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無題


803 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/02(水) 15:25:11.24 ID:LRe7surf0 [2/10]


 この倦怠感は何だろう?

 いや、直接的な原因はわかっている。
 間違いなく、それは兄貴の言った何気ない一言だ。

 「最近ため息が増えたな」

 二年年上の兄貴は、二年前。
 ちょうど今の俺の頃から家の外に出れなくなった。

 原因は知っている。
 きっと今の俺の心境だったのだろう。

 高校三年生。

 普通、楽しかった部活の終わりと共に部活のメンバーと疎遠になったり
 そんな中襲ってくる受験戦争に頭を悩ませるのだろう。

 しかし、実際の俺が頭を悩ませているのはそのどっちでもなかった。


804 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/02(水) 15:26:15.87 ID:LRe7surf0 [3/10]

(´<_` )「おはよう」

ζ(゚ー゚*ζ「おはよう」

 この先端をカールさせたセミロングの少女はデレ。
 元弓道部の部長をしていて、このクラスの副委員もやっている。
 成績もよく、愛想もいいクラスの中心人物だ。

 俺はこの子を非常に恐れている。

ζ(゚ー゚*ζ「アハハ。今日も怖い顔してるー
      また何か難しいこと考えてるんでしょー」

(´<_` )「いや、兄貴の件でさ」

ζ(゚ー゚ζ「そっか、まだ出てこれないのか」

(´<_` )「ああ」

ζ(゚ー゚ilζ「ごめんね」

(´<_` )「いや、デレのせいじゃないさ」

 俺は上手く笑えているだろうか?
 そんな不安をよそに、デレとの会話は進んでいく。



805 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/02(水) 15:27:20.40 ID:LRe7surf0 [4/10]

 そうこうしているうちに先生が入ってきて、デレは自分の席に戻っていった。

( ´∀`)「おはようモナー」

 教壇で出席を取っているのがモナー。
 みんなは優しいと言っているが、俺から言わせればこいつはただの無能だ。

 不良に注意をすることもせず、違反を見逃し、ただニコニコしている。
 こいつは【国語】の授業を教えている。

( ´∀`)「今日は全員出席モナね
       そろそろ受験する学校を決めなきゃいけない時期モナよ」

 クラスの半分が真面目な表情をモナー先生に返し、
 半分が苦笑いや半笑いを返している。

 なぜ、六月にもなってそんな余裕なのか。

 俺はこのクラスが大嫌いだ。



806 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/02(水) 15:28:17.10 ID:LRe7surf0 [5/10]

 * * *

 一時間目の授業は体育だ。

 各々着替えを始める教室で一人だけ机に突っ伏し動かない生徒がいる。

从 -∀从「……」

 ハインリッヒ。
 ハインと呼ばれている。
 勉強はすごいできる馬鹿で、二年の時は同じクラスだった。

 このクラスに入ってから、ハインが笑うことはなくなった。
 そう、いじめられてるのだ。
 好きだったはずの体育の授業も、ほとんど体調不良で欠席している。

 俺はハインに声をかけることもできない。
 なぜかって?

 怖いのだ。

 だが、何が怖いかはわからない。
 いじめられると言っても、連中は直接殴るようなことはしないだろう。
 シカトをするにしても、俺はもともとクラスの連中と仲がいいわけではない。



807 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/02(水) 15:29:24.12 ID:LRe7surf0 [6/10]

 俺は着替えが終わると、校庭に向かって歩き始めた。
 体育の授業は二クラス合同で、B組の俺はA組との合同授業になる。

( ФωФ)「オトジャー、行くであるか?」

(´<_` )「おお、ロマネスクか」

 ロマネスク。
 オトジャと同じ、パソコン研究会の会員で、三年A組の生徒だ。
 俺もこいつも、クラスでは浮いている。

 いや、パソコン研究会に所属してるのはそんな奴ばかりだ。
 だから余計、パソコン研究会は仲がいいのだ。

ζ(゚ー゚*ζ「あー、オトジャくん待ってよ」

( ФωФ)「デレちゃん」

ζ(゚ー゚*ζ「ロマくんおはよっ」

( ФωФ)「おはようである」

 ロマネスクはデレのことが好きだ。
 二人は二年の時同じクラスで、現在同様クラスで浮いていたロマネクスに、
 唯一普通に接していたのがデレなのだ。



808 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/02(水) 15:31:03.90 ID:LRe7surf0 [7/10]

(´<_` )「じゃあ先行ってるわ」

ζ(゚ー゚ζ「あ」

 言葉を続けられないデレと、にやけ面を隠せないロマネスクを置いて校庭に向かった。

 三年の体育の授業は、選択授業だ。
 男子はサッカー・テニス・ソフトボールから好きなものを選択する。
 俺はテニスを選択した。

 テニスはあまり人気がないこともあって、常にロマネスクとの乱打になる。
 乱打とは、 試合を前提とせず、ベースライン付近で相手と打ち合うことだ。

( ФωФ)「前から聞きたかったんだけどさ」

 そう言って、ロマネスクがライン際に強いショットを打ってきた。

(´<_` )「なんだよ」

 足元に来たそのショットを体制を下げながらロブで返した。


809 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/02(水) 15:33:16.66 ID:LRe7surf0 [8/10]

