一か月前に死んでしまったわけであり。
 我が家には、もうわたし一人しかいないのだ。

lw´‐ _‐ノv「……」

 孤独。なんて生ぬるい言葉で表せるのなら、単純明快でいいのであるのだけれど。
 わたしには、もっと重苦しい言葉で自分の気持ちを表現をしたいと思っている。

lw´‐ _‐ノv「ともあれ、なにがあるのだろうか」

 ここ数日、つまりは彼女が亡くなってからずっと、考えているのだけれど。
 答えは見つからない。言葉は見つからない。終わりが見つからない。
 そろそろ、見つかってもいいと思う。でも、わたしの頭は完結を見いだせないでいる。

lw´‐ 3‐ノv「ま。いいや、ご飯たべよ」

 だからこうやって、また今日も一日が過ぎていくのであった。
 でも、答えがないのは、もしかして救いであるのかもしれない。

571 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/06(水) 02:41:13.00 ID:zZyGwGVq0
 考え続けていれば、彼女がいない日常がうやむやにできている、かもしれない。
 そうやって蛇足な思考ばかりしていれば。これがわたしにとって幸せになり続けるのかもしれない。
 彼女のことを、ずっと考え続けていれば。それが、あの時の日常と代わりになると思って。

lw´‐ _‐ノv「ごはんごはん」

 台所に行きついて、わたしは米櫃を開いた。
 一か月前には、最初は彼女のご飯を用意していたけれど。それも今は無いのだ。

lw´‐ω‐ノv「…」

 またちょっと、悲しくなる。 
 心臓から全体にかけて、かけめぐるような。冷たい冷気が走りこむ。
 ぬるぬると、首の後ろあたりが、切なく痛んだ。 

lw´‐ _‐ノv「いいのさ。ご飯があれば、今は幸せ」

 目先の幸せに、思考をシフト。
 泣くことなんて、もう、過去にやりきってしまった。出る水分なんてもう、ありゃしないのだ。
 でも、

lw´‐ _‐ノv「お米が無い」

 これは最悪なのである。




lw´‐ _‐ノv熱を欲するようです。


575 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/06(水) 02:42:41.12 ID:zZyGwGVq0
lw´‐ _‐ノv「…」

 にょろにょろと、台所から今に戻った私は、こたつの中に頭から飛び込んで、ずぼっと突っ込んだ。
 電源をつけていない炬燵は、外気と同じく冷たいままで、ただの暗い空間があるだけだ。
 こんな炬燵、あったって意味はない。なんなのだこれは。

lw´‐⊿‐ノv「だってもう、春だしよ」

 電源をつけるなんて勿体ないのである。実は結構、寒いのであるのだけれど、それでも電源はつけやしないのだ。
 でもこれはただのわたし自身の、ちっちゃなプライドであって。
 今まさに、電源のスイッチに伸ばそうとしているこの身勝手な右手は、弱いわたしの部分なのだろうか。

lw´‐ _‐ノv「なら、さよなら炬燵」

 いもむしのように、手足を使わず、炬燵の中にもぞもぞと入り込んでいくわたし。ニョッキだ。
 入り込んだ側から、反対側に頭が出てきたところで、わたしは炬燵を甲羅にしたカメに変化した。

lw´‐ _‐ノv「いざ」

 四肢に力を込め、わたしは腕立て伏せの要領で、立ち上がるのである。

580 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/06(水) 02:44:04.67 ID:zZyGwGVq0
 背中に感じる軽くもない炬燵の重み。それに負けては、わたしは弱いやつのままだ。
 お米を買い忘れてるぐらい、悲しみを忘れきれていないわたしのままであるのだ。  

lw´‐ _‐ノv「ごごごごご」

 効果音をつけて、わたしは身体に叱咤をする。
 動け。動くんだシュー。

lw#´‐ 益‐ノv「ふぇやー!」

 めくれ上がる布団と、板。
 冷たく舐めるよう身体の周りを空気が通り込み、個別された空気と外気が繋がった。
 途端に、軽くなる重み。
 その勢いのまま、わたしは立ち上がった。後ろで大きな音を立てて、炬燵がひっくり返った。

