スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

('、`*川まったく視えないようです


43 名前:('、`*川まったく視えないようです:2011/03/20(日) 23:35:51.07 ID:E4JfaUfeO
これはある大学のオカルト同好会の、

(´・_ゝ・`) 持ちかける人と、

ミセ*゚ー゚)リ 視たい人と、

('、`*川 視えない人と、

爪'ー`) 巻き込まれる人と、

(゚、゚トソン 視える人と、

ココアのおはなし。


('、`*川まったく視えないようです


44 名前:('、`*川まったく視えないようです:2011/03/20(日) 23:38:16.53 ID:E4JfaUfeO
(´・_ゝ・`)「黄泉に通じる洞窟があるらしいぞ」

部長デミタスからそんな噂を教えてもらったのは、今日の昼頃のこと。

(゚、゚トソン「私は行きませんよ、絶対に」

('、`*川「面白そうなのにー」

ミセ*゚ー゚)リ「車は頼んだ!」

爪'ー`)y‐「まぁた俺かよ……」

着替えてこよう、懐中電灯はどこだ、ぶどうの蔓はないか、桃を買うか、プラスチックの櫛からタケノコは生えるのか、などなど。
目的地――備府峠についた頃には黄昏時をも通り越し、周囲は闇に沈んでいた。

ミセ*゚~゚)リ「まんふぁひはいはむれー」

爪;'ー`)「飲み込んでからしゃべりなさい!」

コンビニ菓子片手につぶやくミセリのいうとおり。

洞窟のすぐそばまで敷かれたアスファルト。
立ち入り禁止のフェンスも真新しい。
入り口はトンネルのごとく整備され、頑丈そうな扉までついている。

水源施設か何かのような、雰囲気のカケラもない場所だった。


46 名前:('、`*川まったく視えないようです:2011/03/20(日) 23:40:20.86 ID:E4JfaUfeO
('、`*川「んー……」

オカルトっぽいものはせいぜい木の根元のお供えくらいである。
それもつづら折りの山道のこと、珍しくはない。

煙草に火をつけ、中まで入るかとフォックスが問う。

('、`*川「もち」

爪'ー`)y‐「へいへい、行って参りますよ」

ミセ*゚ー゚)リ「えっ」

爪'ー`)y‐「えっ」

がっしとフェンスに手足をかけたのはミセリである。

ミセ*゚ー゚)リ「行くのはあたし」

47 名前:('、`*川まったく視えないようです:2011/03/20(日) 23:42:53.27 ID:E4JfaUfeO
('、`*川「私が見張りで、あんたが逃走経路確保よ。車で待機してて」

爪;'ー`)y‐「犯罪計画だ……」

私有地、しかも立ち入り禁止の場所に踏み込むのだ。
違法なのは先刻承知。取り憑かれようと呪われようと、警戒すべきはまず現実である。

ミセ*゚ー゚)リ「てことで、ミッションスタート、配置につけっ!」

爪'ー`)y‐「へいへい」

<_プー゚)フ ('ー`爪彡 クルッ

<_プー゚)フ ('ー`爪


<_プ∀゚)フ ('ー`;爪



「きゃああああああああ!!!」

48 名前:('、`*川まったく視えないようです:2011/03/20(日) 23:44:43.49 ID:E4JfaUfeO
甲高いと形容するにはいささか太い悲鳴に、フェンスから落ちるミセリ、懐中電灯を取り落とすぺニサス。
腰を抜かしたらしいフォックスに、

<_プー゚)フ「ここで何してるのかなー?」

懐中電灯で顔を下から照らしながら、話しかけてきた青年は。

('、`;川「見逃してもらえたりは?」

<_プー゚)フ「しない!」

青い制服に身を固め、誇らしげに黒い手帳をつきつけていた。



*****



('、`*川「――とまあ、収穫ゼロだったわけよ」

50 名前:('、`*川まったく視えないようです:2011/03/20(日) 23:48:07.16 ID:E4JfaUfeO
ペニサスの自室である。
茶とベージュを基調にした落ち着いた空間には、ココアの甘い匂いが満ちている。
こたつを一緒に囲むのは、デミタスとトソンだった。

猫舌のデミタスが先を促す。

(´・_ゝ・`)「洞窟には、何も?」

('、`*川「あったわ。残念ながらオカルトでも何でもないけど」

あの洞窟は、かつて銀採掘のために掘られたらしい。
しかし、地質が脆いために崩れやすく、また銀の採掘量が少なかったために、数年ほどで廃鉱となった。
その後は子供の探検スポットと化していたが、数年前、ついに大規模な崩落き巻き込まれる者が出る。
以来、不気味な雰囲気を消し去らんと周囲は整備された。

警察官からの説教ついでに聞き出した話である。

51 名前:('、`*川まったく視えないようです:2011/03/20(日) 23:50:26.53 ID:E4JfaUfeO
(´・_ゝ・`)「近くにあったお供えは、その時の犠牲者のためか」

('、`*川「そゆこと」

(-、-トソン「……ひとつ、異議があります」

控えめな挙手とともに、それまで黙っていたトソンが重い口を開いた。

(´・_ゝ・`)「発言を許そう、都村トソン」

(゚、゚;トソン「どこが収穫ゼロなんですか。
      思いっきり憑いてきてるじゃないですか!」

びしっ! と彼女が指さす先には、まだ口をつけていないはずのデミタスのココアが静かに湯気をたてている。
それがひとくちぶんだけ減っているのも、小学生くらいの男の子が部屋を走り回っているのも、
楽しそうな子供の笑い声が聞こえるのも、全部気のせいか!?


55 名前:('、`*川まったく視えないようです:2011/03/20(日) 23:52:26.98 ID:E4JfaUfeO
(´・_ゝ・`)「俺も、さっきから視界の端に黒いものが映る」

彼らの切実な悲鳴に対して、心霊物件と化した部屋の主は、あっけらかんと笑ってみせた。

('、`*川「だって全ッ然視えないんだもの。
     それに、悪いものじゃないんでしょ?」

(゚、゚トソン「多分……よっぽど気に障ることでもしない限りは」

('、`*川「ならいいのよ」

そう言って、ペニサスは虚空にカップを掲げる。


('、`*川「ココア、美味しかった?」



57 名前:('、`*川まったく視えないようです:2011/03/20(日) 23:54:47.81 ID:E4JfaUfeO
(-、-トソン「―――――………」

視える、というのは大変なことである。
浮遊霊にストーカーされ、
自縛霊に引き止められ、
恨みつらみを延々と耳元でささやかれ、
取り憑かれては体調を崩し、
ただただ相手の気が済むまで耐える日々。
視えないならば視えない方がいいとも思う。

けれど。

ペニサスの言葉で咲いた、男の子の弾けるような笑顔だけは。

(゚、゚トソン「視えたらよかったのに」

('、`*川「んー?」

(゚、゚トソン「いえ、何でも。ココア美味しかったです」



おしまい

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

短い( ^ω^)

Author:短い( ^ω^)
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
カウンター
フリーエリア
ツイッター
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。