( ФωФ)「オトジャはさ!」

(´<_` )「アウトだ馬鹿」

( ФωФ)「デレのこと!」

(´<_` )「……」

 なんとなく、言いたいことはわかる。
 またまた強打してきた球に、かぶせることで強く返した。

 もともと、ロマネスクはそこまで上手いわけじゃない。
 当然、強く打ち返せば返すことはできない。

( ФωФ)「……」

(´<_` )「どうも思ってないさ」

 そう言ってボールを指さした。

( ФωФ)「そうであるか」

 そこからはいつもの乱打が続き、先生が出席を確認しにやってきた。



810 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/02(水) 15:34:20.40 ID:LRe7surf0 [9/10]

 * * *

 体育の授業が終わる数分前、俺は教室に戻っていた。
 いつも通り、机に突っ伏した少女が目に映った。

从 -∀从「……」

 声をかけることなんてできない。
 気軽に声をかけれた、いや、声をかけてきた頃を思いだす。

从 -∀从「……なあ」

(´<_` ;)「!」

 久しぶりに声を聞いた。
 この教室には俺とハインしかいない。

 きっと、さっきの言葉は俺に向けられたのだろう。
 話したい気持ちはあったはずなのに、声を発することができないでいた。

从 -∀从「……他の奴が来たら無視してくれていい。」

(´<_` )「……」

从 -∀从「……ハハ、話したくもないってか」

 机に伏した状態で顔は見れないが、自嘲気味に笑った気がした。



811 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/02(水) 15:35:10.81 ID:LRe7surf0 [10/10]

 ――ガラッ

ζ(゚ー゚ζ「あ」

(´<_`;)「デレ……か」

 ハインを見ると、もう机に突っ伏して寝たふりをしている。

从 -∀从「……」

ζ(^ー^*ζ「何を話してたの?」

 いつもと変わらない無邪気な笑顔。
 その顔に俺が恐怖を感じていることは、デレはきっと知らないだろう。

(´<_` )「なんでもないさ」

 なぜか、脳裏に引きこもりの兄貴の顔が浮かんだ。

812 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/02(水) 15:40:38.99 ID:2e7HC7av0 [1/12]

 学校が終わると、俺は真っ直ぐに帰路を急いだ。
 あの引きこもりの兄貴の顔が無性に見たくなったからだ。

(´<_` )「兄貴、ちょっと話があるんだけど」

 そう言って開けたドアの向こうには、いつもと変わらない兄貴が座っていた。
 パソコンの前で、ナニを握って、恥ずかしそうに顔を赤らめている。

(;´_ゝ`) 「いや、あの」

(´<_` )「すまんかった」

 俺はドアを閉じ、自分の部屋へ向かった。
 兄貴と話がしたかったが、どんな顔をしていいかわからない。

(´<_` )「もう流石に処理は終わっただろうか」

 きっと兄貴がこの部屋を訪ねてくることはない。
 兄貴も兄貴で、どんな顔をして会えばいいかわからないからだろう。

(´<_` )「ちっ……なんで会うのがこんな緊張すんだよ、恋人かよ」

 そう呟き、再度兄貴の部屋の前まで来た。
 部屋の中から音はしてない。

 もう処理は終わったのだろうが、しかし、再開している可能性も否定できない。



814 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/02(水) 15:41:35.18 ID:2e7HC7av0 [2/12]

(´<_` )「兄貴」

 中からなにやら声が聞こえた。

(´<_` )「入っていいか?」

 「あ、ああ」

 その声を確認してから、俺は兄貴の部屋に入った。

(;´_ゝ`)「いきなりどうしたんだ?」

 妙に澄ました顔を見て、噴出しそうになった。
 ここでしてたんだな、と考え出したら限界だった。

(´<_` )「プッ」

 見る見る内に、兄貴の顔は赤くなっていく。
 それを見て、更に笑いのツボは刺激されていった。

 * * *


815 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/02(水) 15:42:31.98 ID:2e7HC7av0 [3/12]


l从・∀・ノ!リ「どうしたのだ?二人とも静かなのだ」

 両親共海外出張している流石家では妹が家事を担当している。

(´<_` )「今日は久々に笑ったよ」

(;´_ゝ`)「やめてくれよ」

l从・∀・ノ!リ「何があったのだ?」

(´<_` )「いや、今日アニジャの部屋に行ったらさ」

(;´_ゝ`)「待て、それはやめてくれ」

l从・∀・ノ!リ「私にも教えてくれ」

 そんな団欒の中、俺は兄貴にずっと気になっていたことを聞いていた。

(´<_` )「兄貴、二年前のことは後悔してないのか?」

( ´_ゝ`)「……」



816 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/02(水) 15:43:26.46 ID:2e7HC7av0 [4/12]


l从;・∀・ノ!リ「やめるのだ!」

 案の定、家の空気は一気に冷え切ることになった。
 しかし、答えを聞かなくてはならない。

(´<_` )「教えてくれ」

( ´_ゝ`)「……」

( ´_ゝ`)「……後悔などしてないさ
       ただ、お前の最近の元気の無さが同じような原因なら
       馬鹿なことはしないほうがいい」

(´<_` )「……そうか」

 そういいながら、決心していた。

 明日、一歩踏み出してみようと思う。
 兄貴と同じ結末になるなら、それもまぁいいだろう。

 ほら、ニートって楽そうだし



 終わりです

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