lw´‐ _‐ノv「やったね」

 小さくガッツポーズ。
 それと今の騒音が下の階の人に響いてないか、心配もしてみるのだ。なんて気がきくのだろう。なんてうそぶいてみる。

586 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/06(水) 02:46:06.28 ID:zZyGwGVq0
 そして、わたしはその格好のまま、視線をさきに伸ばすのだ。
 そこはちょうど窓で、外の景色は夕暮れを表していた。その赤い景色の先では、二匹の烏が飛んでいるのが見える。
 その飛んでいる下には、小さく見える公園があった。人影がない遊具たちが、吹いている風に揺れているのが見えた。

lw´‐ _‐ノv「なにやってんだろ」

 だらんと腕を垂らす。なんか急に冷静になってしまった。
 
lw´‐ A‐ノv「突然のテンションてこわい」

 どうすんのこれ。
 炬燵とか壊れてたらどうしよう。今になって怖くなってくる。どうしたのだろう。普段、こんなことするわたしじゃないのに。
 そうやって、わたしはわざとらしくおろおろとしてみるのだ。
 突然のテンションを、いいわけするように。そうなってしまった気持ちをごまかすように。

lw´‐ _‐ノv「ん…?」

 ふと、ひっくり返った炬燵を見つめていると、その熱を発する装置の部分が、なにか囲炉裏のように見えてきた。
 裏返った虫みたいになってる炬燵に近づいて、そっと電源をつけてみる。

596 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/06(水) 02:48:35.01 ID:zZyGwGVq0
 スイッチを入れて数秒後。籠のような所の中から、熱気を持った赤い光がもれだしてくる。

lw´‐ _‐ノv「おー」

 なんとなく手をかざしてみた。手にひらを軽く撫でるように、熱気がわたしに届いた。
 なにも本物の囲炉裏と同じく暖を得られるようなほどじゃない。でも、それでも暖かった。

lw´‐ _‐ノv「まるで彼女の様だ」

 撫でていた時。彼女の枕にと手を貸していた時。
 嫌がる彼女を洗う時。ご飯をあげるときすねにタックルしてきた時。

lw´‐ _‐ノv「彼女は暖かった」

 今さらだ。
 本当に今さらだ。彼女の暖かさなんて、当時感じることなんてなかったのである。
 亡くなってから、彼女の暖かさを知るなんて。
 なんて馬鹿な子なシュー。

lw´‐ Д‐ノv「あがが」

 やばい。泣きたくなってきたのであるるる。 


601 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/06(水) 02:50:04.48 ID:zZyGwGVq0


 ティッシュを使いまくった数十分後。
 発作のごとく出てきた涙と鼻水を処理をするのも大変でござった。

lw´‐ω‐ノvジュルジュル…

 この光景を他から見られていた、馬鹿を通り越して正気を疑われるだろう。
 なんでひっくり返った炬燵の横で号泣してるんだと。
 
lw´‐ _‐ノv「間違っちゃいないから、困るんだ」

 わたしは窓に近づいて、開く。
 ベランダに出て、手すりによりかかった。すんすんと鼻をすすりながら、暗くなりつつある空を見つめるのである。

lw´‐ _‐ノv「どうしよう」

 その景色を見つめて、わたしはつぶやく。
 答えを見つけてしまったのだ。孤独より良い言葉を。

lw´‐ _‐ノv「寒いんだな、うん」

 恋しいんだ。暖かさが。
 彼女のような暖かさが。

lw´‐ _‐ノv「心とか、色々が」

 寒い寒いと訴えているのだ。孤独とは違って、熱を欲しているのだ。

613 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/06(水) 02:53:22.97 ID:zZyGwGVq0
lw´‐ 3‐ノv =3「でも、どうすんのさ」

 寒いってのはわかったけれど、そんなことどうしようもない。
 新しい家族を迎えるべき?ふざけるなって感じだ。彼女の代わりなんていやしないのだ。

lw´‐ _‐ノv「結局……言葉を見つけても、あれか」

 なにも、解決にならないのか。
 それとも見つけることなんて、しなきゃよかったのかもしれない。
 もっともっと悩み続けているべきだったのかもしれない。でも見つけてしまったのは事実だし。

lw´‐ _‐ノv「なにがしたかったんだろ、わたしは」

 結局、なにを求めていたのだろう。
 わたしは彼女を忘れたかったのだろうか?あの時の幸せを忘れたくはなかったのだろうか?
 わからん。わからんのだ。
 
「あのー……お上の階の住人さん?」

lw´‐ _‐ノv「ふぇ?」

 どこから声が響いてきた。もしかして幽霊か、彼女の幽霊か。
 そんなわけないけど。

('(゚∀゚∩「こんちゃーす……あの、こんな状況ですんません」

624 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/06(水) 02:57:15.66 ID:zZyGwGVq0
 ベランダから乗り出して、下のほうへ視線を寄せた。
 そこには無理な体勢をしながら、こちらの上の階に顔を向けている男性がいた。
 つまりはわたしの部屋の真下の階であり、同じくベランダに出てるのだろう。

lw´‐ _‐ノv「あ、どうも……」

('(゚∀゚∩「ど、どうも……って大丈夫ですか?」

lw´‐ _‐ノv「え?」

('(゚∀゚∩「いや、ちょっと物音がしたもんで……大丈夫かなっと気になって…」

lw´‐ _‐ノv「……それで、イナバウアーを?」

('(゚∀゚∩「え?……ああ、そうですね。ちょっと腰がヤバめな感じです」

 ちょっと苦笑するように笑う男性。そこからわたしと視線を合わせるなら、そんな体背をしなきゃ無理だろう。
 というか物音が気になったんなら、この部屋に訪れればいいのに。

('(゚∀゚∩「それで、大丈夫ですか?」

lw´‐ _‐ノv「あ、大丈夫で……」

 わんわん。なにかが私の耳にとどいた。


('(゚∀゚∩「あ、こらホライゾン……ベランダは危ないからダメって言ったじゃないか…」

 ああ、この声は犬の声。
 男性が飼っているペットなのか。

627 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/06(水) 02:59:19.13 ID:zZyGwGVq0
lw´‐ _‐ノv「あの…」


('(゚∀゚∩「え……どうしました?」

lw´‐ _‐ノv「突然、すみません……お宅にお邪魔していいですか?」

('(゚∀゚∩「え……」

 困る男性。
 あ、まあそうか。いきなりそんなこと言われれば困るというか、あれだよね。

lw´‐ _‐ノv「いえ、わたしは恋人はいないので…」

('(゚∀゚∩「あ、そうなんですか……ってそうじゃないでしょう。一応、僕、こう見えても男ですからね?」

 知ってます。凄い優しそうな、可愛らしい顔をしてますね。
 なんて、いわないけれど、それでもわたしは彼の部屋に訪れたかった。

lw´‐ _‐ノv「お犬、見せてももらってもいいですか」

 さらりと、言葉を続ける。

633 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/06(水) 03:01:12.17 ID:zZyGwGVq0
 彼女の代わりなんていやしない。
 でも、きまぐれで弱い私は、熱を欲していた。
 変わる環境はいつだって、わがままだし、わたしも変わることなんて気まぐれでしかない。
 
lw´‐,ω‐ノv「犬、ぶさいくですね」

「わんわんお!」

('(゚∀゚∩「でしょ!そこがかわいんですよ!」

 なら、わたしもちょっとは、このままで行こうと思う。
 わがままなわたしは、熱を欲する。
 彼女の暖かさは、いつまでたっても、消えることのないよう祈りながら。
 わたしは、熱を探し続ける。


637 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/06(水) 03:02:34.65 ID:zZyGwGVq0
おわりー
最後はもう力尽きちゃったからなんか曖昧になったぜ!

お題
孤独
囲炉裏
さよならこたつ

でした。
この状況で恐れなく感想を求めてみる

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